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2万4800円 (MapFan Navii for WILLCOM D4 カーナビ・パック[GPSセット]) 1万3800円 (MapFan Navii for WILLCOM D4[ソフトウェア単体]) インクリメントPは、パイオニアのカーナビの地図を作成している会社として、カロッツェリアユーザーにはおなじみの会社だが、このインクリメントPがウィルコムのUMPC(Ultra Mobile Personal Computer)である「WILLCOM D4」向けに発売したカーナビソフトウェアが「MapFan Navii for WILLCOM」だ。パソコン(UMPC用を含め)用のカーナビソフトと言えば、地図ソフトのおまけ機能としてGPSが付いている程度で、カーナビの代わりになる代物ではないというのがこれまでの認識だったと思うが、このMapFan Naviiは、はっきり言ってその常識をぶち壊す、本格的なカーナビとして利用できるソフトウェアだ。 ■2つのパッケージが用意されているMapFan Navii
MapFan Naviiには2つのパッケージがある。アイ・オー・データ機器のUSB接続のGPSモジュール「UMGPS」とソフトウェアがセットになった「MapFan Navii for WILLCOM D4 カーナビ・パック[GPSセット]」と、ソフトウェア単体の「MapFan Navii for WILLCOM D4[ソフトウェア単体]」。D4用のGPSモジュールを持っていないユーザーであれば前者を、すでにUSBやBluetooth接続のGPSモジュールを所有しているユーザーであれば後者をということになる。なお、価格は前者がWILLCOM STOREで2万4800円、後者が1万3800円となる。 ただ、UMGPS以外のGPSモジュールは基本的に稼働保証の対象外となる。しかし、自己責任において使いたいというユーザーのために、他のGPSモジュールで利用する方法がインクリメントPのMapFan Navii FAQページ(http://navi.mapfan.com/support/index6.html#link5_8)で公開されている。実際、筆者もこの方法で、Bluetooth経由のGPSモジュール(ソニー「VGP-BGU1」)と組み合わせて利用したが問題なく利用することができた。保証対象外とはいえ、すでに手持ちのGPSモジュールを利用することができるのはうれしいところだ。 いずれにせよ、D4そのものにはGPS機能が内蔵されていないので、どちらのパッケージを購入したとしてもGPSは外付けとなる。USBの場合にはいちいちケーブルを接続しなければならなくて面倒なので、保証対象外とはなるものの筆者としてはBluetooth GPSをお勧めしたい。筆者が利用したVGP-BGU1の場合、1度Bluetooth経由でペアリングしてしまえば、その後はVGP-BGU1の電源を入れてMapFan Naviiを起動するだけで利用することができたし、ケーブルを車内に引き回さなくてよいという意味でも、Bluetoothがお勧めだ(しつこいようだが、その場合にはサポート対象外となるので、自己責任でお願いしたい)。 なお、WILLCOM STOREではD4をエアコンの送風口に取り付ける車載ホルダー(サンワサプライ「CAR-HLD1BK」)が1980円で販売されており、D4をPND(Portable Navigation Device)のように取り付けることが可能になっている。このアダプタは左右からD4を挟むような形になっており、大容量バッテリーを付けた場合でも前後にアームが動くようになっているので問題なく取り付けることができる。
■D4のタッチパネルを生かしてリアルカーナビにするMapFan Navii
しかし、MapFan NaviiはD4というタッチパネルを搭載している製品での利用が前提となっているため、タッチパネルですべての操作を行うよう設計されている。つまり、UIに関する限りは、カーナビっぽくではなく、カーナビのソフトウェアをそのままパソコンのプラットフォームに移植したものだと考えてよいだろう。 本ソフトを起動すると、運転中には操作しないようになどの注意が出た後は、まさにカーナビの画面そのものとなる。例えば、行きたい場所を検索するのなら、画面の左下に表示されている[MapFan]のアイコンを押すと、メニューが表示され、そこから住所、電話番号、名称、周辺などのカーナビと同じような検索メニュー出るなど、タッチパネルの操作だけですべてが完結するようになっている。名称で検索するような場合には、携帯電話のようなソフトウェアキーが表示され、それを利用して文字入力をすることができる。この間、D4のポインティングデバイスやキーボードなどはまったく操作する必要がないので、まさにカーナビ感覚ということになる。
■カーナビ専用機をよく知るインクリメントPだから実現できた使い勝手
地図は50m〜100km縮尺に関しては全国版が収録されており、大都市や市街地などに関しては25mと10mの地図も収録されている。どの地域に25mと10m版が用意されているかはインクリメントPのWebサイト(http://navi.mapfan.com/record/)で公開されているPDFファイルで確認することができるが、一般的な用途であれば困ることはないだろう。 特筆すべきはカーナビ専用機の機能を受け継いでいるガイド機能。音声でガイドしてくれるのはもちろんのこと、交差点を曲がる時には交差点のレーン情報、交差点までの距離情報などをきちんとズームアップ表示してくれる。これにより、どの交差点で曲がればいいのか分からないということはないだろう。 さらに、カロッツェリアユーザーであればおなじみの機能と言える、目的地への方向を赤い線で示してくれるガイドが標準で用意されている。MapFan Naviiは、地図の表示をヘディングアップにも、ノースアップにもできるのだが、どちらのモードにしていても、目的地の方角が一目で分かるので便利だ。 もちろん、案内している道から外れた場合には、自動でリルートも行われる。ただ、当たり前だがD4を利用しているため、ジャイロセンサーを利用することができない。このため、GPS衛星が捕捉できない場合にもジャイロセンサーで移動を検知し、自車位置を更新するといった機能は用意されていない。ただし、ソフトウェア側で直前の速度などを参考に自車位置を進める機能は用意されており、トンネルなどで一時的にGPS衛星を捕捉できなくなっても、ほとんどの場合は問題なくガイドされる。 また、カーナビ専用機などでおなじみの高速道路のインター入口や出口表示、ジャンクションでの表示、さらには高速道路ビューなども用意されており、高速道路を走っている時などもカーナビ専用機などと遜色ない使い勝手を実現している。 このように、カーナビとしての機能はジャイロなどの専用のハードウェアが必要なものを除けばほぼ持っており、ジャイロセンサーがないPND並の機能を備えているということができるだろう。
■月額388円でVICSから提供される渋滞情報などを受信できる通信機能を備える
ただし、そのサービスを利用するには別途月額388円がかかることになる(このため、通信機能はオプションで利用しないという選択肢もあり。2009年1月31日までは無料キャンペーンも行っている)。高いか安いかは人それぞれだと思うが、後述するようにMapFan Naviiの通信サービスの主目的はVICSによる渋滞情報の受信ということになるのだが、例えば専用カーナビのVICSビーコンユニットを別途購入すると2万円ぐらいにはなってしまう。月額388円は、2年間で9312円、4年間で1万8624円という計算になるので、そう考えれば決して高いものではないと考えることができる。もっとも、VICSも追加機器のいらないFM受信だけで十分だと考えている人には、月額388円は高いと感じるだろう。人それぞれと述べたのはこのためだ。 しかしながら、本格的なカーナビとして使いたいのであれば、VICSによる渋滞情報のデータはあったほうがよい。すでに述べたように、カーナビ専用機相当の機能を多数持っており、その中には渋滞情報を考慮したルート選択の機能も含まれる。少しでもすいている道を選択してスイスイ走るということがカーナビの目的の1つであると考えるのであれば、やはり通信機能を利用するのがお勧めだろう。 なお、通信機能を利用すると、渋滞情報だけでなく、有料駐車場の混雑状況の確認、ガソリンスタンドの料金表示、インクリメントPが提供する「MapFan ch」という地図に関するコンテンツを、MapFan NaviiのUIから閲覧することが可能になっている。駐車場の情報やガソリンスタンドの情報も、車を運転する上で欠かせない情報なので、それらをリアルタイムで検索できるのは非常に便利だ。
■パソコンとしても使える部分を重視するのなら“買い”
もっとも、完全にPND並かと言えばもちろんそうではない。車に完全に設置された状態であれば、イグニッションをオンにすればすぐ使えるPNDとは異なり、MapFan Naviiの場合はPCの電源を入れ、さらにMapFan Naviiを起動する必要があるし、外付けのGPSを接続する必要もある。また、すでに述べたようにジャイロセンサーを持っていない点などは、カーナビ専用機に比べて不利な点も無いわけではない。 また、価格も無視できないファクターだろう。GPSユニットを持っていないユーザーなら、GPSとセットのパッケージを購入することになるが、WILLCOM STOREで2万4800円という価格設定になっており、さらにD4をこれから購入するとなると、もっとも安価な「Ver.L」でも「W-VALUE Select」という2年分割払い購入での実質負担金が5万9300円かかることになる。PNDが5〜6万円で購入できることを考えると、決して安いとは言えないだろう。単にナビの機能が欲しいと思うのなら、素直にPNDを買ったほうが幸せになるだろう。 しかし、逆にPNDが逆立ちしてもD4+MapFan Naviiにかなわない部分がある。それは、MapFan NaviiがパソコンであるD4で動いている点だ。つまり、パソコンであるため、インターネット利用時の制限は何一つない。もちろんWebブラウザーを利用して、インターネット上のすべてのコンテンツを楽しむことができる。最近ではカーナビにWebブラウザーが用意されている場合も少なくないが、プラグインが足りなかったり、解像度が十分ではなかったりなどの理由で制限されたサイトしか楽しめない場合があることを考えると、このメリットは大きい。もちろん、それ以外にもパソコン(Windows Vista)用のアプリケーションはすべて使える訳だから、この点もPNDにはないメリットと言える。 例えば、家族で電車で現地まで移動し、現地ではレンタカーを利用するという旅行を考えてみよう。MapFan Naviiの場合はD4(と外付けGPS)を持って行けば、ナビとして利用できるだけでなく、パソコンとしても利用できるので、例えばデジカメの写真をバックアップしたり、撮影した写真をD4のディスプレイで確認したりという用途にも利用することが可能だ。 このように、パソコンとしても使えること、これがMapFan Naviiを購入する上での最大のメリットと言えるだろう。そこに価値を見い出すことができるのであれば、ソフトウェア単体で1万3800円、GPSモジュールとセットで2万4800円という価格は、PND相当の機能を手に入れられる価格としては決して高いものではないと思う。PCの利用度が高いユーザーで、PND相当の機能も欲しいと思うユーザーであれば検討してみる価値がある製品と言えるのではないだろうか。
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(笠原一輝)
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