NEXCO東日本、第三京浜のPAにEV用急速充電器
神奈川県の松沢知事が利用開始式に出席、EV普及策をアピール

松沢知事(右)と八木会長



 NEXCO東日本(東日本高速道路)は12月22日、第三京浜道路 保土ヶ谷パーキングエリア(PA)で「電気自動車用急速充電器 利用開始式」を開催、神奈川県の松沢成文知事とNEXCO東日本の八木重二郎 代表取締役会長が出席した。

 式典は、同社が第三京浜道路の保土ヶ谷PAと都筑PAに、電気自動車(EV)用急速充電器を設置し、22日から一般の利用を開始したのを記念したもの。同社の設備にEV用急速充電設備を設置するのはこれが初。高速道路運営会社としては、首都高速道路と阪神高速道路が管内のPAに設置した例があるが、NEXCO3社ではこれが初めてとなる。

 両PA内には、急速充電器と充電用のパーキングスペースが設けられ、充電器まで誘導する標識が立てられている。充電器は高岳製作所製で、過充電を防ぐために、バッテリー容量の80%までの充電に制限されている。80%充電までに要する時間は15~30分。

保土ヶ谷PAの入口。右に急速充電器を表す標識が立っているPA内にも、充電器の位置を表す標識がある充電用のスペース。式典前のため、充電器はまだヴェールを被っている
高岳製作所製の急速充電器充電プラグの形状は、ガソリンの給油ノズルに似た形状

 

式典でスピーチする松沢知事

 電気の再販売は禁止されているため、当面の間は無料で充電できる。電気代は、NEXCO3社と関連会社で構成される「高速道路関連社会貢献協議会」が負担する。

 両PAのある神奈川県は、2014年度までに、県内に3000台のEVを普及させる「EVIK(イービック:EVイニシアチブかながわ)」を行っており、独自のEV優遇(購入補助金、自動車税と取得税の免除、県内高速道路料金や県営駐車場料金の割引など)やインフラ整備などを実施している。両PAの充電器は高速道路のEVインフラ整備の一環として設置された。

 八木会長は「環境への取り組みを経営の重点課題と位置づけ、特に神奈川県をモデル地区として指定している」と述べ、横浜横須賀道路の横須賀PA上下線にも1基ずつ充電器を設置すること、また、下り線の横須賀PAに太陽光発電やエコトイレ、壁面緑化、遮熱性舗装、保水ブロック、ビオトープなどを設けて「横須賀エコPA」として整備していることを明らかにした。横須賀PAの充電設備とエコPAは2010年3月のオープンを予定している。

 松沢知事は「さまざまなEV普及策を敷いているが、もっとも重要なのは基盤整備。来年までに急速充電器を100台以上整備する計画」とイービックの目標を語り、「設置はほぼ順調に進んでいる。県の設備に充電器を設置するのは当然として、PAに設置していただけるのはありがたいこと。できるだけ多くのPAに設置していただきたい」と協力を呼びかけた。

 この後、神奈川県が公用車として導入したスバルのEV「プラグイン・ステラ」と、NEXCO東日本の京浜管理事務所が導入した三菱自動車工業のEV「i-MiEV」に、松沢知事と八木会長が充電するデモンストレーションが行われた。

急速充電器をアンヴェールする松沢知事と八木会長神奈川県の公用車に充電するところNEXCO東日本のi-MiEVに充電するところ
NEXCO東日本が業務用に導入したi-MiEV(左)と神奈川県のプラグイン・ステラ。充電プラグの位置が、i-MiEVは進行方向左、プラグイン・ステラは右になっている22日午後、都筑PAの急速充電器はまだカバーを被ったままだった

(編集部:田中真一郎)
2009年 12月 22日