日産、“エコと安全”を支援するカーナビを新型「フーガ」に搭載
ITS実証実験の成果を世界で初めて市販車に

2009年7月22日発表



 日産自動車は7月22日、今秋発売予定の新型「フーガ」に、安全運転とエコ運転を支援する機能を備えたカーナビを搭載すると発表した。

 安全運転支援機能は、道路に設けられた光ビーコンから、自車から見えにくい場所にいる車両などの情報をカーナビが受け取り、ドライバーに警告する。光ビーコンなどを道路に設置することが前提となるが、これらのインフラは政府が今年度に整備する。

 具体的な機能は、見通しの悪い交差点での出会い頭衝突防止、一時停止規制見落とし防止、信号見落とし防止、赤信号停止車への追突防止の支援で、社団法人新交通管理システム(UTMS)協会が中心となって進めている「安全運転支援システム(DSSS)」を実用化したもの。DSSSには、同社が2006年から行ってきたITSの実証実験「SKYプロジェクト」の成果が使われているという。

 これにより、見通しの悪い交差点での接近車両や標識、信号、停止車両の情報を光ビーコンから受け取り、音声と画面表示でドライバーに警告する。

 また、スカイライン クロスオーバーにすでに採用されている「小学校付近での安全運転ガイド」も搭載される。これはカーナビが保有する小学校周辺のスクールゾーン情報と、リアルタイムの車両の走行情報(車速、アクセル開度、ブレーキ状態など)をもとに、必要に応じて音声と画面表示でドライバーに注意を喚起する。

見通しの悪い交差点での安全運転支援機能小学校付近での安全運転ガイド

 エコ運転支援機能は、新しい「最速ルート探索」と「ナビ協調変速制御」。

 日産のカーナビ向け情報配信サービス「カーウイングス」のプローブ交通情報とVICSを組み合わせ、細街路を除く全ての道路の交通情報を配信するもの。加えて交差点進行方向毎の通過時間(右左折別交通情報)を配信し、交差点における右折待ち時間等をルート探索に活用する。ルート探索で移動効率を向上させ、渋滞を防止し、エコ運転支援につなげる狙い。

 ナビ協調変速制御は同社の環境対応車「日産エコ(NECO)」シリーズですでに採用されているもので、カーブの度合や交差点および料金所までの距離など、カーナビの地図情報によりエンジンとトランスミッションを協調制御し、エンジンブレーキをコントロールして、燃料カットの頻度を高めることで燃費を向上させる。

新しい最速ルート探索ナビ協調変速制御

(編集部:田中真一郎)
2009年 7月 22日