マツダ、日本メーカー初の乗用車用尿素SCRシステムを開発
2009年後半には「Mazda CX-7(欧州仕様)」に搭載して発売

尿素SCRシステムの仕組み

2009年3月16日発表




 マツダは3月16日、日本メーカーで初めて乗用車用尿素SCRシステム(Selective Catalytic Reductionシステム:選択触媒還元方式)の開発に成功し、2009年後半から欧州で発売を予定している「Mazda CX-7」ディーゼルエンジン車に搭載すると発表した。

 尿素SCRシステムとは、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を低減させるシステムで、従来は燃料(軽油)を使用して行っていたNOxの処理を、燃料の代わりに尿素水を使用して行うというもの。排気ガス中に尿素水を噴射することで、化学反応によってNOxを浄化する。そのため、燃費の悪化や出力の低下がほとんどない。しかし、尿素をためておくタンクや専用の装備が必要となるため、これまでは大型車を中心に採用されていたと言う。

 新開発の尿素SCRシステムを搭載するCX-7マイナーチェンジモデルには、新開発のクリーンで高効率なMZR-CD 2.2L ターボディーゼルが搭載されている。エンジンから排出されるNOxの量は少なく、後処理工程の負担も小さいため、使用する尿素水の量も少ない。そのため、尿素水タンク容量やシステム全体のサイズを小型化することができ、スペースの少ない乗用4WD車にも搭載することに成功した。

 この尿素SCRシステムを搭載したCX-7は、欧州のエミッション規制であるEURO5に適合し、欧州で2009年後半から発売を予定している。

(編集部:瀬戸 学)
2009年 3月 16日