光岡自動車、新型「我流」を発表
日産ティアナベースのクラシックスタイルカー

光岡自動車の取締役副社長 河村賢整氏(左)、デザイン部門 総責任者兼工場長代行の青木孝憲氏(右)と新型「我流」

2010年11月12日発売
368万円~528万4000円



 光岡自動車は11月11日、都内において新型フラッグシップセダン「我流」(ガリュー)を発表した。発売は11月12日で、価格は368万円~528万4000円。月間5~10台程度の受注を目指す。

グレードエンジン変速機駆動方式価格
25STV型6気筒DOHC 2.5リッターCVT2WD(FF)368万円
直列4気筒DOHC 2.5リッター4WD392万6000円
25DXV型6気筒DOHC 2.5リッター2WD(FF)395万4000円
直列4気筒DOHC 2.5リッター4WD419万円
25LXV型6気筒DOHC 2.5リッター2WD(FF)458万円
35LXV型6気筒DOHC 3.5リッターCVT(6速マニュアルモード付き)528万4000円
アンヴェールされた我流

 先代我流は後輪駆動の日産「フーガ」をベースにしていたが、新型我流は前輪駆動の日産「ティアナ」をベースに、独自のクラシックスタイルに仕立てた。

 我流のネーミングには「自分独自の流儀」との意味が込められ、常識や世間体に流されず、不動の人生観や価値観を持つというコンセプトの元で開発が行われた。ほかの光岡モデルと同じく受注生産方式をとり、職人が1台1台手作業で製造する。

 我流の最大の特徴は、従来モデルから脈々と引き継がれてきた神殿をイメージした押し出しの強いグリルと、丸型ヘッドライトを採用したフロントフェイス。ボンネットやフェンダー、バンパーなどはFRP製となる。また、リアまわりもベース車とは異なる意匠が与えられており、ブレーキランプはフィアット「500(チンクエチェント)」のものを採用した。

 インテリアはベース車からの変更点はほとんどなく、ステアリングホイールに「MITSUOKA」のロゴが与えられる程度。これはティアナのインテリアがユーザーから好評であることのほか、販売価格を抑えるため。

 グレードは25ST、25DX、25LX、35LXの4モデル。25ST、25DXには4WD車も設定される。

 エンジンは、25ST、25DX、25LXの2WD車は最高出力136kW(185PS)/6000rpm、最大トルク232Nm(23.7kgm)/4400rpmを発生するV型6気筒DOHC 2.5リッターで、35LXのみ最高出力185kW(252PS)/6000rpm、最大トルク335Nm(34.2kgm)/4400rpmを発生するV型6気筒DOHC 3.5リッターを搭載。25ST、25DXの4WD車は最高出力123kW(167PS)/5600rpm、最大トルク240Nm(24.5kgm)/4000rpmを発生する直列4気筒DOHC 2.5リッターを搭載する。

 ボディーサイズは4980×1795×1475(2WD)~1500(4WD)mm(全長×全幅×全高)で、ティアナと比較して全長のみ130mm長くなるスペックとなる。

フロントまわりの意匠が特徴となる我流
リアピラー付近に車名入りのバッヂがつくリアまわりはメッキのアクセントが入るテールレンズはフィアット500のものを採用した
V型6気筒DOHC 2.5リッターエンジン25DX、25STは205/65 R16サイズのタイヤを履く。25LXと35LXは215/55 R17
ステアリングに「MITSUOKA」のロゴが入る程度で、インテリアはベース車との違いはほとんどない

 発表会では、光岡自動車 取締役副社長 河村賢整氏と、デザイン部門 総責任者兼工場長代行の青木孝憲氏が登壇。

 新型我流について青木氏は、「神殿を思わせるグリルなどが“しっとり感”と“クラシックテイスト”を醸し出す。エンブレムなど小物の使い方にも気を使い、色気や雰囲気を大事にしてデザインした」と説明するとともに、「我流には手作りならではの物作りの信念がある。少量の生産台数ではあるが、真心を込めて作っている」と述べ、大手の自動車メーカーとは異なり少ない人数で生産しているものの、その分仕立てのよさ、風合いを大切にしていることなど、手作業ならではの特徴点について紹介した。

 青木氏は我流のデザインについて「僕たちが乗りたいと思うクルマを作っている。ベースとなるモデルをいかに分からないようにするのがデザインキーだが、そのベースモデルのデザインをうまく活かしながら、そして殺しながらデザインをしている」と紹介。また、後輪駆動のフーガから前輪駆動のティアナに変更しているが、デザイン面で苦労した点は特になかったと言う。

 なお、テールランプにフィアット500のテールレンズを採用したことについて伺ったところ、「フロントデザインが濃い分、リアはあっさりさせたかったので採用した」のだそう。

デザイン部門 総責任者兼工場長代行の青木孝憲氏河村取締役副社長は、今年から新たに海外事業(タイ)を開始したことを述べるとともに、来年に中国 北京市にショールームを開くことを紹介

(編集部:小林 隆)
2010年 11月 11日