東京都荒川区、23区初の電気自動車カーシェアリング
区民と区職員で利用。運営はオリックス自動車

荒川区はi-MiEVを2台導入

2010年3月24日開催



 東京都荒川区は、三菱自動車工業の電気自動車「i-MiEV」を導入し、23区初となる区民と区職員によるカーシェアリング事業を3月24日に開始した。これは、オリックス自動車のカーシェアリングシステムを利用するもので、区民が会員となり(最大40名)、区職員とi-MiEVをシェアリングするもの。

 荒川区は2台のi-MiEVを導入し、平日は1号車を区職員が利用、2号車は区職員と区民が利用し、休日は2台とも終日区民が利用できる。i-MiEVは、普通充電器と急速充電器が備え付けられた「あらかわエコセンター」をステーションとし、インターネットもしくは携帯サイト経由で予約する。利用料金は荒川区の特別料金となっており、基本料金は月額500円、15分あたりの時間料金は200円。カーシェアリングで通常必要となる距離料金は、無料となっている。

カーシェアリングのステーションとなるあらかわエコセンター。環境学習やリサイクル活動の拠点となるべく設置された。太陽光発電も積極的に行うあらかわエコセンターでは、普通充電器を2機設置急速充電器は1機設置
導入されたi-MiEVの1号車。ボディーのメインカラーは緑。サイドやリアには区の木である桜が描かれる。よくよく見ると枝がコンセント状になっている
2号車は水色。荒川区内には隅田川があり、1号車と2号車で緑と水を表す。2号車の桜もやはりコンセント状にフロントのサイドウィンドー部にある注意書き。この注意書きの裏にカーシェアリングのICカードを検知するセンサーボックスがあるi-MiEVの室内。カーナビが目につく程度で、通常のi-MiEVと変わらない
西川太一郎 荒川区長

 この事業の開始にともない、荒川区は記念式典をあらかわエコセンターで開催。折からの小雨が降る中挨拶に立った西川太一郎 荒川区長は、「このi-MiEV2台を、国や都の助成を受けながら導入しましたが、入手が大変困難な状況でした」と言い、電気自動車の導入が行政にとってある種のブームとなっており、導入時期がずれ込んだと述べた。その上で「地球環境を維持するというのは、地域のひとりひとりの生活によると思う。従ってこのような運動を大きく育てていきたい」とし、無事カーシェアリングを始めることができたことに満足しているようだった。


荒川区議会の茂木弘議長

 続いて来賓挨拶に立った荒川区議会の茂木弘議長は、「i-MiEVは去年の暮れぐらいに導入できるはずだった。それが製造が間に合わないとのことで、ここまでずれ込んだ。2台導入できたが、もし有効に使われるのであれば、今後台数を増やしていきたい」と、区民の要望次第ではさらなる導入計画を予定していると言う。「私も乗りましたが、(電気自動車は)思ったよりも素晴らしい加速をする。逆に速すぎると思うくらいで、利用の際は注意してほしい」と、会員になった区民に対して語った。

 その後テープカットが行われ、会員になった区民らと試乗会を開催。試乗会は、あらかわエコセンターの周囲を一回りする程度の距離の短いものだったが、比較的低料金で利用できるだけに、今後順次電気自動車を利用する(体験する)区民が増えていくのだろう。

雨を避けテントの下で、テープカットを開催テープカット後は、1号車、2号車とも試乗会が開催された

(編集部:谷川 潔)
2010年 3月 24日