三菱、燃費目標値30km/Lの「三菱 コンセプト グローバル スモール」公開
ジュネーブショーでワールドプレミア

三菱 コンセプト グローバル スモールのデザインを担当した三菱自動車工業 デザイン本部 デザイン推進部 吉峰典彦氏

2011年3月1日公開



 三菱自動車工業は、第81回ジュネーブ国際モーターショー(プレスデー:3月1日~2日、一般公開日:3月3日~13日)において、小型、低価格、低燃費をコンセプトとした「MITSUBISHI Concept Global Small(三菱 コンセプト グローバル スモール)」を公開した。

 三菱 コンセプト グローバル スモールは、大人5名乗車を想定した高効率パッケージを採用した、ワールドワイドに展開する小型乗用車のコンセプトモデル。同社のコンパクトモデル「コルト」の新型と目されるが、車名をそのまま引き継ぐか否かは明らかになっていない。

 エンジン、トランスミッション、シャーシを新開発し、可変バルブタイミング機構MIVECを搭載する1.0~1.2リッターエンジンにCVTを組み合わせるとともに、アイドリングストップ機構やエネルギー回生システムなどにより、10・15モード燃費30km/Lを目標とした。CO2排出量は90g/km台としている。駆動方式は2WD(FF)。

 デザインコンセプトは、最小限の性能を最大限に発揮するとの意味が込められた「THIS IS MORE」と、機能を形にする「FUNCTION&STYLISH」。

 三菱 コンセプト グローバル スモールのデザインを担当した三菱自動車工業 デザイン本部 デザイン推進部 吉峰典彦氏によれば、もっとも特徴的なのはボディーサイド面を従来のモデルよりしぼり込むとともに、ポリカーボネート製のホイールカバーなど、空気の流れをフロントからリアまでコントロールする機能パーツを盛り込み、空力性能の向上を徹底的に図ったことだと言う。現時点でCd値については明らかにされていないものの、「風洞実験ではかなりの成果を挙げている」(吉峰氏)と述べている。

 エクステリアは、コンパクトカーということもありクルマを大きく見せるデザインを意識していると言う。しかし、過剰に大きく見せすぎると「そんな大きなクルマは高いだろうから要らないと、ユーザーから敬遠されてしまう」(吉峰氏)現象が起きるのだそうで、そのせめぎ合いがデザインする際に一番難しいと説明していた。

 ステディモデルということもあり、各所を誇張したデザインとなっているが、三菱 コンセプト グローバル スモールが今後登場する市販モデルの礎であることは間違いない。

 新興国における経済的なニーズと、先進国における低燃費車という2面を両立する三菱 コンセプト グローバル スモールは、2012年3月に稼働を開始するタイ国の新工場での生産を予定している。

 今回の撮影はジュネーブショー前に行ったもので、エクステリアのみの公開となっている。Car Watchでは、引き続きジュネーブショー会場から同モデルを含め、三菱ブースの模様をリポートする。

(編集部:小林 隆)
2011年 3月 1日