鈴鹿サーキットへのアクセスガイド 写真と動画で見る、徒歩&車での行き方 |
F1日本グランプリが鈴鹿サーキットで開催される。読者の中には、何度も鈴鹿サーキットへ行ったという方も多いと思うが、「今年初めて行く」、あるいは「今まで車だったが電車で行く」といった方や、その逆の方もいるだろう。今回は、各高速の最寄りのIC(インターチェンジ)や、近くの駅から鈴鹿サーキットまでのルートを、鈴鹿サーキットが推奨しているルートを中心に写真と動画で紹介しよう。加えてF1日本グランプリ観戦に関するリンク集も用意したので参考にしていただきたい。
筆者は鈴鹿のF1日本グランプリを、20年間皆勤賞で見てきた。その間、テントをゴルフ練習場の打席に張って泊まったり、子供と居酒屋の駐車場で車中泊したりとさまざまなスタイルで観戦してきた。静岡県から愛知県の名古屋市に引っ越した後も泊まりで行っていたが、日曜朝のフリー走行がなくなってからは、3日間、自宅から通っている。
20年の間には、レース後の渋滞で1時間以上ピクリとも動かず、道路にキャンプ用のワンバーナーを出してコーヒーを沸かしたこともあった。長年のノウハウもあり、今では渋滞に巻き込まれることもなく、レース終了から2時間くらい、17時台には名古屋市内の自宅に着いている。
十数万人が集まるイベントだけに、帰宅した頃に「今バスに乗った」と知り合いからメールが来たりすることもあるので、行き当たりばったりではなく、行き帰りの作戦も考えておいたほうがよいだろう。
鈴鹿サーキットが公開しているPDF形式のアクセス&駐車場MAP(http://www.suzukacircuit.jp/f1/parking/img/f1-map.pdf)。本記事はこの推奨ルートを参考にして構成した |
筆者の作戦はこんな感じだ。基本ルートは伊勢湾岸自動車道の名港潮見ICから、みえ川越ICまで高速道路を使用。その後国道23号線で鈴鹿市内まで進み、柳ランプウェイから市街地に入り、田舎道を抜けて道伯町周辺の民間駐車場に車を駐める。ここで1BOX車に積んで来た自転車に乗り換えてサーキット入りしている。東コースに行くときは逆バンクゲートかデグナー東ゲート、西コースに行くときは西ストレートゲート(以前はヘアピン西ゲートと呼ばれていたような……)を利用し、セッションの間でも短時間で移動できるようにしている。
帰りはレースが15時30分頃に終わったとすると、例えばS字から逆バンクゲートまで10分ほど歩いて、その後自転車に乗り10分で駐車場へ。荷物を積んで16時には出発し、混雑する前の23号線に乗れば17時30分頃には名古屋市内の自宅に着く、といった感じだ。
車の渋滞を避ける方法はサーキットの近くに車を駐めないことだ。筆者も1980年代はサーキット内の駐車場に駐めたが、混雑するようになってからは日曜日の朝にサーキットから離れた民間駐車場に移動するようになった。その後は最初から離れた駐車場に駐める作戦を採っている。
富士スピードウェイで開催されたF1日本グランプリは、移動に関して自由度がなかったが、鈴鹿は各自が自由に作戦を立てることができる。両グランプリに行った方は分かると思うが、鈴鹿は市街地にあるサーキットで、市を上げてレースを応援してくれている。多くのボランティアがF1を支えているし、至る所に民間駐車場がある。筆者はこの記事の取材のついでに、3年振りに駐車場の民家を訪ね、「またお世話になります」と挨拶をしてきた。オヤジさんは「もううちはおなじみさんばかりだから、旗振りもしないよ」と言っていた。九州から参加する仲間に「駐車場、お願いしてきたから菓子折買ってこい」と依頼し、準備は万端だ。
鈴鹿サーキットでは公共交通機関での来場を推奨している。近鉄白子駅とサーキット間のバス輸送では、交通規制によってバス優先道路を確保し、スムーズな運行を目指している。まずは電車利用の場合を紹介しよう。
■電車編
対象となる電車の駅は3つ。近鉄の白子駅と平田町駅、伊勢鉄道の鈴鹿サーキット稲生駅だ。サーキットに近いのは鈴鹿サーキット稲生駅だが、利用者が多いのは白子駅だと思われる。順番に駅の様子や駅からのルートを紹介していこう。
●近鉄 白子駅
白子駅は名古屋と大阪を結ぶ近鉄線の駅で、サーキット周辺でもっとも大きな駅だ。サーキットまでは約5km、徒歩で65分、バスは平常時は20分となっている。過去の利用者に聞くと、駅でバスを1時間待った、諦めて歩くことにした、と言った話もあるので、その場の状況で判断すればよいだろう。駅への到着時刻や曜日によって状況が異なってくるので、徒歩でもセッションに間に合うように、ゆとりを持って計画を立てていただきたい。
駅から徒歩でサーキットに向かう方のために、推奨ルートの目印を撮影してきた。動画も用意したので参考にしていただきたい。
●伊勢鉄道 鈴鹿サーキット稲生駅
鈴鹿サーキット稲生駅はサーキットに一番近い駅だが、駅自体はかなり小さく普段は無人駅だ。サーキットまでは約1.5km、徒歩で15分程度、ここからはバスなどはない。駅周辺にもサーキットまでのルート周辺にもコンビニなどはなく、必要であれば事前に調達するか、白子駅の方面に戻るしかない。
道に迷うことはないルートだが、一応、駅周辺の様子などを撮影してきた。動画も用意したので参考にしていただきたい。
●近鉄鈴鹿線 平田町駅
駅周辺は開けているが、路線自体はローカル線となる。関西側からのアクセスはメリットがないので、四日市、名古屋方面からの利用者だけが対象となる。サーキットまでは約3.5km、徒歩で45分程度。バスは途中まであるが、基本的には徒歩でサーキットに向かうことになるだろう。駅のすぐ前の通りは、鈴鹿市内で最も栄えた通りで飲食店なども豊富だ。
この駅からも徒歩でサーキットに向かう方のために、推奨ルートの目印を撮影してきた。動画も用意したので参考にしていただきたい。
■自動車編
鈴鹿サーキットは、渋滞を少しでも軽減するために、各方面からの推奨ルートを案内している。期間中の東名阪自動車道 鈴鹿ICは相当な渋滞が予想される。実際、ETCの休日特別割引(地方部上限1000円)の影響もあり、普段の週末でも鈴鹿IC付近は渋滞が多い。8月のSUPER GT開催時は名古屋方面から渋滞10km、45分の表示も見た。筆者自身もレースの際にはみえ川越ICを利用している。また、推奨ルート方面別に臨時駐車場が準備されていてる。冒頭で書いたが、サーキットに近い駐車場ほど帰りの渋滞に巻き込まれる可能性が高い。下記リンク集の、アクセス&駐車場MAPを参照して計画を立てていただきたい。
今回、各ICからの動画を用意した。すべての動画のゴールは、便宜上「鈴鹿サーキット前」の交差点としたが、ここまで行くとガソリンスタンドがあるだけで駐車場はない。アクセス&駐車場MAPを参考に、その手前で駐車する場所を確保することをお勧めしたい。では、各ICからのルートを確認していこう。
●伊勢湾岸自動車道 みえ川越IC
東京方面、名古屋南部から来る方はみえ川越ICがお勧めだ。中央自動車道から来る方も小牧方面ではなく、土岐JCTから豊田JCTを抜けてみえ川越ICをお勧めしたい。理由は名古屋高速道路、東名阪自動車道は別料金区間が多く、ETCの休日特別割引を上手く利用するならこのルートが断然お得だ。また、豊田JCTからの伊勢湾岸道は将来第二東名として利用される区間で、道の広さなど、クオリティが圧倒的に違う。この機会に一度体験するのも悪くないだろう。
みえ川越ICから鈴鹿へは、国道23号線を使うことになる。夜間は「ここは一般道か?」と疑うような速度でトラックが走る道なので運転には注意が必要だ。逆に、金曜の朝は、平日なので四日市周辺は通勤による渋滞がある。ある程度ゆとりを持って計画を立てていただきたい。
鈴鹿市に入ってからは2つのルートが推奨されている。1つは柳ランプウェイから平田町方面に向かうルート、もう1つは白子駅の先からサーキット道路を北上して向かうルートだ。すでに駐車場を予約している方はその位置にあわせたルートを選択すればよいだろう。
筆者自身は基本的には柳ランプウェイから市街地に入っている。そこから飲食店などが立ち並ぶ通りを抜けて、道伯町周辺に車を駐めている。アクセス&駐車場MAPの推奨ルートは直進して、サーキットをぐるっと回るルートとなっているが、現実的にはやや無理があると思われる。なので、平田町駅からの徒歩ルートと同じ、算所3-1の交差点(ろうきんが目印)から道伯町(サーキット方面)へ向かうルートを推奨したい。道伯町周辺は民間駐車場が豊富だ。3日分の支払いをすれば、出入りは自由なので2日目以降は駐車場の心配をすることもない。車中泊を予定してる方は、ここからは飲食店なども車なら手軽に行ける距離となる。サーキットまでは徒歩なら30分、自転車なら10分程度だろう。
●東名阪自動車道 四日市東IC
名古屋北部、岐阜、北陸方面から来る方は四日市東ICが推奨ルートとなる。ここを降りて国道23号線に合流するルートだ。合流後はみえ川越ICからのルートと同じとなる。
以上2つのICからの動画を用意してみた。鈴鹿市内の推奨ルートが2つあるので、組み合わせは4つとなるが、今回はみえ川越IC→白子駅方面北上ルートと四日市東IC→柳ランプウェイ道伯町方面ルートに編集してみた。途中の23号線の映像は同じものなので、各自のルートによって、組み合わせて見ていただきたい。
白子駅方面からサーキット道路を北上して向かう場合の推奨ルートは、サーキット手前で西コース方面に回り込むルートとなっている。この部分は別の動画で用意してみた。
●東名阪自動車道 亀山IC
関西方面から新名神高速を使って来る方の推奨ルートは亀山ICとなる。亀山ICからは国道1号線を通るルートと県道41号線を通るルートがあるが、今回撮影したのは1号線のルートだ。市街地に入ってからは西コース、スプーン方面をぐるっと回るルートとなっている。この方面は予約駐車場も豊富だし、民間駐車場も点在している。関西方面から来て、西コースで決勝を観戦する方は推奨ルートどおりに行くのが間違いなさそうだ。
Googleマップ 亀山IC→1号線→スプーン方面ルート(画像をクリックするとGoogleマップが開きます) | 【動画】亀山IC→1号線→スプーン方面ルート(画像をクリックすると動画が見られます) |
●名阪国道 関IC
西名阪方面から来る方の推奨ルートは関ICとなる。関ICからは県道144号線を通るルート。筆者も今回初めて走ってみたが、なかなかの田舎道で、普段は渋滞する要素がまったくなさそうな道だ。途中にコンビニが1軒あるだけなので、飲食の調達は事前にしておいたほうがよさそうだ。このルートも西コース、スプーン方面に出る。走った感じは穴場的なルートなので、新名神を利用する方も一考する価値がありそうだ。
Googleマップ 関IC→県道14号線→スプーン方面ルート(画像をクリックするとGoogleマップが開きます) | 【動画】関IC→県道14号線→スプーン方面ルート(画像をクリックすると動画が見られます) |
●東名阪自動車道 鈴鹿IC
推奨ルートではないが、やはり多くの方が使うのが鈴鹿ICだろう。道の整備も進み途中からは2車線道路となり、空いていれば快適なルートだ。おそらく金曜日以降の明るい時間帯に着く場合は渋滞を避けられないと思うが、木曜日や深夜に鈴鹿入りする方は王道の道なのでここを通ってもよいだろう。
動画は市街地に入ってからもベルシティ(大型ショッピングセンター)の前を通る定番の道を撮ろうと思ったが、休日の昼間のため大渋滞をしていた。なので亀山IC、関ICと同じルートで撮影している。
Googleマップ 関IC→県道14号線→スプーン方面ルート(画像をクリックするとGoogleマップが開きます) | 【動画】鈴鹿IC→スプーン方面ルート(画像をクリックすると動画が見られます) |
■日本グランプリ観戦情報リンク集
アクセス&駐車場MAP サーキットまでの推奨ルートと駐車場の情報
http://www.suzukacircuit.jp/f1/parking/img/f1-map.pdf
F1日本グランプリ、アクセス情報
http://www.suzukacircuit.jp/f1/access/index.html
公共交通機関
http://www.suzukacircuit.jp/f1/access/index.html#pub
車
http://www.suzukacircuit.jp/f1/access/index.html#car
自転車
http://www.suzukacircuit.jp/f1/access/index.html#bicycle
F1観戦マップ。各席への移動ルート、各席からのパノラマ画像が表示される
http://www.suzukacircuit.jp/f1/view/
MAP & 観戦ガイド(表、PDF)
当日、会場で配布される観戦ガイドのPDF。各ゲートのオープン時刻、サーキット内のFM放送の情報、サーキット内の飲食店の情報などが満載
http://www.suzukacircuit.jp/f1/watching_info/image/2009f1map1.pdf
MAP & 観戦ガイド(裏、PDF)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/watching_info/image/2009f1map2.pdf
リアルタイム「駐車場 満・空状況」表示期間:10月1日22時~10月4日
http://www.suzukacircuit.jp/f1/parking/realtime.html
(奥川浩彦)
2009年 9月 30日