2010年、世界の小型車需要は回復の見込み
EV販売は2015年でも30万台。J.D.パワー予測より


 J.D.パワー アジア・パシフィックは4月5日、2010年の世界市場小型車需要予測を発表した。

 これによると2010年の全世界の小型車の販売台数は6690万台で、前年比4%増。2010年2月までの販売に基づく予測は6870万台で、前年同期の5660万台から急速に回復している。

 地域ごとの予測は次のとおり。

地域2010年販売台数前年比
北米1410万台12%増
南米460万台15%増
西欧1370万台8%減
東欧320万台1%増
日本500万台11%増
中国1400万台8%増
インド230万台12%増
ASEAN180万台12%増

 各地域とも概ね10%前後成長すると見込まれているが、西欧のみ、廃車・代替奨励金の終了にともない減少する。減少率が最も著しいのはドイツ、イタリアとしている。

 また、同リポートではハイブリッド車(HEV)、バッテリー電気自動車(BEV)の販売も予測している。2010年の全世界でのHEV販売は前年比16%増の84万台。HEVは米国での売上が最も大きかったが、2009年に日本が米国を抜いた。プリウスとインサイトが成功し、政府によるHEV優遇策がその要因。

 一方BEVは、2009年の販売台数は全世界でも1万台に及ばず、シェアは0.1%未満。2010年も2万台にとどまる見込み。2015年までには30万台の市場になり、その約半分を中国が占めるとしている。同社では、BEVがガソリン車やプラグインHEVよりも価格が高く、走行距離が短いため、「BEVの実際の全世界での販売が本格化するためには、意外に長い時間がかかるかもしれない」と見ている。

(編集部:田中真一郎)
2010年 4月 5日