圏央道、阿見東IC~稲敷IC間が開通 つくば市から成田空港方面へのアクセスを改善 |
3月21日15時、圏央道阿見東IC(インターチェンジ)~稲敷IC間6kmが新たに開通した。圏央道は、現在整備が進められている首都圏を取り巻く3つの環状道路(首都高中央環状、外環道、圏央道)の最外周に位置し、完成の暁には横浜横須賀道路の釜利谷JCT(ジャンクション)から館山道の木更津JCTを結ぶことになる延長約300kmの長大な環状高速道路。今回開通した阿見東IC~稲敷ICは、圏央道の東側に位置し、常磐道のつくばJCTと東関東道の大栄JCTを接続する道路の一部となる。つくばJCT~阿見東IC間はすでに開通しているが、稲敷IC~大栄JCT間は建設中となっている。
開通区間はわずか6kmと短いものだが、圏央道を管轄するNEXCO東日本(東日本高速道路)によると、この開通によってつくば市役所から成田空港までの所要時間が約100分から約80分へと20分間短縮されると言う。つくば市には多数の研究施設も存在することから、特に成田空港との時間短縮が大きなメリットとして見込まれている。
最初に挨拶に立った橋本昌茨城県知事。つくば市方面から成田方面への利便性が向上することについて語った |
■地元の利便性向上を強調した茨城県知事
開通に先立って午前中に行われた開通式典では、地元住民や高速道路に土地を提供した地権者の人々を招き、橋本昌茨城県知事、高城功稲敷市長、葉梨康弘衆議院議員、岡田広参議院議員など多数の政治家のほか、国土交通省やNEXCO東日本の代表者による挨拶が行われた。
最初に挨拶に立った橋本知事は、この開通がつくば市方面から成田方面へのアクセス向上につながることにふれつつ、稲敷市にとっても大きな利便性の向上につながることを強調。常磐道とはすでに接続していることから、都心方面や仙台方面へも容易に移動できるようになるとしていた。
続いて挨拶に立った、高城市長、葉梨議員、岡田議員らも異口同音に地元にもたらすメリットについてふれ、すでに開通していた阿見東ICのすぐ横に建設中の「阿見プレミアム・アウトレット」がもたらす経済効果について語っていた。阿見プレミアム・アウトレットは、2009年初夏にオープン予定で、当初の店舗数は100店舗になる大型商業施設。地元経済の起爆剤としても期待されているようだ。
国土交通省の菊川滋関東地方整備局長は「圏央道は国土交通省としては非常に重要視しているプロジェクトである」とし、残りの区間もできるだけ早く開通させていくと結んだ。最後に挨拶に立ったNEXCO東日本の井上啓一社長は、高速道路の料金が3月28日から大幅に引き下げられることにふれ、この圏央道も地方部に位置づけられることから、より安くより便利に車での移動が可能になると語り、国土交通省と連携しつつ圏央道の延伸をしていくと言う。また、今回の開通区間である阿見東IC~稲敷ICをETCで通行するとマイレージポイントが10ポイントもらえるキャンペーンを開通日から5月6日まで行うと言う。
その後、高速道路上でテープカットが行われ、開通前のパレードが開催された。茨城県では、稲敷ICの開通にあわせて接続道路も整備しており、地元の高い期待がうかがえる開通式であった。
■50台以上の車が並んだ稲敷IC
実際の開通時刻となる15時前に稲敷ICを訪れたが、そこには長い車列がすでにできていた。ざっと数えたところ、50台以上。事前募集により先頭5台が決められており、開通30分前に5台のドライバーに対する、プレゼント贈呈などが行われていた。
開通時刻の15時にパトカーの先導によって最初の1台目の車両が通過。1台目はETCゲートを通過し、2台目は通行券を受け取っての通過となっていたが、8割方の車両はETCゲートを使って阿見東IC方面へと向かっていった。10分ほどの後には稲敷ICに阿見東IC方面から車両が到着し、ETCゲートが無事動作したことをNEXCO東日本のスタッフが喜んでいたのが印象的だった。
開通区間は6kmと短かいが、圏央道が全通するための大事な通過点を1つ超えたのではないだろうか。
(編集部:編集部:谷川 潔)
2009年 3月 23日