ホンダ、新型「フリード スパイク」の発表会
コンパクトなボディーに高く、広く、大きいカーゴスペースを実現

開発責任者 安木茂宏氏と新型フリードスパイク

2010年7月8日開催



 本田技研工業は7月8日、7月9日に発売する新型コンパクトハイトワゴン「フリード スパイク」の発表会を東京都港区の本社で開催した。

 フリード スパイクの詳細は関連記事に詳しいが、“可能性搭載コンパクト”をキーワードに、4210×1695×1715mm(全長×全幅×全高)というコンパクトサイズのボディーながら、低床・低重心技術によって広い室内空間を実現するとともに、390mmという低い床面地上高と両側スライドドアによって優れた乗降性を特徴とする。C、G、G・ジャストセレクション、Gエアロ、Giエアロの5タイプで、Giエアロを除く4タイプに2WD車(FF)と4WD車を設定する。

 エンジンは全タイプとも直列4気筒 SOHC 1.5リッターで、最高出力は87kW(116PS)/6600rpm、最大トルクは144Nm(14.7kgm)/4800rpm。10・15モード燃費は2WD車が16.4km/L、4WD車が14.0km/Lとなり、FF車はエコカー減税(環境対応車普及促進税制)により自動車取得税と自動車重量税が75%減税される。

新型フリードスパイクのエクステリアはアクティブに使える機能性を表現。リアクォーターパネルやブラックアウトしたピラーガーニッシュ、リアコンビネーションランプでタフさと個性をアピールするFF車のC、Gグレードが標準装備する185/70 R14サイズのタイヤ
直列4気筒 SOHC 1.5リッターエンジンC、Gグレードはハロゲンヘッドライトを標準装備。そのほかはディスチャージヘッドライトとなるブラックアウトしたリアコンビネーションランプ
インテリアカラーはブラックのみの設定ステアリングはオーディオ操作スイッチなどのない一般的なものトランスミッションはFF車がCVT、4WD車が5速AT
7インチワイドディスプレイのHonda HDDインターナビシステムはGiエアロに標準装備で、そのほかはオプション設定となるがCには設定されないフロントウインドー寄りにレイアウトされたアウトホイールメーターエアコン操作パネル
インストゥルメントパネルと一体型のドリンクホルダー運転席はアームレスト付き
2列目シートはワンタッチでダイブダウンする6:4分割可倒式。最大で2015mmの荷室長まで拡大できる。ラゲッジルームに敷かれるのは反転フロアボード
フロアボードを反転させたスロープモードの状態簡単に開閉できるビルトインテーブル
リアサイドポケットは両側に設けられるテールゲートの後方視覚支援ミラーは後退時に便利な装備。Giエアロ以外のグレードに標準装備されるが、G、GエアロでHonda HDDインターナビシステムを装着するとリアカメラが装着されるので装備されない

フリード スパイク 開発責任者 安木茂宏氏

 発表会ではフリード スパイクの開発責任者である安木茂宏氏が商品説明を行った。

 フリード スパイクは、初代モビリオ スパイクの開発テーマである「走るベース基地」の要素を継承するとともに、フリードの特徴であるコンパクト性、実用性を重視し、趣味や遊びを気軽に楽しむユーザーに向けて開発されたモデル。開発時のキーワードは「いつもと違う時間を楽しめる」「自分らしさを表現できる」「毎日の生活に使える」の3点。

 エクステリアのコンセプトは「Functionally Dynamic」とし、アクティブに使えて機能を主張するデザインに仕上げたと言う。インテリアは「背高の荷物が積める」「大人がまっすぐ寝られる」「荷室がしっかり使える」ことを実現するため、「ダイブダウンリアシート」「リアサイドユーティリティ」「反転フロアボード」という3つのこだわり機能を搭載。これらの機能によって「コンパクトなボディーに高く、広く、大きいカーゴスペースを実現した」(安木氏)と言う。

 通常の荷室長は925mmだが、分割可倒式のリアシートを倒すことで2015mmまで拡大でき、「後席のシートバックを倒すことで“フルフラットモード”にでき、これは大人が寝そべられるサイズ」と言う。

 ラゲッジルームには樹脂材とアルミ材で構成する「反転フロアボード」と呼ばれる新発想の機構を備え、フロアボードを反転させれば1段低いフロアに様変わりする“フルスロープモード”にでき、26インチサイズの自転車などをなんなく積載できると言う。フロアボードもリアシート同様6:4に分割され、重さは4.7kg、2.7kg。耐荷重は100kgとした。反転は手動で行うが、グリップ付きなので女性でも簡単に持ち上げることができる。さらに長尺物と背の高い荷物を同時に搭載できる片側スロープモードも用意するとし、反転フロアボードの持つユーティリティ性をアピールした。

「走るベース基地」の要素を初代モデルから継承しながらコンパクト性、実用性を重視開発時のキーワードは「いつもと違う時間を楽しめる」「自分らしさを表現できる」「毎日の生活に使える」エクステリアのコンセプトは「Functionally Dynamic」
「ダイブダウンリアシート」「リアサイドユーティリティ」「反転フロアボード」の3つのこだわりを搭載した荷室長は2015mmまで拡大可能フルフラットモードでは大人が寝そべられる
フルスロープモードでは26インチサイズの自転車を2台積める片側スロープモード反転フロアボードの特徴。耐荷重は100kg

 安全技術面では新開発の「後方視覚支援ミラー」について紹介した。これは室内側のハイマウント・ストップランプ下側に位置するミラーで、黄色の補助線によっておおよその車幅と自車と対象物の位置関係を把握できるもので、「凹凸面鏡を採用することで、リアビューカメラのような正立像を約2.5m後方の範囲で映し出す」「クルマの真後ろを容易に確認できる」と、その特徴を述べた。

 安木氏は「新型フリード スパイクは日常の中でもう1つのライフスタイルを生み出す、言わば“Another Lifestyle Creator”であり、さまざまなお客様の可能性を広げてくれると信じている」と述べるとともに、ライフスタイルの提案としてアシックス、コールマン ジャパンとコラボレーションした共同キャンペーンを実施すると発表。

 共同キャンペーンでは、「ライトアクティブ」なライフスタイルに合わせた商品を展開している企業とキャラバンカーを共同製作し、多彩なアレンジが可能なフリード スパイクの室内空間をアピールしていく。このキャラバンカーを通じて「フリード スパイクが持つさまざまな可能性を感じていただきたい」と、安木氏は述べた。

後方視覚支援ミラーはリアビューカメラのような正立像を約2.5m後方の範囲で映し出す新型フリード スパイクはAnother Lifestyle Creatorアシックス、コールマン ジャパンと共同でキャンペーンを実施する

 アシックスのキャラバンカーは、ランニングを旅先でも快適に行える「旅先ランニング」を具現化したもので、ラゲッジルームを利用した着替えが可能なロッカー、テールゲートを利用したシャワーユニット、反転フロアボードのスペースを活用したシューズケースなどの機能を持つ。

 コールマン ジャパンのキャラバンカーは、リビングのような空間を自然の中で楽しめる「青空リビング」と、出かけた先でも気軽に料理を楽しめる「寄り道クッキング」を具現化。テールゲートを利用し、リビングスペースを作り出すテールゲートタープや、フラットなフロアを利用したインナーマットなどを装備する。

 なお、この2台のキャラバンカーは今後実施されるさまざまなイベントで展示される。キャンペーン情報の詳細は、ホンダの公式Webサイトで順次公開していく。

アシックスのキャラバンカーは着替えができるロッカー、テールゲートを利用したシャワーユニットなどを搭載する青空リビングと寄り道クッキングを具現化したコールマン ジャパンのキャラバンカー

(編集部:小林 隆)
2010年 7月 8日