J.D.パワー、2010年日本軽自動車初期品質調査 もっとも不具合指摘が少なかったのはスズキ ラパン |
J.D.パワー アジア・パシフィックは8月31日、2010年日本軽自動車初期品質調査(IQS:Initial Quality Study)の結果を発表した。調査対象は、2009年10月~2010年3月に軽自動車を新車で購入したユーザーで、購入してから2~7カ月経過した車両の初期品質を調査したもの。2010年5月に郵送調査を実施し、3812人から回答を得ている。
同調査では、「壊れる」「動かない」など製造に起因する「製造不具合」と、「使い勝手がわるい」など設計に起因する「設計不具合」の2つのカテゴリーを設け、合計222の不具合指摘項目から実際に経験したものをユーザーに指摘してもらったもの。100台あたりの不具合指摘件数として算出しており、単位はPP100(Problems per 100 Vehicles)で、数値が小さいほど不具合の指摘が少なく、品質がよいことを示している。
その結果、総合スコアの業界平均は105PP100となり、昨年の118PP100から13ポイント減少。「外装分野」と「空調分野」の不具合指摘件数が目立って減少したと言う。
減少傾向は2007年以降に見られるもので、業界全体で継続的な品質改善が行われた結果としている。とくに2007年から2009年まで不具合指摘件数が1位と2位だった「エアコン使用時のエンジンパワー不足」と「燃費が悪すぎる」の不具合指摘は3年連続で減少しており、前者は2007年の9.3PP100から6.1PP100に、後者は2007年の5.3PP100から2.9PP100にそれぞれ減少した。
その一方で、増加傾向にあるのが「AT/CVT:変速中のもたつき/遅れ」。今回の調査結果ではAT車で1.7PP100、CVT車で5.1PP100だったことから、とくにCVT車の改善が必要だとしている。
今回調査を行った軽自動車ユーザーのうち、不具合を経験しなかったユーザーの20.7%が購入車の品質を「最高によい」と評価しているが、不具合を1件でも経験すると7.8%まで減少したと言う。この不具合件数が増えるほど、同じメーカーのモデルを再度購入する意欲や知人などに購入モデルを推奨する意欲が低下することにつながるため、「不具合のない商品作りは重要な要素」としたほか、近年は製造不具合よりも設計不具合のほうが増加傾向にあることから、「今後はユーザーの使用感や嗜好にも配慮した魅力的な商品を開発し、高いトータル品質を提供することが重要」と結論づけている。
なお、不具合指摘件数の少なかった車種をランキングで発表しており、1位はスズキ「ラパン」(81PP100)、2位はスズキ「ワゴンR」(86PP100)。以下、ダイハツ「ミラ」とマツダ「AZ-ワゴン」が同率の93PP100で続いた。
メーカー別では1位がマツダ(80PP100)、2位がスズキ(94PP100)、3位はホンダ、三菱、スバルが同率で101PP100、6位が日産(103PP100)となり、この6メーカーが業界平均を下回る不具合指摘件数になった。
(編集部:小林 隆)
2010年 8月 31日