スタッドレスタイヤへの交換はこんなに簡単 タイヤ館 パドック246で「BLIZZAK REVO2」を取り付ける |
スタッドレスタイヤを取り付ける日産セレナ。最新型ではなく一世代前のモデル |
夏タイヤからスタッドレスタイヤに交換するにはいくつか方法があるが、一般的な方法は自動車ディーラーや自動車用品店、タイヤショップなどでタイヤを購入し、お店で取り付けてもらうことだろう。自分で取り付けることも不可能ではないものの、タイヤは自動車と路面の唯一の接点となる重要部品だけに確実な取り付けが要求される。きちんと回転バランスが取れていないと高速道路などを走る際に振動が出たりするし、ホイールがきちんと締め付けられていないと最悪の場合外れることもある。そういう意味でもタイヤ交換は、経験豊富なプロにお願いするのがお勧めだ。
ブリヂストンが全国展開するタイヤショップ「タイヤ館」での、スタッドレスタイヤへの交換作業を通して、プロのタイヤ交換とはどういうものか紹介していく。
■日産「セレナ」に「BLIZZAK REVO2」を取り付ける
タイヤ交換を行う車種は日産セレナ。日産でも売れ筋の車種だが、今回スタッドレスタイヤを取り付けたのは先代のセレナで4WDタイプのもの。取り付けるスタッドレスタイヤは、BLIZZAK REVO2(ブリザック レボツー)とした。BLIZZAK REVO2は、「2台に1台がブリザック」でも知られるブリヂストンスタッドレスタイヤ「BLIZZAK」シリーズの主力商品。Z形状の溝(グリッド)と、レボ発泡ゴムZというゴムを用いることで優れた氷上性能を発揮すると言う。BLIZZAKは1988年に発泡ゴムを初めて使ったPMシリーズから始まり、氷上性能最優先のMZシリーズ、そして高速性能を考慮したREVO1と発展してきたが、REVO1よりも氷上性能を高めたREVO2の投入でMZシリーズが統合された。10年間発展してきたBLIZZAKの一つの完成型がREVO2と言えるだろう(今シーズンは、SUV用にDM-V1を追加)。BLIZZAK REVO2のトレッド(タイヤ表面)。Z形状の溝とレボ発泡ゴムZというブリヂストンの最新テクノロジーが注ぎ込まれたスタッドレスタイヤ
今回はそのREVO2を東京都世田谷区にある「タイヤ館 パドック246」で取り付けることとし、セレナの標準サイズとなる195/65 R15のものを選択した。また、夏タイヤからスタッドレスタイヤへ交換する場合は、現在使っているホイールをそのまま使うか、もしくは新しく用意したホイールへスタッドレスタイヤを取り付けるかの選択肢があるが、今回は後者を選択。これは現在使っているホイールを使うケースでは、季節の変わり目に経年変化したタイヤをホイールから付けたり外したりしなければならず、どうしてもタイヤが傷つきやすいため。その点、ホイールごと交換する方法だと、新品のゴムが柔らかいタイヤを取り付ける作業が一度発生するだけなので、タイヤの傷みがほとんどない。そのためスタッドレスタイヤは夏タイヤと別のホイールに取り付けておくほうが理想的だ。
タイヤ館 パドック246は、環状8号線と国道246号の交差する瀬田交差点から国道246号を少しだけ都心方面に戻ったところにある。緑と赤のラインが目印で、国道246号に面しているためすぐに見付けられるだろう | 今回作業を行っていただいたタイヤ館 パドック246のスタッフ小島浩二氏。タイヤに関することはなんでもおまかせのベテランスタッフ |
■プロの交換作業はテキパキ進む
タイヤの交換作業は今回の場合、セレナから現在付いているホイールとタイヤを取り外す、新しいホイールにREVO2を組み付ける、REVO2が付いたホイールをバランス取りする、セレナにREVO2&ホイールを取り付ける、というステップが必要となる。ただ実際はタイヤが4本あるので、いろいろな作業が並行して進み、どんどんセレナにREVO2が取り付けられていった。ここではステップごとにその作業を紹介していく。
●セレナからの取り外し
最初はセレナをピット(作業場)に入れるところから始まる。後進でピットにセレナを移動し、すべての作業が驚くべき速さで進んでいった。
作業を行うピット(作業場)。タイヤ館 パドック246には4つのピットが備えられている | セレナを後進でピットへ誘導。自動車を持ち上げるジャッキの直上に移動する | ジャッキアップ作業と同時並行で、今まで付いていたタイヤ&ホイールの取り外しが始まる |
取り外された後輪 | そして、前輪も取り外された。ここまでの作業時間は5分とかからない |
●新しいホイールへREVO2を組み付ける
セレナからタイヤを取り外すのと同時進行で進んでいたのが、新しいアルミホイールへのREVO2の組み付け。タイヤチェンジャーという特殊な機械を使い、ホイールにタイヤを組み付けていく。これがタイヤチェンジャー。銀色のテーブルの上にホイールをセットし、タイヤの組み付けや、取り外しを行っていく。パドック246には各種サイズのタイヤチェンジャーが取りそろえられ、さまざまな種類のホイール&タイヤに対応した作業が行える
このタイヤチェンジャーには、対応するタイヤやホイールのサイズによって各種のものがあると言う。パドック246では、標準タイプのものから、トラックなど大き目のタイヤに対応するもの、そして最近のスポーツカーで採用例の増えているランフラットタイヤに対応するものなどが取りそろえられ、作業内容によって使い分けているとのこと。
タイヤチェンジャーはタイヤの組み付けのほか取り外しもできるようになっていて、セットされたホイール部分を回転させることで各種作業が行われていく。
●REVO2が組み付けられたホイールのバランスを取る
アルミホイールにREVO2を組み付け終えたら次はバランス取り。ここでの主役はタイヤバランサーという機械で、組み付けられたタイヤ&ホイールを高速回転させて重さの偏りを計測する。パドック246が保有するタイヤバランサーはダイナミックタイプのバランサーで、ホイールの内側と外側のバランスの偏りを同時に計測でき、どの程度の重りを取り付ければよいのかも瞬時に判断できるタイプ。パドック246に備え付けられていた、ダイナミックタイプのタイヤバランサー。内側と外側の偏りを同時に計測でき、モニター画面にその偏りが瞬時に表示される。また、ホイールサイズなどもセンサーアームをセットすることで自動的に計測される
タイヤ&ホイールのバランスがきちんと取れていないと、高速走行をした際にステアリングに振動が出たり、ひどい場合は一般道を走行速度でも、その異常さを感じ取れる。タイヤ交換の際は必ず行っておきたい作業だ。
●セレナにREVO2&ホイールを取り付ける
ダイナミックタイヤバランサーでバランスを取り終えたらいよいよセレナへの取り付け。ここで小島氏にお勧めされたのが車種に合ったハブリングを取り付けること。メーカー純正品のホイールではない場合、多くの車種に対応するためホイールハブが余裕を持って作られているため、車種に合ったハブリングでその隙間をなくすほうがよい結果を得られる場合が多いとのこと。価格もサイズによって異なるが1個1050円とのことで、今回はセレナに合ったハブリングを購入した。
この取り付け行程では、タイヤ館独自の「B-SYSTEM センターフィット・サービス」という作業が取り入れられていた。これはタイヤに振動を与えつつホイールを取り付けることで、重力の影響をなるべく取り除いて、極力車軸のセンターにホイールをセットするというもの。その詳細をご紹介していこう。
■タイヤのことならおまかせのタイヤ館
ブリヂストンが提供している、タイヤサイズを選ぶためのWebページ |
この取材での驚きは、タイヤ館 パドック246で行われていた丁寧かつスムーズな作業と、そこに導入されていたタイヤを知り尽くしたプロならではの機械だ。しかも、その機械を適切に用いることで、タイヤにやさしく、そしてクルマに正しく、取り付けが行われていた。タイヤ館 パドック246では、スタッドレスタイヤの取り付けだけでなく、通常のタイヤ交換の際にも利用したいサービスが、プロの手によって日々確実に行われているのを知った1日であった。
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【2008年9月25日】雪が降る前に準備しよう「スタッドレスタイヤ2008年モデル特集」
http://car.watch.impress.co.jp/docs/special/20080925_37767.html
株式会社ブリヂストン
http://www.bridgestone.co.jp
製品情報(BLIZZAK REVO2)
http://www.blizzak.jp/
タイヤを探す
http://tireselector.bridgestone.co.jp/select/tire/car_search_index_stl.html
タイヤ館 パドック246
http://tokyo.taiyakan-shop.jp/padock246/
(編集部:谷川 潔)
2008年11月5日