スバル最大のディーラー「CAR DO SUBARU 三鷹」
最新のピット設備を備えたディーラーをスバル発祥の地に


東京スバルのハブ拠点となる「CAR DO SUBARU 三鷹」。敷地面積1万5000m2以上の巨大ディーラー

 東京地区でスバル(富士重工業)の車を販売するのが東京スバル。1999年に旧東京スバルと中央スバルの統合によって生まれた販売会社で、効率的な経営と経営基盤の強化によって、顧客へのサービス向上を目指すために会社の規模拡大を図った。

 その東京スバルが進めているディーラー戦略が、ハブ&サテライト構想。ディーラーを規模の大きなハブ拠点と、通常規模のサテライト拠点に分け、一般的な販売や整備はサテライト店で、高難易度の整備はハブ店で行っていくというもの。

 すでにハブ店として、「CAR DO SUBARU 立川」「CAR DO SUBARU 青梅」を展開しており、東京都三鷹市大沢にオープンしたCAR DO SUBARU 三鷹は、3番目のハブ店舗となる。

 このCAR DO SUBARU 三鷹は、東京スバル最大の、そして全国のスバルディーラーとしても最大の店舗。敷地面積は1万5009.6m2(4540.2坪)、敷地内には屋内展示11台、屋外展示4台が可能な新車ショールーム、16台のリフトを備えたサービス工場、最大120台展示可能な中古車展示場「G-PARK 三鷹」もあり、調布市と三鷹市を結ぶ天文台通りに面した立地条件を持つ。

CAR DO SUBARU 三鷹への導入路。敷地内の道路も広く、ディーラーに入りやすい。木を多く配していて、杜という雰囲気を出しているCAR DO SUBARU 三鷹の構内図。構内図右が北になり、JR武蔵境駅方面新車ショールーム棟は2階立て。コの字状の建物となる。1階左側が新車ショールーム、右側がサービス工場。2階がギャラリー、屋上が駐車場となっている
コの字の内側から新車ショールーム棟。内側はロータリー状の構造を持つ。壁面に並ぶ新型レガシィは試乗車2階のウッドデッキから、ギャラリー部分を望む。STIと東京スバルの共同運営3階の駐車場から2階のウッドデッキエリアを撮影。ゆったりとした空間が広がる
先ほど見えた試乗車コーナー。多数の試乗車を常時そろえる試乗車コーナーの横にはTAKE OFF(テイクオフ)コーナーが。新車の納車時に使われる
店長の細井正人氏。CAR DO SUBARU 三鷹は、東京スバルの販売拠点として重要な位置を占めると言う

 これだけ、大きな敷地面積を持つディーラーを作ることができたのは、元々この土地は富士重工業東京事業所が所有していたため。さらにそのルーツをたどれば、中島飛行機にさかのぼることができる。中島飛行機は戦前巨大な航空機メーカーとして三鷹・武蔵野地区に数多くの工場を持ち、北は武蔵野中央公園(旧武蔵野グリーンパーク)から、南は野川公園・調布飛行場にかけて施設が点在していた。第2次大戦の敗戦により、中島飛行機は解体され、主に機体部門が富士重工業に、主にエンジン部門が日産自動車と合併したプリンス自動車工業へとつながった。

 そのスバル発祥の地とも言える三鷹にできたCAR DO SUBARU 三鷹のキャッチフレーズは“SUBARUの杜”。緑豊かな三鷹の地を表しているのだと言う。

 お話をうかがった店長の細井正人氏によると、オープン週の週末は新型レガシィの発表直後ともあって、2110名の来場者があったと言う。スバルの新車も多数の展示車・試乗車を取りそろえており、東京スバルのフラッグシップ店として満足のいくサービスを提供していくと語る。新車ショールーム棟は2階立てで、1階がショールーム&サービス工場、2階がスバルギャラリー&STIギャラリー、屋上が駐車場になっており、2階にはウッドデッキのオープンカフェまで用意されている。

1階のショールーム。多数の展示車がそろえられ、室内もガラス窓を大きく取った明るいもの。天井までの高さは8m2階から1階のショールームコーナーを望む。右に見えるのが天文台通りで、奥がJR武蔵境駅方面、手前が京王調布駅方面になるショールームの1角にある、商談コーナー。ショールーム内装は木のぬくもりを生かしたもの
SUBARU純正パーツコーナー。スバルブランドのMTB(マウンテンバイク)も展示されていたファミリー層に配慮して、Kidsパークも用意されている

 とくにCAR DO SUBARU 三鷹のウリとなるのが、16台のリフトを備えたサービス工場。通常のサービスを行うリフトのほか、お客さんと実際に話しつつ車を持ち上げて確認するRECEPTION(レセプション)、簡単なオイル交換であればその場で行うQUICK PIT(クイックピット)があり、4輪ホイールアライメントを取るAlignment(アライメント)、車検対応のInspection(インスペクション)など、目的にあわせたリフトを用意し、そのすべてがフラットタイプのものとなっている。

 また、サービス工場は、ショールーム棟から見えるようになっており、愛車の整備状況を確認できるようになっている。チーフメカニックの鹿島竜二氏は、「お客様に実際の作業を見てもらうことで、今自分の愛車がどうなっているのか理解していただき、安心感のある作業を行っていきます」と言う。実際、サービス工場は非常に明るい雰囲気で、清潔感のあるもので、すべてがフラットなリフトとなっていることもあって見通しもよい。サービスの待ち時間にぼーっと愛車の整備状況を見ているのもよいが、CAR DO SUBARU 三鷹にはレンタサイクルも用意されているので、近隣のファミリーレストランやファーストフード店に行くのもよいし、自宅が近ければいったん戻ることも可能だ。

整備や点検などの受け付けるサービスカウンターサービスカウンターの隣にはサービス工場の作業内容を見られるコーナーが設置されている。上方のモニターでサービス工場の検査機器の数値を確認することもできるサービス工場を案内していただいた、チーフメカニックの鹿島竜二氏。サービススタッフへの指示もテキパキこなしていた
RECEPTIONと名付けられたエリア。2機のリフトがあり、ここではユーザーと一緒に車の状態を確認するRECEPTIONのリフト。写真で分かるようにフラットタイプのリフト。このリフトに限らず、CAR DO SUBARU 三鷹のリフトはすべてフラットタイプ左の写真では右手前に見えていたサイドスリップ検出装置。このセンサーによってサイドスリップ量を計測できる
フラットタイプのリフトを少しずつ持ち上げてもらった。全体を持ち上げることはもちろん、内側のみを持ち上げタイヤを浮かすこともできる。また、エアロパーツ装着車などに対応するため、車体と接する位置をある程度自由に調整できる
簡単なオイル交換などの作業を行うためのQUICK PIT。ユーザーがアクセスしやすいよう明確な仕切りが設けられていないサービス工場内に明確な仕切りがなく、リフトもフラットタイプのため、サービス工場にありがちな暗いイメージが皆無。整然と整備作業が進んでいく
Inspectionと名付けられたエリア。ローラーが設置されていることでも分かるように、車検作業が行えるようになっている車検作業に欠かせないサイドスリップ計測装置。この計測装置の上を通ることで、サイドスリップ量が算出されるローラーは、ホイールベースにあわせて前後の間隔が調整される。FFにもFRにも、もちろん4WDにも対応する
4輪アライメントを計測できるAlignmentピット。やはりフラットタイプのリフト4輪アライメント計測器。計測器の側方に付いている、6角形のセンサーを4輪それぞれ取り付け、左の写真で上方に見えるレーザーの反射具合を計測する。それによって4輪の位置を割り出し、目的の数値にあわせていく4輪アライメント計測用のリフトはタイヤの位置をある程度自由に動かせるような構造になっている
サービス工場内には、ボディーにやさしい洗車ブラシが使われていると言う門型洗車機が設置されている。工場内に洗車機を設置することで、すぐに洗車でき、作業時間を節約するための工夫この洗車機は車体下部を洗車できる。写真の器具によって車体下面に水流を噴出する。冬期には塩のまかれた高速道路や雪道を走ることがあるユーザーにはうれしい装備洗車機のメニュー部。ワックス洗車などもできるようになっている。現在はオーブンから間もないため希望者には無料で洗車を行っている。ディーラーを訪れた際に頼んでみるのもよいだろう
手洗い洗車コーナー。手洗い洗車を希望するユーザーには、こちらで洗車。この手洗い洗車も現在はオープン記念として無料サービス

 2階には、STIと東京スバルが共同運営するギャラリーコーナーがある。STI Gallery、SUBARU Galleryと名称は分かれているものの、現在フロア全部がギャラリーコーナーとして活用されている。取材時には、新型レガシィのシャーシーが展示されていたほか、1993年でスバルのWRC初優勝を飾ったレガシィのラリーカー、1998年に「ステーションワゴン多量生産車無改造部門」の世界速度記録を達成したレガシィ ツーリングワゴンなどが展示されていた。

ギャラリーコーナーもコの字状になっている。手前がSUBARU Gallery、奥がSTI Galleryとなっているが、明確な区切りはなく共同運営されている。手前の車両は世界速度記録を達成したレガシィ ツーリングワゴンギャラリーコーナーの壁面に展示されていた歴代スバル車のフロントマスク。中央が新型レガシィになるが、さていくつ分かるかなスバルの記念すべきWRC初優勝車。この優勝は、後にインプレッサでWRCチャンピオンとなった故コリン・マクレー氏のドライブによるもの。氏自身のWRC初優勝でもあった
新型レガシィのシャシー展示。新型レガシィではエンジンのマウント方法が一新されクレードル構造になった。その構造をじっくり眺めることができる
エンジン前部のクレードル接続部写真中央やや右に見える黒い部分が、エンジン中央部のクレードル接続部ダブルウィッシュボーンとなったリアサスペンション
水平対向6気筒エンジンも半スケルトンモデルとして展示されていた最大120台の車を展示可能なG-PARK 三鷹。レガシィ、フォレスター、インプレッサなど車種別に並べて展示
CAR DO SUBARU 三鷹の奥にある富士重工業東京事業所の入口。関係者以外立ち入り禁止のエリアだが、この奥でどんな研究がなされているかと思うとわくわくする

 スバル最大の販売店舗となるCAR DO SUBARU 三鷹。スバルユーザーはもちろん、他メーカーのユーザーでも一度訪れ、最新のディーラーを見てみるのもよいだろう。なお、今週末の土日(6月20日、21日)は新型レガシィのアウトバックデビューフェアを開催中のほか、試乗するとキャンドルグラスがもれなくもらえるLove Your Life.キャンペーンが行われている。

 

(編集部:谷川 潔)
2009年 6月 19日