タイムアタックイベント「DUNLOP DIREZZA CHALLENGE 2010」リポート サーキットレッスンも前日開催。第2戦は1/100秒台の争いに |
ダンロップ(住友ゴム工業)が、ユーザー向けのイベントとして開催しているのが「DUNLOP DIREZZA CHALLENGE(ダンロップ ディレッツァチャレンジ)」(以下、ディレチャレ)。イベント名から分かるように、ダンロップのスポーツタイヤ「DIREZZA」ユーザー向けのイベントで、誰もが参加しやすいようタイムアタックイベントとなっている。
このディレチャレは全国4エリアで開催。クラスも排気量や駆動方式などにより、4クラスに分けられ、各試合のクラス上位3名が決勝戦への出場権を得ることができるというもの。
●DUNLOP DIREZZA CHALLENGE 2010 スケジュール
日付 | サーキット名 | 開催地 | |
開幕戦 | 4月18日 | 美浜サーキット | 愛知県 |
第2戦 | 5月23日 | 日光サーキット | 栃木県 |
第3戦 | 9月19日 | 本庄サーキット | 埼玉県 |
第4戦 | 10月17日 | タカスサーキット | 福井県 |
決勝戦 | 11月23日 | スパ西浦モーターパーク | 愛知県 |
Car Watchでは、5月23日に栃木県の日光サーキットで開催されたディレチャレの第2戦と、その前日にサーキット初心者向けに行われた「ダンロップ・サーキット・レッスン」を取材してきたので、ここにお届けする。
■初心者から上級者まで参加していたダンロップ・サーキット・レッスン
ダンロップ・サーキット・レッスンは、サーキット初心者や自分のスキルを高めたい人向けに開催されているイベントで、2010年は第2戦の前日と、第4戦の前日にディレチャレが開催されるサーキットを使って行われる。
日光サーキットでのレッスン内容は、フリー走行15分、レッスン走行1、2をそれぞれ20分、レッスン走行3を10分×2となっていて、ブレーキングをしながらのコーナーへの進入、S字コーナーの走行などを中心にレッスンが行われていた。レッスンの講師は、自動車雑誌などで活躍しており、その走りに関する実戦的な記事が人気の高い大井貴之氏と、レーシングドライバーの青木孝行選手、菊池靖選手の3人。
3人の講師が無線機を使って、参加者の走りをチェックし指導を行っていたほか、参加者のクルマを使って同乗走行を行い、具体的なアドバイスを行っていた。
このサーキットレッスンは、翌日のディレチャレと同じサーキットを使い、前日に開催されるということで、初心者はもちろん、ディレチャレで上位入賞を狙う人まで参加。参加者のレベルに開きもあるようで、フリー走行時のタイムにより3つのクラスに分けられていた。
広島県呉市から参加していた、内藤源氏さんも翌日のディレチャレを見据えて参加していた1人。内藤氏は4月18日に行われた開幕戦でクラス4位となった強者だが、日光サーキットは初めてとなるため、このサーキットレッスンに参加。コースの看板の見え方など、サーキット内の具体的な目標物を元にした、大井氏のアドバイスは大変役に立ったと言う。実際、内藤氏は初めてのサーキットにもかかわらず、40秒を切る人が少ない中で、39秒台半ばのタイムを叩き出し、レッスンが終わる頃には39秒台前半をうかがう勢いだった。
密度の濃いサーキットレッスンは13時30分で終了。それ以降は走行券を購入してのスポーツ走行時間にあてられ、レッスンのおさらいをする人、翌日のディレチャレに向けて特訓を積む人などが見られた。
■1本目はドライ、2本目はウェットになったDUNLOP DIREZZA CHALLENGE 第2戦
5月23日に行われたDIREZZA CHALLENGE 第2戦。当日の天気予報は午後から雨となっており、空は午前中から怪しい雲行き。ディレチャレは、10分の練習走行を1本行い、その後15分のタイムアタックをクラスごとに2本行って、その合計タイムで順位を競う。
参加者が多かったため、各クラスを2つに分けてタイムアタックが行われた。1本目のタイムアタックは10時20分~12時25分まで、2本目のタイムアタックが13時15分~15時15分まで行われることから、雨の降ってくるタイミングが勝敗を分けることが予想された。
ディレチャレの受付をすませた参加者は、主催者から渡された参加キットに入っているゼッケンをボディーに貼っていく。同時に主催者側は車検を行い、タイヤが参加規定にあっているか、触媒は取り付けられているかなどをチェックしていた。
競技委員長は、サーキットレッスンでも講師を務めた大井氏。開会の挨拶で大井氏は、タイムアタック時の注意として、「タイムアタック時はヘッドライトを点灯すること。後ろから速いクルマが来て譲るときはウインカーを出すこと」を挙げ、譲るときは明確に譲ることをアドバイスしていた。
日光サーキットはミニサーキットのため、コーナーで譲るのは難しく、ストレート部分で譲るしかない。コースレイアウトの関係で、右に譲ったり、左に譲ったりする必要があるため、譲る方向を明確にする必要がある。ハザードでは、ゆっくり走っていることは分かるが、譲る方向が分からず事故につながる可能性があり、「必ずウインカーを使ってほしい」と強調していた。
10時30分、曇天の中フリー走行を終えた各車のタイムアタックが始まった。タイムアタック走行になると、やや無理をしつつの走行となるためか、時折スピンしてしまうクルマも出る。コースからはみ出してしまい、動けなくなるクルマが出るとタイムアタックを中断して回収。タイムアタックの持ち時間は同様とするため、その度にスケジュールがずれていく。ただ、午前のタイムアタックでは、軽く雨が降ったものの、大きな影響は出なかったようで、全車順調にタイムアタックを終えていた。
雨が本格的に降り始めたのは、昼食時間をはさんで行われた午後のタイムアタック。時折強い雨の降る中、参加者は自分の持てるテクニックを使って15分のタイムアタックを行っていた。
ドライ路面の午前のタイムアタックでは、39秒台後半から40秒台前半のタイムが出ていたものの、午後のウエット路面のタイムアタックでは、45秒台以降のタイムとなり、各参加者は苦労していたようだ。
総合結果ではドライでよいタイムを出しても、ウェットでのタイムがあまりよくなかったために優勝できなかったり、またその逆に、ドライのタイムがよくなくてもウェットで挽回をして上位に食い込んだりといったドラマチックな展開となった。
クラスによっては、1位と2位のタイム差が1/100秒台となるものもあり、表彰式では参加者から「エアコンの調子がよくなかったので前があまり見えなかった(から雨でのタイムが落ちた)」「僕のはエアコンを装着していたので勝てた」など、さまざまなコメントが聞かれた。ウェット路面への対策が結果に影響していたようだった。
表彰式の総評において、競技委員長の大井氏は「みなさんのレベルが高くてビックリした。結果として1/100秒台のバトルとなるクラスもあり、ドライ、ウェット両面でDIREZZAタイヤのよさを実証できたと思う」と述べ、広島や名古屋など天候の悪化している西から来た参加者も多かったことから、帰り道に気をつけてほしいと結んだ。
第2戦の結果速報は、「DUNLOP DIREZZA CHALLENGE 2010」のWebサイトにアップされており、タイムや結果に興味のある方はそちらを参照してほしい。また、第3戦、第4戦の参加申込みも同Webサイトで受け付けている。すでにキャンセル待ちとなっているクラスもあるが、サーキットのタイムアタックイベントに参加することで、自分の現在の実力が全国的にどのレベルにあるのか知ることができる。サーキットを走行したことがないという人は、10月16日に福井県のタカスサーキットで行われるサーキットレッスンに参加するのがよいだろう。サーキットレッスンの空きは、まだあるようだ。
(編集部:谷川 潔)
2010年 5月 26日