NEXCO中日本、女性向け“ハイウェイフード”「ペコリアーノ・デリ」を発売
シリーズ第2弾はガッツリ男性向けの予定

ペコリアーノ・デリの開発&監修メンバー

2011年7月1日発売
330円~390円



 NEXCO中日本(中日本高速道路)管内のSA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)を運営する中日本エクシスは、SA/PAにおいて「新スタイル・ハイウェイフード」と銘打った新製品「ペコリアーノ・デリ」を7月1日に発売する。4月29日から一部が先行販売されていたが、このたび正式発売となった。

 同社は6月30日、都内で記者会見を開き、ペコリアーノ・デリのコンセプトなどを説明した。

5つのSA/PAで6種類のペコリアーノ・デリが発売される

SA/PAで女性が1人でも食べられる
 ペコリアーノ・デリは、同社の女性・若手社員12名で構成するワーキンググループが考案した商品。同グループは2009年に発足し、これまでにも「恋人の聖地」に認定されたSA/PAのオリジナル商品を開発したり、女性向け情報発信ブログ「NEX子HAPPYドライブ」を運営している。また、日本フードアナリスト協会が監修に参加している。

 同ワーキンググループの小田切須美氏はペコリアーノ・デリを「高速道路でこれまでになかった新しい食のスタイルの提案」と説明。やはり同ワーキンググループの山崎幸穂氏は「現在のSA/PAに何が足りないのか、SA/PAでどんなものが食べたいのか、お客様が欲しいものは何かを、私たち女性若手メンバーが追求し、考案したもの」と説明した。

 山崎氏によれば、現在のSA/PAの問題点は「脂っぽい物や肉類中心の食事が多く、カロリーやバランスなどに配慮した女性向けの食事が少ないこと」「女性が1人で周囲を気にせず食事ができる空間や食べ物が少ないこと」。

ペコリアーノ・デリを持つ山崎氏

 これを解決するためにペコリアーノ・デリは、フードコートやレストランで1人で食事をするのは気が引ける、という女性のために「クルマの中や園地でも、どこでも手軽に食べられるように、ワンハンドの形にこだわった」。

 そのため、用意されたメニューはすべて200×50mm(全長×直径)程度の円筒形に収まるよう作られ、それを専用の紙ケースに入れて販売する形となった。紙ケースは食べ進むに従って3段階で切り落とせるようにミシン線が入っている。

 また「地元の食材を使いながら、野菜をふんだんに盛りこんでヘルシーに仕上げ、女性にとっても量が多すぎない適量とした」。さらに「皿で食べるのが定番であるスイーツをワンハンドで気軽に食べられる」というスイーツもラインアップした。

 なおこのコンセプトの商品はシリーズ化されることになっており、第2弾は「このスタイルのままで、男性向けガッツリ系」(小田切氏)のメニューになるという。

ペコリアーノ・デリの紙ケースにはミシン目が入っていて、3段階に切り取れるようになっている。切り取り始めの部分にはクルマの絵が
中の食品はちゃんと底まで包んであって、汁が漏れて手が汚れることもなさそう会場にはなかったが、ペットボトルに吊るせる“輪”の着いたケースも用意する。これで、クルマのドリンクホルダーにペットボトルとともに置いておくことができる

 

写真左はNEXCO中日本のサービスエリア事業チームリーダー 中尾信裕氏。右はワーキンググループの小田切須美氏

地元の食材を活用、カロリーは控えめ
 ペコリアーノ・デリは東名高速、名神高速の5つのSA/PAで販売される。各SA/PAごとに異なるメニューが用意されている。それぞれのメニューを次に紹介していく。


ハマポークロール(港北PA 下り/350円)
 自家製スペアリブソースに漬け込んで炙り焼した横浜ブランドのハマポークと、サンチェ、パプリカ、水菜、チーズ、みつばをトルティーヤで巻いた。PAのカフェコーナーで調理し、できたてを提供する。マンゴーとオレンジのソースが隠し味。野菜の彩りが印象的だが、肉も野菜に埋もれないほど主張、食べ応えがある。

 

富士の国ポークウインナーロール(富士川SA 上下/390円)
 富士山の裾野で育った「富士の国ポーク」の荒挽きウインナーと、きゅうり、パプリカ、カイワレ、レタス、ニンジン、ヤングコーン、わさびマヨネーズソースを巻いたトルティーヤ。こちらもSAの厨房で作る。食べ応え十分で「片手で食べられるけど1食で満足が得られる」という一品。


スシロール~三色姫~(浜名湖SA/380円)
 カリフォルニアロール風に裏巻きした巻き寿司を、ベジタブルシートで巻いたもの。酢飯は地元わさび、三ヶ日みかん、静岡茶の3つの味があり、それぞれほうれん草、にんじん、ライスのシートで巻いてある。つまり3種類のコンビネーションを楽しめるというわけ。巻かれている具材はうなぎ、浜名湖のり、三ヶ日牛のローストビーフ、遠州灘釜あげしらす。記者会見後にはブロガーをまじえて試食会が行われたが、真っ先に売り切れたのがこれ。味つけはあっさりしているが、ご飯のボリューム感で満足できる。


三ケ日みかんレアチーズケーキ(浜名湖SA/350円)
 浜名湖にはスイーツもある。三ヶ日みかんを皮ごと液状化したゼリーと、富士山麓の牧場産低脂肪乳とヨーグルトによるレアチーズケーキをクレープ生地で包んだ。冷凍した状態で販売され、そのままでもアイスクリームのように楽しめるが、解凍してもおいしいと言う。そもそも当初は解凍した状態で販売されるはずだったが、冷凍したほうが食べやすいとのことでこの形になった。カロリーは210kcalで、通常のアイスクリームの3割程度と言う。こちらは3番目に売り切れた。

 

野菜畑のトルティーヤ(上郷SA 上り/330円)
 文字通り大量の野菜と渥美半島豚のスモークベーコンを巻いたトルティーヤ。野菜はすべて愛知県産の旬のもので、季節によって変わる。試食会で提供されたのはルッコラ、アイスプラント、緑と黄色のズッキーニ、人参の葉、グリーンアスパラ、パプリカ、トマトときゅうりのマヨネーズあえ、グリーンリーフ、にんじんスティックという内容。アイスプラントのような珍しい野菜が入っているのも面白い。

 SAのベーカリーで焼くトルティーヤ生地は、全粒粉、ほうれん草、トマト、プレーンの4種類が用意され、さらにソースとしてトマト、紫人参と紫蘇、黄色パプリカと生姜、柚子胡椒とやはり4種類のジュレが選べる。ちなみにジュレはコラーゲン入り。大量の野菜が“溢れる”ルックスのインパクトか、スシロールに次いで売り切れる人気だった。

4種類のジュレソースはかけ放題あふれんばかりの野菜は、うまく食べないとこぼすどんな野菜が入っているかをディスプレイ

 

粉雪よふろうる(ヨーロール)(養老SA 上り/390円)
 乳清、大垣産の卵、ヨモギで作られたロールケーキを、さらに求肥で包んだスイーツ。ロールケーキの中には大垣産の柚子ソースとクリームチーズが巻き込まれている。地元の有名なチーズケーキ専門店が作ってSAに収める。求肥とロールケーキの食感が面白く、柚子がさわやかな和風スイーツだが、大福のように食べ応えがある。これだけ重そうなのにカロリーは200kcal。求肥についた粉がこぼれるのでクルマの中で食べるときは要注意だが、「お土産にしたくなる」という声が試食会で聞かれた。

(編集部:田中真一郎)
2011年 7月 1日