ルネサス、PND向けチップ「SH-NaviJ3」
マルチメディア機能を強化

2009年10月8日サンプル出荷開始
サンプル価格:6000円



 ルネサス テクノロジは、PNDや安価なカーナビ用のチップ「SH7777(SH-NaviJ3)」を、10月8日からサンプル出荷する。サンプル価格は6000円。

 同社にはハイエンド・カーナビ向けの「SH-Navi」シリーズと、中級・低価格カーナビ向けの「SH-NaviJ」シリーズがあるが、SH7777は後者の第3弾。カーナビに必要な機能を1つのチップに搭載した「SoC」(システム・オン・チップ)と呼ばれるもので、安価にカーナビを作ることができる。

 SH-NaviJ3には、動作周波数533MHzの「SH-4A」コアに、グラフィックスプロセッサ、ビデオ処理機能、SDカードやUSBのインターフェイス、GPSベースバンドモジュール、FM多重デコーダ、サウンドインターフェイスなどが搭載されている。

 SH-NaviJ3では、2D/3D描画に対応したグラフィックスプロセッサと、ワンセグや動画再生機能を強化した。

 グラフィックスプロセッサは業界標準のグラフィックス用プログラミング規格「OpenGL ES1.1」に対応し、多彩な表現の画面を短期間に効率よく開発できるようになった。

 また2画面表示に対応しており、WVGA(800×480ピクセル)の画面を2系統表示でき、うち1系統は24bitカラーのデジタルRGB出力が可能。これにより運転席用の地図と後部座席用のモニター表示などを同時に行える。

 ワンセグや動画の再生は、同社の携帯電話用プロセッサの技術を応用したもの。動画はH.264に対応し、VGA(640×480ピクセル)で30fpsの録画/再生が可能。拡大エッジ強調機能も搭載しており、ワンセグ放送を拡大表示してもシャープな表示を得られる。

SH-NaviJ3を搭載した評価ボードによるデモSH-NaviJ3を搭載した評価ボード。「SH7777」と書かれた赤い枠の下にSH-NaviJ3がある
VGAで30fpsの動画を録画・再生できる2画面カーナビのデモ。3Dの豊かな表現を比較的手軽に開発できる

(編集部:田中真一郎)
2009年 10月 8日