アウディ、デザイナーを交えた「A5 スポーツバック」の発表会 |
アウディ ジャパンは1月13日、東京 表参道の同社ショールーム「アウディ フォーラム東京」にて「A5 スポーツバック」の発表会を開催した。デザインを担当したAudi AGのデザイナー、セザール・ムンタダ氏が来日、「A5 スポーツバック」のスケッチを描きながらデザインを説明するなど、4ドア クーペのスタイリングを強調した発表会となった。
国内輸入車市場におけるアウディの業績 |
■2010年の新型車攻勢 第1弾 ~過去最高台数を目指す
発表会ではまず、アウディ ジャパンのドミニク・ベッシュ社長が発表されたばかりの最終的な昨年の業績データを発表した。
純輸入車市場とプレミアムインポート市場のどちらも17%程度落ち込む中で、アウディは対前年比1%アップの1万6171台を記録。この数値はアウディ ジャパンが設立されて以来、最高の数値で、アウディ ジャパン設立以前を含めたアウディの日本の歴史の中でも2番目の数値。
そして、今年の目標は過去最高だった1990年の販売台数1万6691台を超えることと前年を超えるマーケットシェアを実現するため、新型車による商品攻勢をかけるとした。そのため、今年は7台の新型車が予定され、その第1弾となるのが今回発表の「A5 スポーツバック」だとした。
■デザイン上のポイントはウィンドーグラフィックやルーフライン
今回の発表会では、デザインを担当したAudi AGのデザイナー、セザール・ムンタダ氏が来日、タッチパネル式のPCを用い、その場でデザインスケッチを描きながら説明を行った。
セザール・ムンタダ氏はまず、居住空間を提供するためとして、2つのタイヤとキャビンを描き、さらにボディーラインとして新しいウィンドーグラフィックやルーフラインを書き加えた。全体のデザインについて「エレガントさを強調するために、長いルーフのカーブを延長して、非常に美しい流れを実現している。クーペの要素をもちながら、同時に多様な機能性をカバーしていることがわかると思う」と説明した。
また、ルーフからリアにかけてのボディーラインについても「新しいウィンドーグラフィックはキャビンを拡張し、ルーフもフラットに見えて実際よりも幅広く見えるようにした。後ろに向かって狭まるカーブを作り出すことに非常に多くの時間を費やした」と力を入れたデザインであることを強調した。
Audi AGのデザイナー、セザール・ムンタダ氏自らペンでデザインスケッチを描く | ホイールとボディーラインを描いたところ |
商品企画部長からのプレゼンの合間にスケッチを完成させてみせた | クルマのそばに立ち、ボディーラインを熱く説明するセザール・ムンタダ氏 |
■ワゴンに勝る機能性とセダン以上の居住性、しかも魅力的な価格
アウディ ジャパン 営業本部 商品企画部長の野田一夫氏は、デザイン以外の「A5 スポーツバック」の説明を行い、「3つの異なるニーズを実現している魅力的なクルマ」であると強調した。
「A5 スポーツバック」が実現する3つのニーズ |
野田氏が言う3つのニーズとは、「クーペのようにスポーティでエレガント」「ワゴンボディーにまさる機能性」「セダン以上の居住性」のこと。3つの異なるニーズが1台のボディーで実現することで、これまでのアウディのラインアップで満足できなかった顧客を取り込むのだと言う。
また、減速時にオルタネーターで発電することで電気としてエネルギーを蓄積するエネルギー回生システムの採用をはじめとした高い環境性能も特徴として挙げた。野田氏によれば、エネルギー回生システムによって燃費が3%ほど改善したデータがあると言う。そのほか、天候変化でも安心して走行できる4輪駆動システムを採用した走行性能なども重要なポイントだとした。
野田氏はプレゼンの最後で「2.0 TFSI クワトロ」の575万円という価格について言及、「たいへん戦略的な価格。ひとりでも多くのお客様にお乗りいただきたい。A5クーペよりもお安い値段設定」とお買い得であることを強調し、「魅力的な車、魅力的な価格で今年度の販売目標は1000台」と締めくくった。
国内導入される「A5 スポーツバック」はすべてHDDナビゲーションシステムを搭載する。VICS3メディアにも対応 | トランスミッションは7速デュアルクラッチAT「Sトロニック」 |
リアシートは座面を少し下げて居住性を確保。乗車定員は4名 |
(正田拓也)
2010年 1月 13日