トヨタとダイハツ、新型コンパクトカー「パッソ セッテ」「ブーン ルミナス」 全長約4.2mの7人乗りコンパクトカー。必要機能と利便性を備え低価格に

（右から）トヨタ「パッソ セッテ」と、ダイハツ「ブーン ルミナス」

  トヨタ自動車とダイハツ工業は、7人乗りコンパクトカー「パッソ セッテ」「ブーン ルミナス」を12月25日に発売する。価格はトヨタのパッソ セッテが149万円～203万3000円、ダイハツのブーン ルミナスが153万5000円～207万3000円。

  パッソ セッテとブーン ルミナスは、4180×1695×1620mm（全長×全幅×全高）と小型のボディーサイズでありながら3列シートを装備し、7人乗車が可能なコンパクトカー。企画はダイハツだが、トヨタのニーズとも一致したために、トヨタ側の要望を踏まえて開発した。ダイハツが製造と販売を行うほか、トヨタもダイハツよりOEM供給を受けて販売する。

パッソ セッテ	ブーン ルミナス	ブーン ルミナス（リア）
パッソ セッテのコックピット	ブーン ルミナスのインパネ	ブーン ルミナスのインテリア（CX）

  室内空間は、ホイールベースを2750mmをすることで室内長2550mm、室内幅1415mmを確保。前後乗員間距離を1列目と2列目で880mm、2列目と3列目で750mmとしたほか、2列目シートのスライド量を150mm確保し、3列目シート足元を低床構造とすることで、3列目シート着席時に大人でも自然な乗車姿勢を保てるとしている。また、リアドア開口幅を935mm、リアドア開度を約70度とすることで、頭上や足元にゆとりをもった楽な姿勢での3列目シートへの乗降も可能だと言う。2列目/3列目シートは共に5:5の分割可倒式で、2列目シートはヘッドレストを外さずに前倒しができる。

  インテリアでは、2眼センターメーターとインパネシフトを採用し、メーターパネルには燃費計機能を持つマルチインフォメーションディスプレイを装備。1列目シートはセパレートシート、またはベンチシートを採用し、ベンチシートには大型アームレストも装備する。このほか、IR（赤外線）カットフロントウインドウ、トップシェイドガラス、オートエアコンを装備する。オーディオは、ミュージックサーバー機能を搭載し、CDから録音ができるCDプレーヤーを装備。また、メーカーオプションでトヨタのカーナビ向けサービス「G-BOOK mX」対応HDDカーナビや、リアシート用モニター、外部映像入力端子、リアシート用ワイヤレスヘッドホンを装備する「リヤエンターテインメントシステム」を用意する。

  収納機能では、運転席アッパーボックス、助手席シートアンダートレイ、ティッシュ箱などを収納できる助手席シートバックマルチポケット、1列目シート用のプッシュ式カップホルダー、2列目シート用のボトルホルダー、3列目シート用のサイドポケットとボトルホルダー、ラゲッジアンダーボックスなどを装備。ラゲッジルームは、開口幅1050mm、開口高790mm、開口地上高690mmとし、奥行きは3列目シート前倒し時は895mm、2列目/3列目シート前倒し時は1810mmとなる。

全長とホイールペース	乗員間距離と7人乗りのイメージ	後席乗降性のイメージ
ラゲッジルームの詳細	シートアレンジ	各収納機能

  エンジンは、直列4気筒 DOHC 16バルブ 1.5リッターの「3SZ-VE」を搭載し、最高出力は80kW（109PS）/6000rpm、最大トルクは141Nm（14.4kgm）/4400rpm。変速機はマニュアルモード付きの4速ATのみで、駆動方式は2WDと4WDを用意する。最小回転半径は5.2mで、車体重量は1170～1240kg。10･15モード燃費は、2WD車で15.6km/L、4WD車で14.6km/Lとなる。

  運転性では、ドアミラーを大型の三角窓の後ろに配置することで、斜め前方の死角を減らしているほか、運転席シートリフター、チルトステアリング、シートベルトのアジャスタブルショルダーベルトアンカーを装備。1列目シートのヒップポイントを630mmとすることで、女性でも自然な姿勢で運転席に乗降できるとしている。安全機能では、全方位コンパチビリティボディ構造や、歩行者傷害軽減ボディ、むち打ち軽減フロントヘッドレストなどを採用。このほか、3列目までカバーするSRSカーテンシールドエアバッグや、スタビリティコントロール「VSC」、イモビライザー機能付きのキーフリーシステムなどを装備する。

  グレードは、ベーシックグレード「X」（パッソ セッテ）と「CL」（ブーン ルミナス）、キーフリーシステムなどを装備した「G」（パッソ セッテ）と「CX」（ブーン ルミナス）、エアロパーツを追加した「S」（パッソ セッテ）と「CXエアロ」（ブーン ルミナス）を用意。また、パッソ セッテでは「G」と「S」に、マルチインフォメーションディスプレイやオートエアコン、キーフリーシステム、アルミホイールを省略した「C Package」も用意する。

  装備内容では、フロントベンチシートを「G」と「CX」「CXエアロ」で採用。SRSサイドエアバッグ＆カーテンシールドエアバッグがパッソ セッテでは「X」を除いて標準装備だが、ブーン ルミナスでは全車でメーカーオプション。また、CDプレーヤーがブーン ルミナスでは全車標準装備だが、パッソ セッテでは全車メーカーオプションとなる。ボディカラーは、全グレードで9色を用意。インテリアカラーは「X」と「CL」がグレージュ（ジャージ）、「G」と「CX」がグレージュ（トリコット）、「S」と「CXエアロ」がダークブラウンとなる。

搭載される「3SZ-VE」	全方位コンパチビリティボディ構造	ボディーカラーのラインナップ
パッソ セッテ（X）	パッソ セッテ（G）	パッソ セッテ（S）
ブーン ルミナス（CL）	ブーン ルミナス（CX、リア）	ブーン ルミナス（CXエアロ）

パッソ セッテ（G “C Package” 、リア）	パッソ セッテ（S “C Package”、リア）
グレージュ（ジャージ）インテリア	ダークブラウンインテリア

（左から）ダイハツ工業株式会社の箕浦輝幸取締役社長と、トヨタ自動車株式会社の豊田章男副社長

  月間販売台数は、パッソ セッテとブーン ルミナス合計で3500台を目標としており、ダイハツの小型車の拡販に加えてアジアを中心とした世界戦略車としても展開する予定だと言う。

  また、発表会にはトヨタの豊田章男副社長も出席。始めに、トヨタが12月22日の社長会見で業績見通しの下方修正を発表した件について「なにかと世間をお騒がせしていることを、誠に申し訳なく思います」と述べてから、「世界経済全体が100年に1度の危機と言われている昨今だが、世の中が少しでも盛り上がって行くような熱い応援をお願いします」とコメントした。

  パッソ セッテとブーン ルミナスについては「ダイハツとトヨタからのクリスマスプレゼント」と前置きした上で、「アクティブな子育て女性の要望に真正面から応えるべく味付けをした車で、激戦区のコンパクトカー、ミニバンのマーケットのど真ん中に位置する車に仕上がった」とアピール。「この先も厳しい市場環境が続くことが見込まれるが、できることは目の前を1台1台を積み重ねていくことに尽きる。この車を期に原点に立ち返り、ユーザーを向いた商品作りとマーケティングになお一層取り組んで行く」とトヨタの方針を語った。

オプションのフロントスポイラーを装備したブーン ルミナス。パッソ セッテにも設定	メッキドアミラーカバー。パッソ セッテとブーン ルミナスで設定	ブーン ルミナスのスカッフプレートカバー
ブーン ルミナスのドレスアップシートカバーとドレスアップパネルセット。ベージュとブラックの2色を用意し、写真のモデルはベージュを装備
セパレートシート車向けのコンソールボックス	パッソ セッテのスカッフプレートカバー。ブーン ルミナスのものと異なり、LEDライトも装備	リアバンパーステップガード
パッソ セッテのドレスアップシートカバーとドレスアップパネルセット。パッソ セッテでは、ベージュとブラックのほか、レッドとブラウンも用意。写真はブラウン

■ラインナップ

■URL
トヨタ自動車株式会社
http://www.toyota.co.jp/
ダイハツ工業株式会社
http://www.daihatsu.co.jp/
ニュースリリース（トヨタ）
http://www.toyota.co.jp/jp/news/08/Dec/nt08_081.html
ニュースリリース（ダイハツ）
http://www.daihatsu.co.jp/wn/2008/1225-1/index.htm
製品情報（パッソ セッテ）
http://toyota.jp/passosette/
製品情報（ブーン ルミナス）
http://www.daihatsu.co.jp/lineup/boon_luminas/

（編集部：大久保有規彦）
2008年12月25日