2020年EV生産台数は131倍に拡大、富士キメラ総研調べより
HVは1モーターシステムの比率が高まる

2010年11月9日発刊
9万9750円



 富士キメラ総研は12月17日、「車載電装デバイス&コンポーネンツ Select 2011(下巻:HEV/EV関連デバイス・ネクスト車載デバイス編)」について発表した。

 2020年までの世界の自動車用電装システムの動向を調査・分析したもの。上巻については11月26日に発表している(関連記事参照)。

 下巻はハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)関連デバイスと、今後期待される車載デバイスと次世代技術をテーマとした。

 2010年見込2015年予測2020年予測10年比
HV97万2000台350万5000台735万台7.6倍
EV1万3000台53万台170万5000台131.2倍
FCV僅少1000台8000台8倍(15年比)
次世代自動車合計98万5000台403万6000台906万3000台9.2倍
自動車合計6882万台9232万台1億600万台154.0%
次世代自動車シェア1.4%4.4%8.6% 

 これによると、2020年の自動車生産台数は1億600万台で、2010年比154%に拡大。うちHVが735万台(2010年比7.6倍)、EVが170万5000台(2010年比131.2倍)、燃料電池車(FCV)が8000台(2015年比8倍)。HV、EV、FCVを合わせると、2020年には2010年比で9.2倍となり、自動車生産の8.6%に及ぶ。

 これにともないHV/EV関連デバイス市場も、2020年には2010年の10.9倍、1兆9787億円に成長。うち、8605億円(649.5万台)と非常に大きな部分をリチウムイオン電池が占める。

 また駆動/発電用モーターは、2002年には2010年比6.8倍の、6880億円(1258万基)の市場となる。現在は2モーターHVが主流で、モーターの生産基数はHV台数の2倍程度となっているが、将来はマイルドHVの伸長や、ストロングHVの1モーター化が進み、1モーターHVの比率が高まると見る。

 このほか、EVやプラグインHV用の充電システムは、2020年には2010年比24.9倍の1445億円、8万基に拡大する。

 なお日本はHV/EV生産の中心であり、2010年は世界の83%、1498億円を占めるが、2020年でも40%強、8125億円を維持する。

 次世代車載デバイスは、通信・ネットワーク、エネルギー関連、ディスプレイ・インターフェイス、パワーデバイス・半導体関連、次世代テクノロジーを対象としており、2010年の1750億円から、2020年には4.8倍の8327億円と予測。

 現在はインフォテインメント系のシステム開発よりも、燃費や環境技術と、低コスト生産技術が優先されている。安全や快適のためのバイオメトリクス、飲酒運転防止システム、居眠り運転防止システム、路車間/車車間通信、ジェスチャーインターフェースなども優先順位が低く、2020年までの搭載の可能性は低いと見ている。

(編集部:田中真一郎)
2010年 12月 17日