アウディ ジャパン、大貫妙子&坂本龍一ツアーのカーボンをオフセット 「EVの音をデザインしたい」 |
アウディ ジャパンは7月26日、坂本龍一氏のコンサートツアーに、カーボンオフセット・スポンサーとして協賛すると発表した。同日、東京 表参道のアウディ フォーラム 東京で発表記者会見を開催し、坂本氏とアウディ ジャパンのドミニク・ベッシュ社長が出席した。合わせて、この秋に発売されるR8スパイダーのCMソングを坂本氏が作曲したことも発表された。
同社は2009年にも、坂本氏の欧州ツアーでカーボンオフセット・スポンサーとなり、30tのオフセットを負担した。今回は11月から12月にかけて行われる「大貫妙子&坂本龍一 UTAU」ツアーで排出されるCO2をオフセットする。
オフセット量は50t。坂本氏が代表を務める団体モア・トゥリーズを通じ、植林などを通じてツアーでのCO2排出をオフセットする。
ベッシュ社長は「アウディはプレミアム輸入車市場でもっともCO2排出量が少ないブランド。しかしCO2だけでなく、トータル・エフィシエンシー(総合的な効率)の考え方が必要だ。坂本氏とアウディは同じ価値観を共有している」と、カーボンオフセット・スポンサーとなった動機を説明。
坂本氏はこれを受け「モア・トゥリーズを使ってのオフセットに踏み込んでいただいて、喜んでいる。森を使ったオフセットは世界的にもあまりないが、モア・トゥリーズでは予想を超えて日本に7カ所、フィリピンに1カ所の森が誕生している。オフセットのムードが高まっているのは嬉しい」と述べた。
坂本龍一氏 | R8スパイダーのCMの1コマ |
R8スパイダーのCM曲は、タイトルが「音羽」(おとわ)。命名の理由は坂本氏によれば「日本語の古い語感だが、“音の羽根”という意味があり、“音が飛ぶ”につながる。スピード感と軽い感じ、優雅な感じを出したかった」。タイトルどおりR8スパイダーの「スピードを感じさせつつ、しかし優雅な曲線」が曲のインスピレーションになったとのことで、音とスピードをどう融合させるかを考えたと言う。
「CMで流れるのは短いが、本当は1分くらいのバージョンがあり、自分でも気に入っている。本当は3~4分に長くして、歌を入れてシングルにしたいくらい」と愛着のほどを語った。
ベッシュ社長は「R8は私たちのアイコンであり、洗練性を凝縮したモデル。先進的で偉大なミュージシャンに、R8の特徴を音楽で表現していただいたのは光栄」と述べた。
活動拠点の米国ニューヨークで、プライベートで黒のA6アバントを発注したという坂本氏。「危機的な状況にあるとき、どう技術力で未来を切り開くか。アウディには電気自動車(EV)やハイブリッド車で僕らをビックリさせてほしい」とアウディへの期待を表し、「EVは音が出ないから、音のデザインもしてみたい。車の存在を知らしめつつ不快でない音。“今日はここに行くから、こんな音にしよう”と音を選べるといい」と語った。
会場に展示されたR8スパイダー | ||
ソフトトップはエンジンベイの上に収納される | ||
R8スパイダーのコクピット。6速MTのシフトレバーの後ろに、ソフトトップの開閉スイッチがある |
(編集部:田中真一郎)
2010年 7月 26日