自動車の安全評価「自動車アセスメント」の2008年度評価結果を公表
グランプリはトヨタ「ヴェルファイア/アルファード」に決定

自動車アセスメントグランプリを獲得したトヨタ「ヴェルファイア」

2009年4月23日発表


 国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)は4月23日、自動車の安全性の比較評価を行う「自動車アセスメント(JNCAP)」の、2008年度の評価結果を公表した。あわせて、同年度の評価結果において最も優秀であった自動車を表彰する「自動車アセスメントグランプリ」と「自動車アセスメント優秀車」の表彰も行った。

 自動車アセスメントは、自動車の前面/側面/オフセット前面での衝突試験やブレーキ性能試験を通じて、自動車の乗員保護性能や歩行者保護性能を評価するもの。評価結果は運転席側と助手席でそれぞれ6段階の星で表されている。

 はじめに、国土交通省 自動車交通局 技術安全部 審査課 ユーザー情報企画官の是則武志氏から、2008年度の自動車アセスメントについての説明が行われた。2008年度の評価車種は、軽自動車で7車種、1.5リッター以下の普通車が1車種、1.5リッター~2.0リッター以下の普通車が2車種、2.0リッター以上の普通車が2車種、ワンボックスおよびミニバンが7車種の、合計19車種。総合評価では、6つ星を獲得した車種が2007年度と比較して減少しているが、これは2007年度の評価車両に軽自動車が含まれていなかったためとしている。また、歩行者頭部保護性能については最高レベルの「レベル5」を獲得した車種が3車種だったと言う。

 評価内容については、2008年度からはサイドカーテンエアバッグの評価も新たに導入し、基準を満たした車種については星評価に「+」を付加して示している。また、2009年度の自動車アセスメントでは、後面衝突時の頚部保護性能の評価、後席乗員保護性能の評価、後席シートベルトの使用性評価、シートベルトリマインダーの装着状況の確認評価を追加実施する予定で、4月30日まで国土交通省にてパブリックコメントを受け付けている。

国土交通省 自動車交通局の是則武志氏自動車アセスメントの概要
2008年度から追加されたはサイドカーテンエアバッグ評価の概要2008年度の評価車種2008年度の評価結果
歩行者頭部保護性能の評価結果の比較2009年度から追加される予定の新規評価

 自動車アセスメントグランプリは、該当年度の評価結果において最も優秀であった車種を表彰するもので、2008年度からはグランプリの選出からから外れたものの、優秀な評価を得た車種を表彰する自動車アセスメント優秀車も設けられた。グランプリには、トヨタ自動車の「ヴェルファイア/アルファード」が、優秀車にはスバル(富士重工業)の「フォレスター」と「エクシーガ」が選出された。

 あわせて国土交通省は、東京都千代田区大手町の大手町サンケイプラザにて、自動車アセスメントの試験車両の一般公開を4月23日に実施。会場では、ヴェルファイア、フォレスター、エクシーガのほか、軽自動車で最も高評価を得たスズキの「ワゴンR」や、ダイハツ工業の「ムーヴ コンテ」の試験車両も公開した。

(左から)NASVA理事長の金澤悟氏と、トヨタ自動車 トヨタ第1乗用車センター チーフエンジニアの中越祐三氏フ富士重工業 スバル商品企画本部 プロジェクトマネージャーの市川和治氏と、フォレスターの試験車両エクシーガの試験車両
ヴェルファイア/アルファードに搭載された安全機能
フォレスターとエクシーガに搭載された安全機能
ワゴンRの試験車両ムーヴ コンテの試験車両一般公開の会場では、同時に行われているチャイルドシートアセスメントなども紹介されていた


(編集部:)
2009年 4月 23日