首都高、大橋JCTの開通を2010年3月に決定 色による走行支援対策など現状を公開 |
首都高速道路は7月30日、中央環状線(C2)山手トンネルの3号渋谷線と4号新宿線を結ぶ区間、および3号渋谷線と山手トンネルの接続部となる大橋JCT(ジャンクション)を、2010年3月に開通すると発表した。あわせて、色による走行支援対策が施された、大橋JCTの現状を報道陣向けに公開したので、ここにお届けする。
Car Watchでもすでに何度か報じているとおり、首都高では東京都目黒区1丁目に大橋JCTを建設中だ。この大橋JCTは、山手通りの地下を走る中央環状線(C2)山手トンネルと、3号渋谷線を結ぶもので、山手トンネルと3号渋谷線の高低差70mを接続するため、また都内に建設するJCTであり専有面積を抑えるため、ループ状に2周する構造となる。
今回公開されたのは、シールドマシンによって掘り終え、山手トンネルと接続されるシールドトンネル部と、色による走行支援対策が施されたループ部分。シールドトンネル部では、シールドトンネルを支えるセグメント部に、防火壁などが貼り付けられ、すっかりトンネルらしくなっていた。道路の舗装はまだこれからとのことで、2010年3月の開通に向かってこれからも工事が進んでいく。
地下から3号渋谷線の高架部まで上がっていくダブルループ部では、首都高として初めて色による走行支援対策が施された。これは、道路上に赤、および青のパターンを塗布することで、ドライバーの車線判断の負担を減らすことを目指している。たとえば、新宿方向から大橋JCTに入り、3号渋谷線に向かう場合は、1車線→2車線→1車線(分岐)という具合に車線が変化していく。
これを、最初の1車線時には左の路側に青のゼブラを1/4程度、右の路側に赤のゼブラを1/4程度の長さ(便宜上、本記事ではクォーターゼブラと記す)でペイント。2車線に増えたところで、左車線は青のゼブラで、右車線は赤のゼブラでペイントし、ドライバーに車線を明確に認識してもらい、分岐部へ導いていく。ゼブラもクォーターゼブラと、車線一杯に引かれたフルゼブラを使い分け、ドライバーが単調な感じを受けないように配慮している。
左の青は東名高速(3号渋谷線下り)への分岐を、右の赤は都心環状線(3号渋谷線上り)への分岐を表すが、これは青は道路の空いている郊外方面、赤は道路の込んでいる都心方面をイメージさせることから決められたとのこと。ループ部内には特設のドライブシミュレーターが設置され、実際の走行イメージを体験することができるようになっていた。
2007年12月に開通した、4号新宿線と5号池袋線を結ぶ山手トンネルで首都高の車の流れが劇的に変化したように、大橋JCTの開通で3号渋谷線、4号新宿線、5号池袋線などが都心環状線を使うことなく結ばれ、さらなる渋滞の改善が見込まれる。なお、3号渋谷線の大橋JCTと、湾岸線の大井JCTを結ぶ中央環状品川線は、2013年度に完成予定。
【お詫びと訂正】記事初出時、大橋JCTの上層・下層の進行方向の記述に間違いがありました。正しくは、上層が大橋JCT→3号渋谷線へ、下層が3号渋谷線→大橋JCT方面となります。
(編集部:谷川 潔)
2009年 7月 30日