スーパー耐久レース第3戦が鈴鹿で開催
市販車ベースの車での熱いバトルが楽しめる

スーパー耐久レース第3戦は快晴の中スタートが切られた

2009年6月7日開催



 2009年スーパー耐久レース(S耐)第3戦の決勝レースが、6月7日鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開催された。ST-1クラスは終始安定した走りで谷口信輝/柳田真孝/ファリーク・ハイルマン組のNo.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEが優勝した。2位争いはともに接触によるペナルティを受けるほど激しいバトルが繰り返され、横溝直輝/佐藤公哉/田中哲也組のNo.10 Y.K.M. ADVAN Zが2位、片岡龍也/吉田広樹/J・アズミ組のNo.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEが3位に入った。ST-2クラスの優勝は峰尾恭輔/山田英二/村田信博組のNo.3 ENDLESS ADVAN CS-X、ST-3クラスの優勝は伊橋勲/廣田秀機/三澤伸輔組のNo.27 FINA ADVAN M3、ST-4クラスの優勝は塩谷烈州/デパマン石渡/吉橋孝之組のNo.62 HONDA CARS東京μ SSR DC5となった。

 S耐は市販車をファインチューニングしたマシンによる耐久レースで、参加車両はST-1からST-4まで4つのクラスに分けられている。ST-1は排気量3501cc以上の量産車と年間生産台数2500台未満の車両で、現在はBMW Z4M COUPE、日産フェアレディZ 380RS-C、ポルシェ911 GT3が参戦している。ST-2は2001~3500ccの4WDが対象で、三菱ランサーエボリューション、スバルインプレッサWRX ST1が参戦、ST-3はST-2と同排気量の2WDが対象で、日産フェアレディZ、マツダRX-7、ホンダNSX、BMW M3と多彩なマシンが参戦中だ。ST-4は2000cc以下の車両が対象でシビックTYPE R、インテグラTYPE R、S2000とホンダ車による争いが行われている。

 晴天の鈴鹿サーキットで87周、500kmの決勝レースはスタートした。ST-1クラスポールポジションのNo.1 PETRONAS BMW Z4がスタートダッシュを決め1コーナーを制した。途中、セーフティーカーが入り32秒のマージンを失うが、その後もトップをキープし独走で優勝した。

 2位争いは白熱したバトルが続いた。No.28 PETRONAS Z4をNo.10 Y.K.M. ADVAN Zが僅差で追う展開が続いた。49周目のシケインで2台は接触、これによりNo.10 Y.K.M. ADVAN Zが先行するが、ドライブスルーペナルティにより一旦後退した。再びNo.10 Y.K.M. ADVAN Zが追い上げ2度目のバトルへと展開。今度はNo.28 PETRONAS Z4が周回遅れの他クラスのマシンをパスする際に接触スピンさせドライブスルーペナルティを受け後退。これで決着が付きNo.10 Y.K.M. ADVAN Zが2位となった。

1コーナーを制したのはNo.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4No.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4とNo.10 Y.K.M. ADVAN Zのバトルはサーキットを盛り上げた各クラスでバトルを見ることができた
ST-1クラス1位はNo.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE2位はNo.10 Y.K.M. ADVAN Z3位はNo.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
ST-2クラスの優勝はENDLESS ADVAN CS-XST-3クラスの優勝はFINA ADVAN M3ST-4クラスの優勝はHONDA CARS東京μ SSR DC5

 ST-2クラスは予選クラス1位のNo.3 ENDLESS ADVAN CS-Xが独走で優勝。2位以下は混戦となったが、終盤のマシントラブルでペースダウンを余儀なくされたNo.20 RSオガワユークスADVANランサーが逃げ切った。3位にはこちらもトラブルを抱えながら走りきったエンドレスアドバンウェッズランサーが入り表彰台を獲得した。服部尚貴が乗るNo.56 眠眠打破ingsランサーは75周目にマシントラブルで緊急ピットイン、5位に後退し表彰台を逃がした。

 ST-3クラスは予選1位のNo.14 協新計測マイロード岡部自動車RX-7がスタートからトップをキープしたが、セーフティーカー導入の原因となったヘアピンに撒かれた大量のオイルに乗りコースアウト、その後マシントラブルにも見舞われリタイヤとなった。これでトップに立ったNo.27 FINA ADVAN M3そのまま逃げ切り優勝、2位にはNo.15 KYOSYOメーカーズ岡部自動車RX-7、平中克幸/松浦孝亮/吉本大樹の豪華メンバーで優勝が期待されたNo.5 5ZIGEN NSXは3位に終わった。

 ST-4クラスは予選クラス1位のNo.62 HONDA CARS東京μ SSR DC5がスタートで遅れたが、15週目にトップに返り咲き、そのまま走りきって優勝。2位にはNo.55 BOLD WORLD Absolute DIXCEL CIVIC、3位にはスタートでトップに立ったがヘアピンのオイルでスピンし後退したNo.95 SPOON S2000が入った。ライダーの伊藤真一選手が乗るNo.88 TUBE MAZIORA Racingは表彰台圏内を走っていたが、64周でリタイアとなった。

表彰台に立つST-1クラスの1~3位の9名

各クラスの表彰台獲得は以下のとおり。

ST-1:
1位 No.1 谷口信輝/柳田真孝/F.ハルマン PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
2位 No.10 横溝直輝/佐藤公哉/田中哲也  Y.K.M. ADVAN Z
3位 No.28 片岡龍也/吉田広樹/J.アズミ  PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE

ST-2:
1位 No.3 峰尾恭輔/山田英二/村田信博 ENDLESS ADVAN CS-X
2位 No.20 阪口良平/谷口行規/小川日出生 RSオガワユークスADVANランサー
3位 No.26 朝倉貴志/大橋正澄 エンドレスアドバンウェッズランサー

ST-3:
1位 No.27 伊橋勲/廣田秀機/三澤伸輔 FINA ADVAN M3
2位 No.15 長島正明/田ヶ原章蔵/古谷直広 KYOSYOメーカーズ岡部自動車RX-7
3位 No.5 平中克幸/松浦孝亮/吉本大樹 5ZIGEN NSX

ST-4:
1位 No.62 塩谷烈州/デパマン石渡/吉橋孝之 HONDA CARS東京μ SSR DC5
2位 No.55 谷川達也/松井考允/河村直樹 BOLD WORLD Absolute DIXCEL CIVIC
3位 No.95 市嶋樹/小幡栄/中子修 SPOON S2000

 S耐でも多くのファンサービスが行われている。ドライバートークショー、キャンギャルオンステージ、ドライバー握手会、ピットウォーク、グリッドウォーク……、最近のレースはとにかくイベントが目白押しだ。

 サポートレースの終了後に行われたピットウォークには多くの観客が参加した。S耐は市販車からの改造範囲が狭いこともあってか、SUPER GT、フォーミュラ・ニッポンと比べて、チーム、ドライバー、レースクィーンとの距離が近い感じがする。5ZIGENの松浦選手は観客の男の子に「お姉ちゃんと撮るか? 俺が撮ってやる」とカメラマンまでするサービスぶりだ。全体の観客数はそれ程多くはないが、パドックとピットウォークはとても賑わっており、レース直前のグリッドウォークにも多くの観客が参加していた。マシン、ドライバー、レースクィーンを近くで見たり、写真を撮ったりしたい方には、S耐はお勧めのイベントだ。

ピットウォークは多くの観客で賑わったほかのレースよりマシンもレースクィーンも距離が近い人気チームにはなかなか近付けない
マシンを間近で見たければピットウォークが最適レーシングライダーの伊藤真一選手(写真左)も参戦中5ZIGEN松浦選手は自らカメラマンになってファンとレースクィーンを撮影
気軽にサインに応じる松浦選手フォーミュラ・ニッポン第3戦に続き、今回もレスキューの実演が行われた。多くの観客の注目を集めていた
レース直前のグリッドウォークも人気だスタート前でもリラックスしている服部尚貴選手(写真右)ピットウォークよりは観客が少ないので撮影はしやすい

 なお、S耐の次戦は北海道の十勝スピードウェイの予定であったが、現在休止のお知らせがSuper Taikyu.NetのWebページに掲載されている。確定しているレースとしては、8月1日、2日の富士スピードウェイ4時間レースとなる。

 

(奥川浩彦)
2009年 6月 8日