独フォルクスワーゲン、EV実証実験に「ゴルフ ヴァリアント ツインドライブ」
モーターのみで57km走行できるプラグインハイブリッド車

ゴルフ ヴァリアント ツインドライブ

2011年6月28日(現地時間)



 独フォルクスワーゲンは6月28日(現地時間)、同社が進めている「エレクトリックモビリティの実証実験」の中間報告を行い、これに使用されているプラグインハイブリッド車「ゴルフ ヴァリアント ツインドライブ」の概要を発表した。

 この実験は、再生可能エネルギーを電気自動車(EV)に活用するためのもの。独では2020年までに再生可能エネルギーの比率を30%に高め、EVの保有台数を100万台とする計画がある。このため、再生可能エネルギーの供給の不安定性を克服すべく、需要のコントロールなどの研究が行われている。

 この実験に同社は20台のゴルフ ヴァリアント ツインドライブを投入した。同車は85kW/115PSの1.4リッター直噴ターボ(TSI)エンジン、65kW/88PS/600Nmのモーターを搭載し、エンジンとモーターの間にはクラッチを設けている。このクラッチにより、モーターのみと、エンジンを併用した走行が可能となっている。航続距離はモーターのみで57km、エンジンとの併用で900km。最高速度はモーターのみで120km/h、エンジン併用で170km/h。

 バッテリーはリチウムイオンで、20台のうち10台は容量11.2kW/hのGAIA製、残りの10台は容量13.2kW/hのSB LiMotive製を搭載している。

 ゴルフ ヴァリアント ツインドライブは無線カーナビを搭載しており、ルートや交通状況によって最も効率よくモーターとエンジンの負担比率を変えることができる。市街地ではなるべくモーターのみで走行するようになっており、例えばある都市から高速道路を経て他の都市に行く場合、目的地の都市でもモーターのみで走行できるよう、バッテリーの充電量を自動的に確保することができる。

 同社は2013~2014年に多数のプラグインハイブリッド車を市場に投入し、2013年にはEVをデビューさせる。市街地でのゼロエミッション走行と長距離走行を両立させたプラグインハイブリッド車は、既存のハイブリッド車やEVを補完するものとしている。

(編集部:田中真一郎)
2011年 7月 5日