日産、貴金属を半減した「超低貴金属触媒」を新型キューブに採用
新型キューブは11月19日発表

超低貴金属触媒
11月19日発表



 日産自動車は11月14日、貴金属の使用量を半減した触媒「超低貴金属触媒」を、新型キューブに搭載すると発表した。

 触媒にはPt(プラチナ)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)といった貴金属が使用される。世界の貴金属使用量のうち、自動車用途はPtで約50%、Rhで約80%。貴金属の価格高騰や、採掘可能量の限界などから、自動車での貴金属使用を抑制する必要がある。

 従来の触媒は、貴金属粒子を基材を介して触媒に付着させていたが、使用するにつれて熱で貴金属粒子が凝集し、表面積が減って浄化能力が低下した。そのため、能力低下分を見込んだ多量の貴金属を使用する必要があった。

 新型キューブに搭載される触媒では、貴金属を付着させる基材の周囲に物理的な「仕切り」を設け、貴金属粒子の凝集と表面積の減少を防ぎ、浄化能力の低下を抑制する。ニュースリリースでは、総合研究所の中村主任研究員が「貴金属をのせた基材があたかも鳥の巣に守られた卵のようにしきり材によって区切られた構造」と表現している。

 

 これにより貴金属の使用量は1.3gから0.65gに半減。浄化能力は平成17年基準排出ガス75%低減レベル(SU-LEV)を維持している。

 同社では順次国内向けコンパクトカーへの搭載を進めるほか、コンパクトカー以外への拡大や、外販も検討する。また、ルノー車への採用も計画している。

 なお新型キューブは、11月19日(現地時間)から開催されるロスアンゼルス・オートショーで、世界初公開される。

 

URL
日産自動車株式会社
http://www.nissan.co.jp/
ニュースリリース
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2008/_STORY/081114-01-j.html

(編集部:田中真一郎)
2008年11月14日