首都高、大橋JCT工事に用いたシールド機公開 大橋シールドトンネルが貫通 |
中央環状新宿線大橋JCTの説明図。緑色のループ部分が大橋JCTで、オレンジ色が3号渋谷線と接続する高架道路。右側の水色が大橋シールドトンネルとなる |
■松見坂立杭に到達したシールド機
大橋シールドトンネルは首都高速4号新宿線と3号渋谷線を結ぶ首都高速中央環状新宿線の一部となるもので、総延長431.7m。山手通りと淡島通りの交差する松見坂交差点付近の松見坂立杭から、東急田園都市線池尻大橋駅にほど近い大橋JCT(ジャンクション)と接続する大橋立杭を結ぶトンネル。大橋JCTおよび、大橋シールドトンネルはCar Watchの創刊日である9月24日の記事(「大橋ジャンクション」の建設現場を公開する「おとなの社会見学」)でもお届けしているが、今回公開されたのはその工事に用いられたシールド機となる(前回は、シールド機の後部しか見られなかった)。
今回の公開は、松見坂立杭から入ったシールド機が大橋シールドトンネルの上段(内回り、4号新宿線から3号渋谷線方向)を大橋立杭まで掘り終え、そこで転回。さらに下段(外回り、3号渋谷線から4号新宿線方向)を松見坂立杭まで掘り終え、シールド機による工事が終わることを受けてのもの。この後役目の終わった直径12.94m、重量約2000tのシールド機は解体され、中の機械部分は再利用、表の刃の部分や外装などはリサイクルされ100%のリサイクル率を達成するという。上方から見下ろした大橋立杭。見えているのは上層部のトンネル。扇状のブロックは、シールドトンネルの外壁となるセグメントだ。このセグメントを張り巡らせ、その圧力を受けつつシールド機は前方に進んでいく
シールド機の見学のためには、前回と同様大橋立杭から入り松見坂立杭まで歩いていくのだが、トンネル内に耐火パネルが貼られているなどここ1カ月でずいぶん工事が進んだ印象を受けた。松見坂立杭に到着すると下段トンネルから顔を出しているシールド機が見られた。とても巨大で、この後行われる解体作業もずいぶん工数がかかるものと思われる。
■内壁の工事や3号渋谷線への接続準備が進む大橋JCT
大橋シールド機の公開の後は大橋JCT見学へ。あれから1カ月が経ち、JCT内の壁面工事や3号渋谷線へ延ばすための準備も進んでいるようだった。大橋JCTから3号渋谷線への接続はベント工法と呼ばれる架設工法が使われるようで、JCT上部にはすでにその基部が設置されていた。
今回公開された大橋JCT完成スケッチ。屋上部に階段状の公園らしきものが見受けられる | 周辺のマンションを含めたイメージ図。目黒川沿いに桜が咲き、説明の中でも周囲の景観に配慮したJCTであることが強調されていた | 屋上から撮影した大橋JCT周辺の景観。ループ状になっているのがお分かりだろうか。奥に見える高架が3号渋谷線 |
最後に大橋JCTの屋上に案内されたが、ここは以前と変わらず。担当者によると、この屋上部分の工事は最後のほうになるそうで、緑化公園などのさまざまな案は出ているがまだ決定していないとのこと。大橋JCTの完成日時も現時点では2009年度(2010年3月末まで)としか発表されていないが、環状線(C1)の渋滞の減少も見込まれているだけにその完成が待ち遠しい。
■URL
首都高速道路株式会社
http://www.shutoko.jp/
首都高速道路中央環状線
http://www.c2info.jp/index.html
大橋ジャンクション
http://www.c2info.jp/junction/ohashi/ohashi.htm
首都高の技術、つくる技術|クアトロサイドカッター機(CSM工法)
http://tech-shutoko.sakura.ne.jp/create/csm3.html
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【2008年9月24日】「大橋ジャンクション」の建設現場を公開する「おとなの社会見学」
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20080924_37784.html
(編集部:谷川 潔)
2008年10月23日