JATMA、東北道 羽生PAで「タイヤの日」安全啓発活動を実施
49台の車のタイヤを点検

東北道 羽生PAで実施されたタイヤの日安全啓発活動

2010年4月8日実施



 JATMA(日本自動車タイヤ協会)関東支部は、埼玉県自動車タイヤ販売店協会、埼玉県タイヤ商工協同組合とともに4月8日、東北自動車道 羽生PA(パーキングエリア)上りで「タイヤの日」の安全啓発活動を実施した。この安全啓発活動は、一般ドライバーにタイヤの適正使用、特に空気圧管理の重要性を啓発するもので、駐車場内に特設スペースを設け、希望者に空気圧チェックを主体としたタイヤ点検を行った。

タイヤ点検の重要性を訴える開会式
 JATMAは、全国交通安全運動の実施月であることから4月を、8は輪(タイヤ)のイメージを持つことから4月8日をタイヤの日と定めている。

 タイヤの日の安全啓発活動は2000年から始まり、今年で11回目の実施となる。4月4日~8日にかけて全国7カ所でJATMAの各支部が安全啓発活動を行ったが、今回お届けするのは関東支部の模様。当日は天候にも恵まれ、春の温かい陽気の中実施された。

 9時50分。10時からのタイヤ点検を前に開会式が行われた。開会式でJATMA三野会長は、これまで各所で実施したタイヤ点検の結果によると乗用車の5台に1台は空気圧不足だと言い、国土交通省などのアンケートでは、約4割のドライバーが自動車の日常点検をまったく行わないという結果が出ていると言う。「点検整備の必要性、重要性を今後もアピールしていく」と熱意あるあいさつを行った。

 タイヤ点検に協力する埼玉県警察本部交通部高速道路交通警察隊小川隊長は、今回の実施地である東北道 羽生PAの近くで、昨年末タイヤのバーストによる乗用車の事故が4件あり、その事故に関連して2名がなくなったと語り、タイヤの点検が重要だと強調。今回の点検では全面的な協力体制を採ると言う。

会場となった東北道 羽生PA(上り)タイヤ点検の前に行われた開会式JATMA 三野会長
埼玉県タイヤ商工協同組合 二平理事長埼玉県自動車タイヤ販売店協会 大島理事長埼玉県警察本部交通部高速道路交通警察隊 小川隊長

至れり尽くせりのタイヤ点検
 安全啓発活動では、各種PRパネルやタイヤサンプル展示のほか、リーフレット、ノベルティーグッズの配布などが行われた。駐車場の一角に特設スペースを設け、希望者に無料タイヤ点検を実施した。

 最初に点検を受けたのは運送業の軽貨物車両だった。貨物車輌の場合は、積み荷があるかないかで空気圧も異なってくるため、積み荷の状態をドライバーに確認。タイヤの空気圧チェック、キズ・亀裂のチェック、摩耗限度のチェックなどを行う。また、点検を受けたドライバーにリーフレットやノベルティーのセットを配布するのだが、三野会長自らドライバーに贈呈していた。

 タイヤの空気圧は本来、走行前の冷えているときに計測するものだ。ここでは高速道路のPAでの点検となるため、高速走行でタイヤ温度が上昇し、指定の空気圧よりも高くなっていることも多い。すでに指定空気圧以上になっている場合もある。そうしたクルマには空気を抜いて減圧することはせず、その旨をドライバーに伝え、再度タイヤが冷えているときにチェックするよう呼びかけている。逆に、タイヤの温度が高いのにもかかわらず指定空気圧に足りない車には、空気の追加充填を行っていた。

 空気圧チェックのあと、バルブに石けん水を噴霧し、空気漏れがないかもチェック。点検中、空気漏れが見つかった車があったが、事前に用意していたバルブに交換。失くしがちなバルブキャップが準備されていた。

 ユーザーによっては、空気の代わりに窒素を充填している車もある。点検時にも、窒素充填の車が1台あったが、窒素の充填はできないため、空気圧チェックで窒素を抜いてしまうことがないよう、キズ・亀裂のチェック、摩耗限度チェックにとどめていた。

各種パネルが立てられ、安全性をピーアール摩耗したタイヤやカットモデルを展示
空気充填用に並ぶエアタンクJATMA三野会長自らリーフレットを配布
まずはタイヤの指定空気圧をチェックするエアゲージで空気圧をチェック石けん水を噴霧し空気漏れがないか確認
残り溝の深さをデプスゲージでチェック点検項目をカードに記入していく車の呼び込みや誘導は、埼玉県警の協力による

 今回の安全啓発活動では49台の車のタイヤを点検。平日の午前10時~12時という短い時間だったが、かなりの数となった。そのうち、異常がなかったのは26台で、残り23台は何らかの整備不良があった。

 タイヤ整備不良の23台のうち、もっとも数が多かったのが空気圧過多の15台で、これは前述したように高速走行後の点検であることも理由のひとつだろう。しかし、空気圧不足の車が7台もあったのには驚いた。また、タイヤコード(タイヤの内部構造材)に達するほどの外傷を持つタイヤを装着した車も1台あった。運行前点検など、タイヤの安全に対する意識が低いことを改めて感じたしだいだ。

 タイヤの空気圧は自然と低下し、乗用車用タイヤでは1カ月で5~10%低下すると言う。このため、JATMAでは1カ月に1度は空気圧の点検を行うことを推奨している。空気圧の過不足は損傷を早め、重大な事故につながる可能性がある。タイヤ空気圧は安全性だけではなく、燃費にも影響を与えるため、タイヤの日をきっかけに、愛車のタイヤ点検をしてみてはいかがだろうか。

(政木 桂)
2010年 4月 8日