オリックス自動車、「カーシェアリングiPhoneアプリ」を開発 AR機能などを搭載し、カーシェアリング利用を促進 |
カーシェアリングiPhoneアプリ画面 |
オリックス自動車は2月17日、国内カーシェアリング事業者としては初となるカーシェアリングサービス連携のiPhoneアプリケーション「カーシェアリングiPhoneアプリ」を開発し、その発表会を同日都内で行った。
オリックス自動車は、オリックスレンタカー、レンタカージャパレン、エックスレンタカーの3ブランドでのレンタカー事業で知られるが、自動車リースやカーシェアリングにおいては国内1位(交通エコロジー・モビリティ財団調べ)の事業規模を誇っている。
オリックス自動車の会社概要。オリックスの100%子会社で、各種自動車関連事業を手がけている |
「プチレンタ」と名付けられたカーシェアリング事業の会員数・保有台数は2009年9月現在で6500人・330台であり、ここ数年の会員数は、経済状況や環境意識の変化、若いユーザーの自動車に対する意識の変化などもあり、著しく伸びている。
会員になるとICカード1枚で、24時間いつでも15分単位で車を借りることができる。ここ数年の会員数が飛躍的に伸びているのが分かる |
オリックス自動車 三谷英司社長 |
オリックス自動車の三谷英司社長は、「我々の年代は、子供のころは家に車がなく、車を使ってドライブしたりすることがあこがれだった。今の若いユーザーは、当たり前のように車がある家に生まれ、車に対する価値観が大きく変化している。中高年から上の世代は『わナンバー』(レンタカーのナンバープレートの平仮名は“わ”または“れ”)の車でゴルフ場に行くのはかっこわるいものがあったが、今の若いユーザーはそのようなことを気にしなくなっている。また、都市部においては車の保有コストが高く、そういう意味でもカーシェアリングは伸びている」と語り、カーシェアリングiPhoneアプリを提供することで、多くの若いユーザーにカーシェアリングを使ってもらいたいと言う。
オリックス自動車は、2010年3月末までに1000台のカーシェアリング車を保有する予定で、3月中旬の公開を予定しているカーシェアリングiPhoneアプリが、新たなユーザーを獲得するきっかけになればと考えている。三谷社長は具体的な数字を挙げ、カーシェアリングiPhoneアプリの利用ユーザーを2年間で1万人以上獲得したいと言い、2013年にはカーシェアリングの会員を5万人に伸ばしたいとした。
カーシェアリングiPhoneアプリの説明を行う、MOVIDA JAPAN 松村慎一郎COO |
このカーシェアリングiPhoneアプリを開発したのは、MOVIDA JAPAN(モビーダ ジャパン)で、発表会では同社COO(最高執行責任者)の松村慎一郎氏より、その詳細が説明された。
松村氏によると、カーシェアリングiPhoneアプリの特徴は3つあると言う。iPhoneならではの直感的なインターフェース、iPhoneの大容量を活かした各車種別の起動マニュアル、GPSや電子コンパスを利用してのカーシェアリングステーションへのナビゲーションで、とくにナビゲーションについてはiPhoneのカメラで取り込んだ映像とステーションへの案内を重ね合わせる「AR(拡張現実:Augmented Reality)」技術を使ったものを用意しており、これはカーシェアリング業界初の試みだと言う。
このカーシェアリングiPhoneアプリでは、予約や変更、取り消しなどカーシェアリング利用に必要な基本機能はもちろん、Googleマップの徒歩検索を利用してのカーシェアリングステーションへの案内などiPhoneならではのタッチインターフェースですべて利用できるようになっている。ARを利用してのナビゲーションは電子コンパス機能を用いるため、iPhone 3GSのみ利用可能でiPhone 3Gでは残念ながら利用できない。
アプリケーションは3月中旬にAppStoreで公開され、インストールは無料、またオリックスカーシェアリングの会員でなくともデモンストレーション画面は利用できるとのこと。
三谷英司社長は、「オリックス自動車は、今後もさまざまなものを用意していきたい」と語り、カーシェアリングユーザーを増やしていくための、第2弾、第3弾の施策を用意していることをうかがわせた。
(編集部:谷川 潔)
2010年 2月 17日