7割が好きな「新車のニオイ」には、健康被害の可能性も
ボルボ・カーズ・ジャパン調べより

ボルボで新車のニオイを試験する「ノーズチーム」

2010年10月25日



 ボルボ・カーズ・ジャパンは10月25日、新車のニオイについての意識調査の結果を発表した。

 調査対象は全国の過去に新車を購入したことがある人で、20代~50代の各年代、各性別の100名ずつ、計800名。10月7日、8日にインターネットで調査した。

 このうち80%が、「新車を購入したことを実感する」のは「新車のニオイがしたとき」で、22%が新車のニオイを「とても好き」、50.3%が「どちらかと言えば好き」と答えており、新車のニオイをかぐと「新鮮な気持ちになる、どこかに出かけたい気分」「新車を買ったという充実感や満足を感じる」「優越感にひたれる」「嬉しい。ずっと残しておきたいイイ匂い」と、大半が新車のニオイに肯定的であることが分かる。

 しかし、新車のニオイにはインテリアの素材や接着剤から揮発した化学物質が含まれており、なかにはホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、フタル酸などの有害な物があるということは65.1%が知らなかった。

 新築住宅で化学物質により体調を悪くする「シックハウス症候群」が問題になったが、新車でも同じように「シックカー症候群」がある。シックハウス症候群は86.4%が知っているのに対し、シックカー症候群を知っている人はわずか11.7%にとどまった。

ボルボによる調査結果

 シックカー症候群問題に対し、日本自動車工業会は「車室内VOC低減に対する自主取り組み」を策定、各自動車メーカーに推進を求めている。

 調査をしたボルボは全車種で、繊維製品の安全基準「エコテックススタンダード100」認証を受けた特定のアレルギー物質を含まない製品を使用し、有害化学物質をできる限りインテリアに使用せず、開発時には車内のニオイを判定する「ノーズチーム」が使用する部品の合否を判定し、真夏の炎天下での車内環境を試験する「サンシミュレーション」といったシックカー症候群対策を講じている。

 またそれでも微量に発生する有害化学物質を除去する、自動換気システムをオプションで用意している。

サンシミュレーション自動換気システム車外からの有害なガスの侵入を防ぐアクティブキャビンフィルター

(編集部:田中真一郎)
2010年 10月 26日