ケンウッド、2DIN 7V型ワイドメモリーカーナビ「MDV-727DT」「MDV-626DT」
コンセプトは“彩速カーナビ”。地図更新はインクリメントPが担当

MDV-727DT

2011年2月上旬発売
オープンプライス



 ケンウッド(JVC・ケンウッド・ホールディングス)は、2DIN 7V型ワイドメモリーカーナビ「MDV-727DT」「MDV-626DT」の2機種を2月上旬に発売する。価格はいずれもオープンプライスで、店頭予想価格は、MDV-727DTが15万円前後、MDV-626DTが13万円前後。

MDV-727DTMDV-727DTのフラップオープン時。オープン角度はディスク挿入時とフルオープンの2段階MDV-626DT

品名型番発売時期店頭予想価格
地上デジタル TVチューナー内蔵
7V型タッチパネルDVD/USB/SD
AV カーナビゲーションシステム
MDV-727DT2月上旬15万円前後
MDV-626DT13万円前後

 MDV-727DT、MDV-626DTいずれも7V型WVGA液晶(800×480ピクセル)を搭載する12セグ/ワンセグチューナー搭載2DINカーナビ。MDV-727DTとMDV-626DTの違いは、搭載チューナー数とBluetooth機能の有無のみ。MDV-727DTでは4チューナー×4アンテナに対し、MDV-626DTは2チューナー×2アンテナとなり、MDV-727DTのみBluetooth接続機能を搭載する。

 地図機能や基本的なAV機能に違いはなく、地図データにはインクリメントPのものを採用。メモリーカーナビとしては最大の16GB SSDを搭載し、ケンウッド独自のデータ圧縮技術「S3フォーマット」により、HDDカーナビと遜色のない地図データを収録できたとする。

 AV機能としては、12セグ/ワンセグチューナーを搭載。音楽CDやDVD-Videoなどの再生が可能なほか、CD/DVDの書き換え型メディアにも対応。USBデバイスや最大32GBのSDHCカードの利用が可能で、音楽ファイルはMP3/WMA/AAC/WAV/FLAC、動画ファイルはMPEG-4/H.264/WMVが利用できる。

 iPhone/iPodにも対応し、別売の接続ケーブル「KCA-iP302」(3150円)を用いることで、1Aの大容量充電が可能。iPhone/iPod接続時に、iPhone/iPod側からコントロール可能な「コントロールハンドモード」を搭載している。

 アンプ部は50W×4chのMOS FETアンプを搭載。車の形状にあわせて音質補正が行える「音質カスタマイズ機能」を持つほか、5バンドのグラフィックイコライザー、タイムアライメント機能など各種の音質調整機能を装備する。

 サイズは両機種とも、180×185×100(幅×奥行き×高さ)。重量は、MDV-727DTが2980g、MDV-626DTが2960g。

フル画面のほか、ピクチャー イン ピクチャーで地デジを見ることができるiPhone/iPodのジャケットデータ表示に対応メインメニュー画面。SSDのため、高速に動作する
ランボルギーニ ガヤルドを使ったデモカー展示ガヤルドのセンターコンソールに収まるMDV-727DT

 ケンウッドは1月11日、この2機種に関する発表会を開催し、その製品背景についての説明などを行った。

コンセプトは“彩速カーナビ”
 ケンウッドは現在日本ビクターとともにJVC・ケンウッド・ホールディングス傘下にあり、カーナビなどの製品はケンウッドと日本ビクターの事業を統合したJ&Kカーエレクトロニクス(以下、JKCE)によって開発・製造が行われている。

 そのため製品背景については、J&Kカーエレクトロニクス 取締役 技術本部長 阿部重徳氏から説明が行われた。阿部氏は経営統合後の開発体制に触れた後、米国の固定型カーナビシェアで40.6%を獲得したと言い、国内のカーナビシェアでは苦戦しているものの、2010年に発売したメモリーカーナビ「MDV-313」が1機種で3.5%のシェアを獲得。2011年は、MDV-727DTとMDV-626DTを追加することで、10%のシェアを目指すと言う。

 そのコンセプトは“彩速カーナビ”で、“彩”は地デジチューナー、白色LEDバックライト搭載7V型WVGA液晶による「画面の見やすさ」を表し、“速”はクラス最大となる16GB SSD搭載による「レスポンスの速さ」を表す。

 その詳細について語ったJKCE 市販第一営業統括部 商品企画部の渋谷英治氏は、「カーナビは機能・性能を追求する時代から、スマートフォンなどと同様に感性(性能)を訴求する時代になった」と言い、買い換え需要などを考慮し、価格と性能のバランスが大切だとする。

 そこで大切になるのが“彩”と“速”で、美しい画面表示とVGAモデルとしてトップクラスのレスポンスにより、利用者の感性に訴えかけていくと言う。

J&Kカーエレクトロニクス 取締役 技術本部長 阿部重徳氏JKCEの組織体制米国固定型ナビでのシェア推移
2010年に投入したメモリーカーナビ MDV-313MDV-727DTとMDV-626DTの投入でシェア10%を目指す両機種のコンセプト。“彩”と“速”
J&Kカーエレクトロニクス 市販第一営業統括部 商品企画部の渋谷英治氏感性の領域が大切だとするMDV-727DTとMDV-626DTの2機種
“彩”は白色LEDバックライト搭載7V型WVGA液晶など“速”は16GB SSDや独自の最適化によって実現東京オートサロン 2011に新製品を出展。“彩速ガールズ”が会場を盛り上げる

インクリメントPが提供する地図更新プログラム「KENWOOD MapFan Cub」

地図更新はインクリメントPが「KENWOOD MapFan Cub」でサポート
 このMDV-727DT、MDV-626DTでは、地図データを提供するインクリメントPが地図更新サービスプログラム「KENWOOD MapFan Cub」によって、最新地図を提供していく。これは、携帯電話向け地図サービス「ケータイ MapFan」(月額315円)の12カ月連続利用、またはインターネット地図ソフト「MapFan.net」(初回年額2079円、以降継続利用年額1733円)の継続利用で、年間1回カーナビ用の地図更新データのダウンロードを「ケータイ MapFan」は無償で、「MapFan.net」は2000円で行えるもの。

 これまでの地図更新は、毎年2万5000円程度の料金がかかったが、このサービスを利用することで、これまでの1回分の料金で5年間最新の地図に更新することとができると言う。1年間継続利用後に最新の地図データをダウンロードできる権利が発生するため、製品の購入時期と地図更新のタイミングが気になるところだが、地図更新料の低減の新たな取り組みとなる。


(編集部:谷川 潔)
2011年 1月 11日