フォルクスワーゲン、2011年はミニバンと上級モデルを強化
東京モーターショーに2台の新型車を出展

ドリザス社長(左)。右は新型トゥアレグの開発責任者である独フォルクスワーゲンのヨーヘン・ボーレ氏

2011年1月19日発表



 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは1月19日、新型「トゥアレグ」発表会で、2011年の日本市場での戦略を発表。この中で、2011年の東京モーターショーに出展し、新車を発表するとした。

 なお、トゥアレグの詳細と発表会の模様は、追って掲載する。

2011年の重点活動

ミニバンを第2の柱に
 2011年の同社は、製品面ではミニバンと上級セグメントの強化に重点を置く。ミニバンは発売されたばかりの「ゴルフ トゥーラン」と、2月に発売される「シャラン」で、これらをゴルフやポロと並ぶ第2の柱とする狙い。

 上級セグメントは、本日発表されたトゥアレグと、2011年半ばに発売する新型の「パサート」「パサート ヴァリアント」で、これが第3の柱となる。

 東京モーターショーに出展する車両の詳細は明らかにされていないが、プレゼンテーションには「New Model X」「New Model Y」の2台が表示され、Xはセダン、YはSUV風のシルエットが見て取れた。

 また、このところ急速に伸びている認定中古車(GUC)も強化。独本国で展開している中古車ブランド「Das Welt Auto」(世界のクルマ)を導入する。

 さらに環境問題に取り組む姿勢を示す「Think Blue.キャンペーン」を実施。ハイブリッド車やアイドリングストップ車の導入のほか、環境イベントへの協賛や、エコドライブトレーニングなどでの普及活動も行う。

東京モーターショーに2台の新車を出展するミニバンを第2の柱に
認定中古車にも力を入れ、独のブランド「Das Welt Auto」を導入Think Blueキャンペーンでエコドライブトレーニングを実施

オーナーズカードを導入
 サービス面では、「あんしんキャンペーン」と銘打ち、引き続きメンテナンス費用をパッケージにしたプランで、輸入車に対する「心理的なバリアを下げる」(ドリザス社長)ことを目指す。この1つとして、1月1日からは、5年の残価設定ローンに5年分のメンテナンス費用が無償になる「ソリューションズ 5年あんしんパッケージ」を実施している。

 さらに「フォルクスワーゲン オーナーズ パス」を第2四半期に導入する。これはフォルクスワーゲン オーナーに発行されるカードで、オーナーのデータやサービス履歴を記録しておくことで全国のどこの販売店でも適切なサービスを提供できるという仕組み。

 これは販売店とオーナーとの結びつきを強化するツールであり、オーナー専用ページでオーナー自身がサービスの履歴を参照したり、キャンペーン情報などを受け取ることができる。詳細な内容は明らかにされていないが、ポイント制なども検討されている模様だ。

オーナーズパスを導入するあんしんキャンペーンを継続

日本の輸入車の4台に1台がフォルクスワーゲンに
 ゲラシモス・ドリザス社長によれば、2010年の同社の販売台数は、前年比7%増の4万6704台。日本の全乗用車の販売台数は7%増(421万台)、純輸入車市場(日本メーカーの海外生産車を除く)は13%増(15万9000台)だったが、純輸入車における同社のシェアは、前年比21%増の25.9%で、過去最高となった。

 増加要因は、エコカー減税対象車を充実させ、TV CMなどで広く告知したこと、新型「ポロ」への国産車からの乗り換えが7割を超えたこと、初回車検までの定期点検工賃が無償になるサービスなど、アフターサービスを充実させたことを挙げている。

 ちなみに、全世界でのフォルクスワーゲングループの販売台数は過去最高の714万台(13.5%増)。うち、アジア太平洋地域が214万台(38.5%増)、中国が192万台(37.4%増)、インドが5万台(181%増)となっている。またフォルクスワーゲンブランド単独でも、やかり過去最高の450万台(13.9%増)を販売。アジア太平洋地域が165万台(37.6%増)、中国が151万台(35.5%増)となっている。

 なお、2011年の販売目標は5万5000台としている。

2010年のフォルクスワーゲングループジャパンの実績と成功要因
2010年の日本の乗用車市場世界のフォルクスワーゲングループの実績

(編集部:田中真一郎)
2011年 1月 19日