インディジャパンを前に武藤英紀選手が母校に凱旋 中央区立豊海小学校にインディカーが |
9月19日に決勝レースがツインリンクもてぎで開催される「インディカー・シリーズ 第16戦 ブリヂストン インディジャパン 300 マイル」。そのインディカー・シリーズに日本人として唯一参戦しているのがアンドレッティ・グリーン・レーシングの武藤英紀選手。フル参戦初年度の2008年には日本人として初めて2位を獲得するなど大活躍。シリーズランキングも10位となり、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。今シーズンは15戦を終えて、現在のところ、ポイントランキングは11位。母国開催での活躍に期待がかかるところだ。
その武藤選手は、東京都中央区出身。通っていた小学校も築地市場にほど近い東京都中央区立豊海小学校で、東京の中央にある小学校と言ってもよいだろう。その母校にかねてからの約束どおりインディマシンが持ち込まれ、武藤選手が朝礼の特別ゲストとして招かれた。
■武藤選手は「優勝します!」と朝礼で宣言
朝礼は、河合美津江校長の挨拶から始まった。河合校長は「今日は皆さんの先輩である武藤選手が来てくれました。武藤選手が母校である豊海小学校に来るのは3度目で、前回約束したとおりインディマシンも持ってきてくれました」と紹介。武藤選手の戦績を紹介した後、9月19日のインディジャパンに、3年生から6年生の希望者60名が招待されることを明かした。
これは、武藤選手や中央区、そしてホンダの計らいによるもので、自分の戦う姿を後輩に見てほしいという武藤選手の希望とのこと。昨年のインディジャパンでも同様な催しが行われており、昨年は雨だったが、「今年は晴れるといいですね」と結んだ。
次に朝礼台に立ったのは矢田美英中央区長。矢田区長は「夢に向かって挑戦する武藤選手のように、みなさんも日々目標を持って努力してほしい」と挨拶を行い、武藤選手を紹介した。
区長に紹介され壇上に立った武藤選手は、「2週間後の9月19日に大会があります。僕のやっているレースはとても危険です。レース前は正直こわいです。最高速も350km/hくらい出ます。でも、みんなと同じくらいの年にゴーカートに乗ってレースの楽しさを知りました。その楽しさがあるのでがんばっています。みんなも好きなことや夢を見つけて、一所懸命がんばってみてください」と、レースに対する不安とともに、その楽しさを語った。また、「去年は雨の中、応援に来てくれた人もいると思いますが、ありがとうございました。本当はベストを尽くしますと挨拶をして終わりにするつもりでしたが、こうしてみんなの顔を見て元気をもらったので、9月19日は絶対優勝します」と言い、母校の後輩に優勝を誓った。
生徒からの質問コーナーもあり、「好きな食べ物は?」という質問には「何でも好きですけど、ところてんだけが嫌いかな」と笑いを誘っていた武藤選手だが、「武藤選手は何度くらい1位になったことがありますか?」という質問には、まだインディでの勝利のない武藤選手はちょっと困った顔をしつつ「いろいろなレースをしてきて何度も優勝してきましたが、インディカーのレースではまだ優勝できていません。でも、2週間後のレースには優勝したいと思っています」と再度の優勝宣言を行った。
武藤選手も参加しての朝礼は、学年ごとに記念写真を撮影して終了。武藤選手は、後輩との約束を胸に秘め、9月19日のインディジャパンの決勝に臨む。
(編集部:谷川 潔)
2009年 9月 2日