「CEATEC JAPAN 2009」が幕張メッセで開幕
IT・エレクトロニクス総合展で見つけた自動車の最先端技術

CEATEC JAPAN 2009

2009年10月6日~10日
入場料:1000円(一般)、500円(学生)
※事前登録で無料、10日は無料



 最先端のIT・エレクトロニクス総合展である「CEATEC JAPAN(シーテック ジャパン) 2009」が、10月6日幕張メッセ(千葉市美浜区)で開幕した。Car Watchでは、車関連の出展を中心にその模様をお届けする。なお、CEATECは10月10日まで開催されている。入場料は一般が1000円、学生が500円となるが、公式Webサイトや携帯サイトでの事前登録で無料となるほか、最終日となる10日は、事前登録がなくても入場が無料となる。

 CEATECでは、新型のテレビや携帯電話、通信サービスと、機能部品や半導体、メーターなどの表示デバイスの展示が行われるほか、セミナーなどが開催される。自動車メーカーでは日産自動車が出展しているほか、パナソニックやゼンリンがカーナビ関連の商品や技術を展示。また、電気自動車の三菱「i-MiEV(アイミーブ)」やスバル「プラグインステラ」に採用されているLEDライトやコンバーター、将来的に採用が検討されている非接触充電装置など、最新の技術展示が行われていた。

日産のブースでは、「スカイライン クロスオーバー」を展示。「ぶつからないクルマ」のための技術として、同車に搭載された車線逸脱を避ける「レーンデパーチャープリベンション」や、「駐車ガイド付きアラウンドビューモニター」、そしてカーナビの地図データを元にアクセル操作を支援する「インテリジェントペダル(ナビ協調機能付)」(次期「フーガ」に搭載予定)を紹介
将来的な技術として、魚群のルールを取り込み、集団でぶつからずに併走するロボットカー「EPORO」も開発。デモンストレーションを行っていた
当日受付で「エコ運転試乗会」も開催。車両診断コネクターに接続した車載器とiPhoneを無線で接続し、車速情報を取得。実際に試乗し、その車速の変化からエコ運転度を診断する車両診断コネクターから得た情報をiPhoneに送信する車載器。将来的に市販化を目指している
車載器から通信で得た車速情報をiPhoneのアプリで表示車速の変化から現在のエコドライブ度をバーグラフで表示。よければ緑に、わるければバーが減って赤になる走行後の診断結果。加速時、巡航時、減速時でそれぞれ判定。結果はiPhoneからメールで送信してもらうこともできる
ゼンリンのブースでは、11月5日に発売予定のPSP(プレイステーションポータブル)専用ナビゲーションソフト「みんなのナビ」を展示
同社の地図データを利用した最新のPND(Portable Navigation Device)、ソニー「nav-u NV-U75V」(写真左)やサンヨー「ゴリラ NV-SB540DT」(写真右)も展示海外向けの立体地図データを持ったPNDも展示
トヨタ(写真左)や日産(写真右)の純正ナビでも同社の立体地図データは利用されていると言う次世代地図データベースへの取り組みも紹介されていた。その1つとして路面ペイントの情報を読み取ることで、一時停止や急カーブといった道路情報を取り込むことができる
パナソニックのブースでは「Strada」のHDDナビやSDナビに加え、今月発売予定の「Strada Pocket」も展示。「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」とのコラボモデルも出品されていた
インテルのブースには三菱iMiEVが展示され、車内には「Atom」を搭載したMID(モバイル・インターネット・デバイス」が装着されていたAtomを搭載したMID「Clarion MiND」は、すでに海外では販売されている。3Gによる通信やWi-Fiなどによりインターネットに接続できるほか、PNDとしても利用できる
インターネットサイトを表示できる同じくインテルのブース内では、PNDとして利用できるソフト「MAPLUS」も展示。デモンストレーションを行っていた
京セラのブースでは、トヨタ「プリウス」に搭載されている太陽電池を原寸大のパネルに装着して展示していたほか、シートヒーター/クーラーに使われるペルチェモジュールの展示などを行っていた電源の極性によってヒーターにもクーラーにもなるペルチェモジュール。実際に作動させてその能力を体験できる
シャープのブースには三菱iMiEVが展示され、そのルーフにはソーラーパネルが装着されていた。ただしまだコンセプト段階で、実際の発電能力などは未定とのこと
電源設計のブースでは電気自動車化されたスズキ「Twin」と非接触給電システムを展示していた床に設置したコイルと車両フロアに装着したコイルが近づくと充電ができる。日産の電気自動車で将来的に採用するため、現在開発が進められているとのこと
NEDOのブースでは多くの技術紹介や展示が行われていたが、トヨタの燃料電池自動車も展示されていた燃料電池車のためマフラーはないOKIのブースでは、フォーミュラ・ニッポンで使用された通話システムを紹介。実際にヘッドセットをつけてその音声を聞くことができる
クルマのライトなどを扱うスタンレー電気のブース電圧により透過する光を曲げることができる光学素子を参考出品。ヘッドライトのハイ/ロー切り替えへの応用などが可能手前の透明な板の中央の丸い部分だけ後ろの図柄がずれて見える。この屈折度合いは電圧で調整できると言う
赤外LEDのデモンストレーション。上の模型に装着されたカメラの映像が左下のモニターに映る模型の部分をふたで覆って暗くしても、赤外LEDにより映像を見ることができる三菱iMiEVに採用されたLEDヘッドライトも展示
自動車用のメーターなどを手がける双葉電子工業のブースでは、さまざまなメーターを展示VFD(Vacuum Fluorescent Display)という表示パネルを使ったヘッドアップディスプレイを展示。液晶タイプと比べ輝度が高いため、日中の雪道などでもはっきりと表示を確認することができると言う
日本ペイントの「マジョーラ」で塗装されたロードスターが展示されていたが、これは、マジョーラのような複雑な色でも3Dシミュレーター上で再現できるソフトの紹介用。特殊な装置で塗装したものをスキャニングすることで、晴天や夕暮れ、曇り空などさまざまな状況下での色の見え方を再現できる。中央と右の写真のロードスターは実車ではなくCGで描かれたもの
ニチコンのブースでは、電気自動車やハイブリッド車に採用されている同社のコンデンサーを紹介していた電気自動車の三菱iMiEVやスバルプラグインハイブリッドのDC-DCコンバーターやインバーターの中にも同社のコンデンサーが使われていると言う

(瀬戸 学)
2009年 10月 7日