NEXCO西日本、別府湾SAをグランドオープン
新潟や岐阜の古民家を利用したレストランなどを設置

10月25日グランドオープン



大分自動車道に設けられた別府湾SAは、温泉地で有名な別府と由布院の間に位置し、東に別府湾を望む場所にある(図は西日本高速道路SHDの「別府湾サービスエリアガイド2」より)
  NEXCO西日本(西日本高速道路)および、西日本高速道路SHD(サービス・ホールディングス)は、大分自動車道の別府湾SA(サービスエリア)を10月25日にグランドオープンさせるのに合わせ、記念式典を開催した。

  別府湾SAは大分自動車道に設置されたサービスエリアとして最大のもので、すでに本年4月から一部施設はオープンしていたが、新潟の古民家を移築したレストラン棟「アルテジオダイニング」、岐阜の古民家を移設した丼・蕎麦専門店棟「不生庵・茜舎(ふしょうあん・あかねや)」の建設を進めてきた。この両棟とも大分の由布院温泉で「山荘 無量塔(さんそう むらた)」を経営する藤林晃司氏のプロデュースによるもので、そのコンセプトは“和を基調としたモダンで心地よい空間”としている。実際両棟とも木の風合いを活かしたデザインがされており、古民家を利用した柔らかい雰囲気の漂う食事処として仕上がっている。さらに、席にはよるものの目の前に別府湾を見下ろす風景が広がり、夜には別府温泉の美しい夜景を見られると言う。

駐車場こそ上下線が別となっているが、各施設の行き来は行える別府湾SA。スマートICは下り線だけに設けられるこれがスマートICの出口。9月12日から運用が開始され、6時から22時まで利用可能で車長は12mまで対応している

新潟の古民家を移築したレストラン棟「アルテジオダイニング」。地元の食材を活かした料理が用意されている

アルテジオダイニングには、こんな瀟洒な個室もある。パーソナルな雰囲気でリラックスした食事が行える岐阜の古民家を移設した丼・蕎麦専門店棟「不生庵・茜舎」。丼ものの入口と蕎麦専門店の入口は分かれているが、内部はつながっているざるそばやかけそば、そして地鶏の親子丼などがメニューに並ぶ。別府湾を見ながら食事が可能な席もある
すでにオープンしている別棟「玄林館」の下り線には、10月25日合わせて103インチのプラズマディスプレイを設置。観光情報などを見ることができるSAの端にはドッグランエリアも。各地のSAでも増えつつある施設別府湾SAから別府湾を望む。右に見える少し高い山は、お猿さんで有名な高崎山。晴れた日には四国が見えると言う

  記念式典は、NEXCO西日本CEO兼西日本高速道路SHDのCEOである石田孝氏の挨拶からはじまった。石田CEOは、「2年くらい前から関係各方面と構想を練ってきた。別府湾SAはあと200kmほど建設が残っている東九州自動車道が開通した暁には、中間点となる場所にある。200kmのうち、100kmはNEXCO西日本、100kmは国が作ることになっている。2016年度開通となっているが、6年半後を目指してがんばっているところだ。完成したらここは別府温泉と由布院温泉を後背地に持つ交通の要衝となり、アミューズメントの中心となる」と語り、NEXCO西日本にとって別府湾SAが重要な場所であると位置付けた。この別府湾SAの下り線にはETC搭載車のみが利用可能なスマートICが併設されており、これについても「9月12日にスマートICの運用を開始した。別府方面への利用者が確実に増えている」とし「別府や由布院が発展すれば大分が発展する、大分が発展すれば九州が発展する。そのような活動を今後も継続していきたい」と結んだ。

  別府湾SAをプロデュースし、各棟の運営を担当するリ・クリエイト会長の藤林晃司氏も挨拶し「100年以上前の日本の民家を移築したものです。この民家には“100年遺産古民家レストラン”と名付けました。別府にはたくさんの観光客が来られます。この別府湾SAを訪れる日本の方には懐かしい原風景を感じていただき、外国の方には日本の文化を感じていただける施設ができ上がったと思います」と、別府湾SAの施設へ込めた思いを披露した。

  来賓からは、大分県副知事の平野昭氏がまず挨拶に立ち、県知事である広瀬勝貞氏の祝辞を代読。別府湾SAのグランドオープンを祝うとともに、眺望絶景な別府湾SAがシンボルエリアとなり、地域振興やさらなる観光振興への期待を込めた祝辞を読み上げた。

  次に浜田博別府市長が挨拶に立ち、この別府湾SAのコンセプトが現在別府市が進めている“お客様をあたたかく笑顔(スマイル)で迎えましょう”という「スマイルべっぷ運動」の精神と一致しており、地域と一体になっての発展をと結んだ。

式典開始直前。向かって左側が主催者側列席者、右側が来賓の席となる。奥に見えるのがアルテジオダイニング最初に挨拶を行った、西日本高速道路株式会社代表取締役会長CEO兼西日本サービス・ホールディングス株式会社代表取締役会長CEOの石田孝氏別府湾SAをプロデュースする株式会社リ・クリエイト代表取締役会長藤林晃司氏。別府湾SAに込めた思いを語った
平野昭大分県副知事は、知事のメッセージを代読。別府湾SAのグランドオープンが地域振興へよい影響となると述べた浜田博別府市長は、別府市が進めている運動と同じ方向性を持つとして別府湾SAのグランドオープンを歓迎した式典はスケジュールどおり進み、いよいよテープカット。ほどなく両棟ともオープンし、多くのお客さんで賑わい始めた

  式典が終わりしだい両施設はオープンし、当日別府湾SAを訪れた多くの人がレストランを利用していた。なお、NEXCO西日本によると、別府湾SAを含む大分自動車道の交通量は片側平均1万台/日で、今後の高速道路網の延伸によりその重要性はますます高まると位置付けている。

 

URL
西日本高速道路株式会社
http://corp.w-nexco.co.jp/
西日本高速道路サービス・ホールディングス株式会社
http://www.w-holdings.co.jp/
ニュースリリース
http://corp.w-nexco.co.jp/corporate/release/hq/h20/0929b/
別府湾サービスエリアガイド1(PDF)
http://corp.w-nexco.co.jp/corporate/release/hq/h20/0929b/pdfs/01.pdf
別府湾サービスエリアガイド2(PDF)
http://corp.w-nexco.co.jp/corporate/release/hq/h20/0929b/pdfs/02.pdf

(編集部:谷川 潔)
2008年10月27日