マセラティ ジャパンは7月4日、軽量・ハイパワーの新型クーペ「グラントゥーリズモ MC ストラダーレ」を発売した。価格は2112万5000円で、デリバリーは9月に予定している。

　グラントゥーリズモ MC ストラダーレは、昨年のパリモーターショーで初披露されたモデルで、グラントゥーリズモ Sをベースとする2シータークーペ。車名のMCはモータースポーツ部門「マセラティ コルセ（MC）」をあらわし、同社のモータースポーツ活動で培った最先端技術を結集させたと言う。

　エクステリアは「MC12 コルセ」にインスパイアを受け流線的なスタイルとしたほか、フロントウイングのダクト、フロントスポイラー、サイドスカートといったエアロダイナミクスの最適化により、200km/h走行時のダウンフォース量はグラントゥーリズモ Sよりもフロント部で25％、リア部で50％高まったと言う。

　エンジンはグラントゥーリズモ Sに搭載するV型8気筒DOHC 4691ccに改良が加えられ、ベースエンジンを7kW（10PS）/20Nm上回る、最高出力331kW（450PS）/7000rpm、最大トルク510Nm（52.0kgm）/4750rpmを発生。オイルサンプ内の見直しや、エンジン内部にDLCコーティング（ダイヤモンドコーティング）を施すことで、低燃費性も高めている。

　また、軽量化を目的に、ブレーキシステムはグラントゥーリズモ Sが装着するデュアルキャスト合金製ブレーキよりも軽量なブレンボ製カーボン・セラミックブレーキ（フロント：4ピストンキャリパー＋380×32mmディスク/リア：4ピストンキャリパー＋360×32mmディスク）を採用したほか、特別仕様の20インチアルミホイールを装備。さらにコクピットでもディティールなどはそのままに軽量化を実施した。

　これにより、車重はラインアップ中もっとも軽量となる1850kgとなり、最高速は同社のロードカーとして初となる300km/h超、0-100km/h加速は4.6秒をマークしている。

　さらに、サスペンションではダンパーの減衰力を高めるとともに、より太いロールバーを装備して走行安定性を強化。同時にグラントゥーリズモ Sよりも10mm低い車高にセットアップされた。

　インテリアでは、軽量シートやレザーとアルカンターラを組み合わせた内装を新たに採用したほか、メーターパネルのデザイン、ダッシュボードレイアウトを一新。さらにメーターパネルのカラーをマセラティ伝統のブルーからブラックに変更した。

　ドライビングモードでは「オート」「スポーツ」に加え、新たに「レースモード」が備わるとともに、すべてのモードでアクセルレスポンスを向上させた。とくにレースモードはすべてのパフォーマンスを最大化すると言い、シフトチェンジを0.06秒で完了する。