ポルシェ、ライプツィヒ工場でパナメーラの生産を開始 リーン生産を徹底しカイエンと同じラインで製造 |
ポルシェAGは、ドイツ・ライプツィヒ工場で5ドアスポーツサルーン「パナメーラ」の生産を2009年4月より開始した。
2002年8月に操業開始したライプツィヒ工場では、パナメーラは、SUVであるカイエン同じライン上で生産されていると言う。
ミヒャエル・マハト氏 |
ポルシェの取締役で生産物流部門の責任者であるミヒャエル・マハト氏は、「世界中の工場で、ここライプツィヒほど徹底的にリーン生産という原則が貫かれている工場はほかに存在しないと思う」と語っている。パナメーラを生産するために、改善を迅速に実現する新しい物流システムを開発。工程のスケジュールにすべての協力会社を組み込むことで、部品は生産ラインで使用される1時間前に供給される。
これにより、コストのかかる保管エリアが縮小できたと言う。無駄な在庫を持たないリーンプロダクションという方針は、1990年代の初めに会社を立て直すため、日本の生産ラインを手本にして、メイン工場の生産体制を改革したのが始まりだと言う。
また、カイエンとパナメーラという2つの異なるタイプのモデルを1つの生産ラインで組み立てることも、「物流の離れ業」だと言う。両モデルのエンジンは、すべてポルシェのツッフェンハウゼン本社工場からトラックでライプツィヒに運び込まれる。ボディーは、カイエンが最初から一部装備品を取り付けた状態でブラチスラバ工場から運ばれ、パナメーラはフォルクスワーゲンのハノーバー工場から運び込まれたのち、専用ラインで個別にインテリアが取り付けられる。そしてカイエンとパナメーラのボディーが同じ製造工程に達した後は、完成まで同じラインで組み立てられると言う。
パナメーラとカイエンを製作するライプツィヒ工場 | パナメーラにエンジンやパワートレインが組み込まれる | ポルシェのエンブレムを装着 |
総面積300haにおよぶライプツィヒ工場にはテストセクションや全長6kmのオフロードコースも備える |
ライプツィヒ工場では約600人のスタッフが働き、2003~2006年には限定1270台の「カレラGT」が手作業で生産され、今年の初めには、25万台目のカイエンが生産ラインから送り出されている。パナメーラの販売台数は、ライフサイクル全体で年平均約2万台を見込んでいると言う。
(編集部:瀬戸 学)
2009年 6月 4日