三菱自動車ら3社、スマートグリッド関連システムの開発に着手 |
三菱自動車工業、三菱商事、三菱電機の3社は12月2日、電気自動車(EV)に搭載した蓄電池を有効活用するスマートグリッド関連システムの開発を、共同で行うと発表した。
3社はこれまで、EVに搭載された蓄電池を有効活用するためのシステムと、必要な要素技術の研究開発に取り組んできた。その一環として、NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)の共同研究事業「蓄電複合システム化技術開発」に応募し、8月24日に採択を受けたことから、共同研究の契約締結に至った。今後は、東京工業大学の指導を受けながら開発を進めることになる。共同研究で取り組まれる課題は以下の3つ。
・需要側のEMS用蓄電池技術の開発
・当該蓄電技術を用いたEMS(Energy Management System)の実証
・国際展開を視野に入れたシステム化としての評価技術、規格標準化等推進
今回行われる共同研究開発では、三菱自動車が持つ名古屋製作所に、太陽光発電システムとEV、EVから回収したリユース蓄電池を設置。太陽光を活用して名古屋製作所に電力を供給するとともに、EVとリユース蓄電池に蓄えられた電力を必要に応じて充放電し、同製作所のエネルギー収支を最適化させるEMSの開発と検証を行っていく。
また、EVの蓄電池を電力源として使用するにあたり、EVでの利用に支障なく、さらに電力供給制御にも活用できるよう、充放電可能量を最適化するEIS(Electric Vehicle Integration System)技術の開発も平行して行うと言う。
これらの装置や設備については順次開発・研究を行っていき、来年度下期以降から本格運用を開始していく予定。3社は同研究開発の事業化について早期に結論を出し、新興国を中心としたスマートグリッド整備事業に結びつけていきたいとしている。
(編集部:小林 隆)
2010年 12月 2日