国土交通省、普通車上限900円とする対距離料金制【首都高、阪神高速編】
2010年末から導入予定。ETC非利用時は上限料金

2010年4月9日発表
2010年末~2011年初頭開始



 国土交通省は4月9日、首都高速道路と阪神高速道路の料金圏を撤廃し、対距離を基本とする上限料金制(以下、上限料金制)を導入すると発表した。上限制の導入は各地方議会の議決が必要なため、2010年末~2011年初頭を目標としている。上限料金は下記のとおり。

普通車大型車
900円(下限500円)1800円(下限1000円)

 上限料金制では、首都高では東京線・神奈川線・埼玉線、阪神高速では阪神西線・阪神東線・阪神南線・京都線とエリアごとに定められていた均一料金を撤廃。普通車の場合、6kmまでは500円の料金で、以後6kmごとに100円上昇し、24km以上の利用は上限料金の900円となる(大型車は普通車の2倍の料金)。

 この新料金は、時間帯・曜日の区別なしに適用されるが、都市高速では出口料金所がないため、ETC非利用時は一律上限料金となる。

 これにより、普通車のETC利用時で首都高 埼玉新都心線(S2)新都心IC(インターチェンジ)~神奈川1号横羽線(K1)みなとみらいIC間(69.2km)の料金は、現在の平日1700円、休日1200円から900円と値下げになる。料金圏をまたがない6kmまでの短距離利用では、東京線700円が500円とやはり値下げになるものの、6号三郷線三郷IC~4号新宿線新宿IC間(31.4km)では、平日700円、休日500円が900円に値上げになる。

首都高の料金例(普通車)
阪神高速の料金例(普通車)
上限料金制(普通車)

 国交省では、料金圏をまたがる料金を下回りつつ、ネットワークの観点から、放射道路の端末から都心環状までは現行料金以下、都心環状を超えて利用する場合は現行料金以上に設定したと言う。

上限料金の考え方(普通車)

 既存割引については、環境ロードプライシング(首都高神奈川線 川崎浮島~大黒間、阪神高速5号湾岸線)、障害者割引については継続。環状道路などへの誘導割引も実施される。その一方で、休日割引きや特定区間割引きについては廃止されるが、激変緩和処置として、大口・多頻度割引は年度内(2011年3月まで)に限定して継続される。

(編集部:谷川 潔)
2010年 4月 9日