三菱、ジュネーブモーターショーで「i MiEV」のコンセプトカー2台を初公開 スポーツコンセプトと欧州仕様車コンセプトを公開 |
三菱自動車工業は、3月3日から開催される「ジュネーブモーターショー」で電気自動車のコンセプトカー「i MiEV SPORT AIR(アイ ミーブ スポーツ エア)」と「i MiEV(欧州向けプロトタイプ)」を世界初公開した。
i MiEV SPORT AIRは、地球環境に配慮しながら走る歓びを提供するという同社のコミュニケーションワード「Drive@earth」を具現化し、将来の電気自動車の方向性のひとつとして提案するスポーツタイプの電気自動車。
エクステリアは、現在開発している電気自動車「i MiEV(アイ ミーブ)」をベースに、ボディー後方を絞り込んだ、ティアドロップタイプのフォルムやボディーと一体となったグラスエリアでスポーティなイメージを表現。ルーフは容易に着脱が可能な半透明な樹脂製で、電気基盤のグラフィックを取り入れたソーラーパネルを内蔵している。ボディーカラーは、「Japanese Technology(ジャパニーズ テクノロジー)」をテーマにブルーをベースとしたパール塗装を採用し、優しさと未来感、エコロジーなイメージを表現している。
インテリアは、生命体を感じさせる造形や照明を採用。コックピットは、走りイメージが高まるドライバーを包み込むような造形を採用し、シフトノブまわりにスイッチ類を集約させすべての機能を1カ所で操作できる構造としている。インテリアカラーは、グレーイッシュブルーとグレージュの2トーンを基調に、スイッチ類などの照明に青い照明を採用し、先進的でハイテク感あるイメージと安心感のある空間を演出している。
EVシステムは、i MiEVと同様にリア・ミッドシップレイアウトを採用。モーターはi MiEVの永久磁石式同期型モーターを改良し、最高出力が13kWアップの60kW、最大トルクが50Nmアップの230Nm。2550mmのロングホイールベースを生かして、330Vのリチウムイオンバッテリーを床下の低位置に搭載する。
ボディは、低重心化を目的にバッテリーやインバーターなどのEV要素部品をできるだけ低い位置にレイアウト。また、50:50の前後重量配分を実現するため、樹脂製ボディーパネルやテールゲートモジュール構造を採用して後軸まわりの重量を低減。さらに、アルミニウム製のリアサスペンションやリアボディのみアルミニウム化するハイブリッドボディを採用し、車両重量を940kgとしている。このほか、ボディーサイズは3650×1600×1520mm(全長×全幅×全高)で、乗車定員は4名。タイヤは175/50R17を装着している。
i MiEV SPORT AIRのエクステリア |
i MiEV SPORT AIRのインテリア |
i MiEVの欧州向けプロトタイプは、i MiEVをベースに欧州市場への投入を想定した変更を加えたコンセプトカー。i MiEVと同様にリア・ミッドシップレイアウトを採用し、ロングホイールベースによる居住スペースの確保や、低重心化による走行安定性能の向上を図っている。
日本仕様車からの変更点は、トレッドを拡大して高速安定性能を向上させているほか、歩行者保護性能と後方からの軽衝突性能を向上させるために前後のオーバーハングを延長。インテリアはシンプルな造形を採用し、ダイヤル式のシフトスイッチや空調の吹き出し口などリング状の造形を多用して、乗員にくつろぎを与える空間を演出。カラーは、エコロジーををイメージさせる氷河をテーマに、雪を表す白いボディカラーと氷を表す青いインテリアカラーを採用。素材やモチーフには電気基盤をイメージさせる模様を配し、ハイテク感を演出している。
ボディーサイズは3450×1520×1600mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2550mm。日本仕様と比較して、全長が55mm、全幅が45mm延長されている。車両重量は1080kg、モーターの最高出力が47kW、最大トルクが180Nmで、日本仕様と同一となる。乗車定員は4名で、タイヤは175/45R17を装着している。
i MiEV(欧州向けプロトタイプ)のエクステリア | ||
i MiEV(欧州向けプロトタイプ)のインテリア |
なお、三菱はこのほか欧州生産車の「コルト」をはじめ「ランサー(日本名:ギャランフォルティス)」「ランサーエボリューション(ランサーエボリューションX)」「ランサースポーツバック(ギャラン フォルティス スポーツバック)」「グランディス」「アウトランダー」「パジェロ」「L200(トライトン)」なども、ジュネーブモーターショーに出展している。
(編集部:大久保有規彦)
2009年 3月 3日