やじうまパリモーターショー2008(1)
会場拾遺編

  パリモーターショー2008の会場で見かけた小ネタや、会場外での自動車関連の話題を、3回にわたってお届けする。

ミニカー大好き
   パリモーターショーも東京モーターショーなどと同じように、自動車メーカーだけでなく、タイヤや用品メーカーも出展している。が、どうももうひとつ盛り上がりに欠ける雰囲気だ。そういえばパリでは、ピカピカに洗ったり、きっちりカスタマイズしたクルマは見かけなかった。

   一方で、パリモーターショーでやたらと目立つのがミニカー屋さんのブース。大量のミニカーを積み上げてディスプレイしたブースが、ホール2とホール7に10以上あり、どこも盛況だ。販売されているのは1/43(実物の43分の1の大きさ)がメインで、次いで1/18、1/86といったところ。ノンスケールのトミカサイズ(3インチ)は少数のようだ。価格帯は1/43で10ユーロから高いもので50ユーロといったところ。中には塗装がはげたビンテージものを専門に扱っているブースもある。

   品揃えを見れば分かるように、完全に大人を相手にしているのがポイント。子供向け製品もないではないが、どこのブースでもいい歳をこいたおじさんたちが熱心に掘り出し物を漁っている(かくいう筆者も……)。

   後述するシャンゼリゼのショールームや、自動車用品店でもミニカーが多数販売されていた。当地のみなさんのミニカー好きを痛感した次第である。

 

盛況のミニカー屋さんたちの一方で、いまいち盛り上がらない用品コーナー。洗車グッズもあるにはあるが、大した注目を集めていない。「フランスに来て車をピカピカにしている人は、映画の『「TAXIシリーズの主人公しか見たことない」とは、取材をアテンドしてくださった現地在住5年の日本人女性の弁

世界のタクシー展

   パリモーターショー2008では本来のモーターショー以外にも、電気自動車の試乗会など、いくつかの特別企画が行われている。なかでも人気があったのが「Taxis du Monde(世界のタクシー)」。

   その名の通り、20カ国のタクシー40台の実車を展示し、その背景を解説する企画だ。ちゃんと東京のタクシーも含まれているのだが、タクシーとひとくくりにしても、国や時代によってこうも違うものかと驚かされる。


各国の各都市のタクシーが展示されているフランスのタクシーと言えばこれ(その1)。第1次世界大戦のマルヌにおける対独戦で、兵員輸送車としてパリを走るルノーの小型タクシー1200台が徴発され、勝利に貢献した。以後、このタクシーは「マルヌのタクシー」と呼ばれるようにフランスのタクシーと言えばこれ(その2)。映画「TAXI」のタクシー。記念撮影の順番待ち行列ができるほどの人気
ロンドンタクシーの変遷。左から1952年、1965年、2008年
ルノー・ドーフィンをベースにカロッツェリア・ギアがボディをのせた「Renault Projet 900」ドイツのかわいらしい2座タクシー「ハノマーク・コミスブロート」。バウハウスの建築とマッチしたスタイル2ドアのビートルがタクシーに。さぞかし乗り降りしにくそうな、と思ったら、(この写真ではわからないが)助手席をはずしてリアシートにアクセスしやすくしてあった
タイ(左)、フィリピン(右)の現役選手常盤台からはるばるやってきた日本代表
イタリア代表は初代ムルティプラロシアのボルガプジョーが提案する未来のタクシー。マルチメディア端末らしきものがパッセンジャー室に備えられている

(編集部:田中真一郎)
2008年10月17日