J.D. パワー、市販カーナビの顧客満足度
据え置き型はパイオニア サイバーナビ、PNDはソニー ナブ・ユー

2010年10月7日発表



 J.D. パワー アジア・パシフィックは10月7日、「2010年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査 市販 据え置き型ナビ/PNDセグメント」の結果を発表した。

 同調査は、市販ブランドのカーナビに関する顧客満足度を調べたもので、検索・案内機能だけでなく、音楽・映像機能、通信を利用したサービスなど、車載情報機器としての評価を幅広く測定している。

 今年で4回目となる市販カーナビ調査は、2008年4月から2010年3月の間に市販カーナビを購入した利用者を対象に、2010年7月にインターネット調査を実施。据え置き型カーナビは2397人、PND(Personal Navigation Device)は1818人から回答を得ている。

 同調査では、カーナビの総合的な満足度を複数の要因の影響度を加味して測定。据え置き型ナビの満足度は、「サービスサポート」(カーナビのカタログやメーカーWebサイト、または購入店舗から得られる各種情報)、「ドライビングサポート」(目的地検索やルート案内、地図情報などカーナビの基本機能)、「カーライフサポート」(音楽・映像再生機能、盗難や車両故障に対するサポート、パソコンや携帯電話との連携機能)、「コスト」の4つのファクターで構成。PNDも同様だが、それぞれのファクターの構成比を変更しており、総合満足度スコアは、これらの同社が独自に重み付けをしたファクターにおける複数の詳細項目に対する顧客の評価を基に算出している。

総合満足度を構成するファクター。左が据え置き型、右がPND。ファクターの構成比を、据え置き型とPNDでは変更している(出展:J.D. パワー アジア・パシフィック)

 据え置き型ナビの顧客満足度ランキングでは、対象となった6ブランド中、パイオニア カロッツェリア サイバーナビが589ポイントと3年連続1位。サイバーナビは、ドライビングサポートで業界平均を45ポイントと大きく上回るトップ評価となっており、ナビ機能の完成度の高さがうかがえると言う。2位はアルパイン X シリーズ、3位はパイオニア カロッツェリア 楽ナビとなっている。

 PNDのランキングでは、対象となった5ブランド中、ソニー ナブ・ユーが538ポイントで2年連続1位。ファクター別満足度では、特に、音楽・映像などの評価を含むカーライフサポートの改善が顕著でトップ評価を得ていると言う。2位は三洋電機 ゴリラ、3位は同じく三洋電機のゴリラ Liteとなっている。

ブランド別ランキング。左が据え置き型、右がPND(出展:J.D. パワー アジア・パシフィック)

据え置き型カーナビでも低価格帯のメモリーカーナビが伸びる可能性
 今回初めて据え置き型のメモリーカーナビに関しても調査が行われており、その構成比は、メモリーカーナビ15%、HDDカーナビ85%になっている。

 メモリーカーナビのユーザーは、HDDカーナビに比べ、性別、年代や車の利用頻度、車載カーナビの利用頻度といったユーザー属性に差異は見られないと言う。ただし、カーナビの選定理由では、価格を重視する一方、TV機能や地図表示方法、渋滞を加味したルート設定など高機能に対する志向は低く、メモリーナビに、HDDナビ程の性能はなくてもよいという顧客ニーズを取り込めていることがうかがえるとしている。

(編集部:谷川 潔)
2010年 10月 7日