MINIの生誕50周年記念パレード&トークショーを開催
40台以上のMINIが八重洲口や銀座を走り、トークショーも充実の内容

アニバーサリー・ラン車両に貼られていたMINIの50周年記念ステッカー

2009年3月7日開催
BMW Group Studio




 ビー・エム・ダブリューは3月7日、3月2日(MINI[ミニ]の日)に発表した、生誕50周年記念パレード&トークショーを開催した。

 これは、1959年に英国British Motor Companyが初代MINIを発売したのを記念したイベントで、アニバーサリー・ランには新旧40台以上のMINIが参加した。走行ルートは、同社ショールーム「BMW Group Studio」(東京都千代田区丸の内)近くの鍛冶橋交差点を起点とし、東京駅八重洲口前を通って銀座の中心街を走るというもの。アニバーサリー・ランは13時から始まり、銀座4丁目の交差点では土曜日ということもあって、多くの買い物客の注目を集めていた。

鍛冶橋交差点を通過するアニバーサリー・ラン車両。新型MINI、旧型MINIあわせて40台以上が参加した銀座4丁目交差点を通過する旧MINI。一般車両に混じっての走行となるため、この辺りでは2列でのパレードとはなっていない同じく銀座4丁目交差点にて。参加車両の中には、写真のようにピックアップタイプのMINIなど珍しいものも
アニバーサリー・ラン参加車両は、鍛冶橋駐車場をベースにしていた。新旧さまざまなMINIが並び、鍛冶橋駐車場を利用する一般客の中には写真撮影する人もいたアニバーサリー・ラン参加後は、トークショーの会場となるBMW Group Studioへ。そこではスタッフがソフトドリンクを用意してお出迎えソフトドリンクの中には、MINIのエンブレム形状にあわせて作られた氷が浮いている

 アニバーサリー・ラン終了後は、15時からアニバーサリー・ラン参加者向けに「MINI SUMMIT」と題したトークショーを実施。登壇者は、雑誌「MINI FREAK」編集長の田代基晴氏と、ビー・エム・ダブリュー株式会社MINIディビジョン本部長の伊藤雄一郎氏で、自らもMINIのオーナーであり「助手席の気持ち」というブログを持つ新妻靖子氏の司会によって行われた。

 トークショーの内容はとても充実したもので、田代氏がMINIの成り立ちからを紹介。MINIのチーフ・エンジニアであったアレック・イシゴニス氏がMINIのコンセプトを紙ナプキンにメモしたこと、1964年のモンテカルロ・ラリーでの優勝がフランス人オーガナイザーによって阻まれたことなどが語られた。

トークショーのメインゲスト。MINIの専門誌「MINI FREAK」編集長の田代基晴氏MINIのメーカー代表として、ビー・エム・ダブリュー株式会社MINIディビジョン本部長の伊藤雄一郎氏が参加司会・進行はブロガーの新妻靖子氏。自身がMINIユーザー
MINIのアイデアスケッチ。MINIのデザイン要素がすでに入っていることが分かる初代MINIの開発者、アレック・イシゴニス。この天才技術者の手によって、MINIが誕生したFFレイアウトの解説。フロントにエンジンを横置きにして前輪を駆動する。トランスミッションの上にエンジンを置くことで、室内空間を広く取れ、コンパクトな外形サイズながら大人4人が乗れる自動車となった
1966年のモンテカルロ・ラリーでは、フランス人オーガナイザーによってライトが規定違反となり優勝が取り消された。繰り上げ優勝となるルノーチームが優勝を辞退したこと、翌年1位から3位をMINIが独占したことなど数々のエピソードを披露旧MINIで行った有名デザイナーとのコラボレーション。ストライプデザインのポール・スミスモデルはよく知られた作品のひとつ新MINIでもデザイナーとのコラボレーションは行われている。伊藤氏によるとMINIは、そのキャラクターからデザイナーの創作力を刺激しやすい車とのこと
3人の掛け合いでトークショーは進行していった。それぞれがMINIに思い入れがあり、ほかの2人を無視してしゃべりっぱなしになることも。それだけMINIに魅力があるということだろう伊藤氏は、裏にイギリス国旗がデザインされた靴を履いて登壇。観客にその気合いのほどを語っていた観客もMINIファン。トークショーに聞き入る親子だが、そのバッグのデザインはMINIがモチーフ
BMW Group Studioの各テーブルにはMINIのミニチュアカーが置かれており、MINI気分を盛り上げるMINIを取り扱った雑誌も各種展示されていた。手前の雑誌がMINI FREAKMINIの生誕50周年を記した掲示板も置かれていた
新旧MINIも展示されていた。手前は旧MINIでポール・スミスバージョン、奥が新MINIでCOOPER Sポール・スミスバージョンのMINIのフロントグリルにはイギリス本島(グレートブリテン島)の形をしたオーナメントが

 伊藤氏もトークショーの観客がMINIユーザーであることからか、かなり気合いの入ったしゃべりで対応。以前はBMWを担当しており、そのころはBMWに乗っていたせいか近所の人が話しかけてくれなかったが、MINIを担当しMINIに乗るようになってからは近所の人が声をかけてくれるようになったことや、MINIのマーケティングの裏話などが明かされた。

 トークショーの最後には伊藤氏から2009年5月22日~24日まで、イギリスのシルバーストーンサーキットで開催されるファンイベント「MINI UNITED」が紹介された。MINI UNITEDは2年に1度開催されるイベントで、今年はMINIの生誕50周年となることから大規模なものになると言う。近畿日本ツーリストと協力して特別な旅行プランを準備しており、後日MINIのWebサイト「MINI.jp」に掲載するそうだ。

MINI UNITEDの紹介スライド。50周年となる今年は大規模なファンイベントとなる予定

 ほかにもイベントを考えており、誕生日である8月26日には車でロゴを形作るカーロゴ作りや、秋に開催される東京モーターショーにおいても何かをやりますと結び、予定の1時間を大幅に越える形でトークショーを終えた。

 BMW Group Studioが東京駅のすぐ側にあるせいか、トークショーの模様を外からうかがう通行人も多く、MINIへの注目度が高いことが感じられれるイベントであった。トークショーで使われたスライドでは、MINIのプロモーションの模様など普段目にしない写真も多く、全国のMINIファンのためにプロモーション紹介スライドを掲載しておく。

MINIのさまざまなプロモーション展開。このほかイギリスで制作されたCMも上映された。伊藤氏によると、MINIにはイギリスでは放送できるが日本では放送できないようなシニカルな内容のCMが多く、それらについてはディーラーで流しているそうだ

 

(編集部:編集部:谷川 潔)
2009年 3月 9日