「インディ ジャパン ザ ファイナル」はロードコースで開催へ
佐藤琢磨選手はロードコース初挑戦

最後のインディ ジャパンに参戦する唯一の日本人ドライバー佐藤琢磨選手

2011年9月16日~19日開催



 米国オープンホイールフォーミュラ-カーレースの最高峰であるインディカー・シリーズの第15戦「インディ ジャパン ザ ファイナル」が、9月16日~19日にツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)で開催される。予選は17日、決勝は18日に行われ、16日、19日は各種サポートイベントの開催予定日。

 1998年にCARTシリーズの1戦として初めて日本におけるオーバルレースとしてスタートしたインディジャパンだが、2003年に現行のインディカー・シリーズの1戦として開催されるようになった。8年が経過した今年が最後の日本開催レースとなる予定だ。

 今年のインディ ジャパンは、東日本大震災でツインリンクもてぎのオーバルコースが被災したため、ロードコースに舞台を移して開催されることになった。フル参戦2年目のシーズンに突入している、KVレーシングテクノロジー所属の佐藤琢磨選手にとっては、地元日本での最後の開催とあって、好成績が期待されるところだ。

 7月15日、東京青山にあるホンダウエルカムプラザにおいて、インディ ジャパン ザ ファイナルに関する説明会が行われ、佐藤琢磨選手も登場した。

集大成となるインディ ジャパン ザ ファイナル
 ツインリンクもてぎを運営するモビリティランド代表取締役社長 大島裕志氏は、「残念ながらインディカー・シリーズのレースは今年で最後になる。1998年の第1回大会から、地元の栃木県や茨城県の皆様には協力していただき、1つの文化として歴史を作ってきた。今年は14年目の集大成としてすべての皆様の記憶に残る特別な大会にしていきたい」と述べ、最後の大会に望む思いを語った。

 大島氏に続き登壇したのは、ツインリンクもてぎの地元栃木県と、茨城県の関係者。栃木県からは県庁所在地である宇都宮市の佐藤栄一市長が、茨城県からは「いばらぎ夢ガイド」を務める助川奈緒さんが登場し、それぞれの県がインディ ジャパンに向けて計画しているサポートイベントなどについて説明した。

モビリティランド 代表取締役社長 大島裕志氏宇都宮市 佐藤栄一市長いばらぎ夢ガイド 助川奈緒さん
栃木県の取り組み。インディジャパンの旗を近隣の市町村に掲示するインディフラッグ、様々な景品があたるインディスタンプラリーを実施
8月28日には道の駅もてぎにおいてインディジャパンフェスティバルを開催。各種のステージやゲーム大会などが行われ、インディジャパンをアピールするインディ ジャパン当日には茨城関連のイベントなどが行われる予定

トップグループまであと少しと佐藤琢磨選手
 今年、日本人として唯一シリーズを通しての参戦を続けている佐藤琢磨選手は、昨年同様KVレーシングテクノロジー(KVRT)に所属。今年の開幕戦では自己最高位となる5位に入賞したほか、第8戦のアイオワでは日本人としては初めてポール・ポジションを獲得するなどの活躍を見せている。

 また、第4戦のサンパウロでは終盤まで首位を独走し、最後はチーム側のピット戦略の失敗により残り3周でピットインせざるを得なくなり8位に終わってしまったものの、勝てる実力があることを証明する年となっている。佐藤選手自身「今年は手応えがつかめてきている。自分の中であと少しのところまで来ている」と述べ、昨年に比べて性能が大きく向上したことへの手応えを感じているようだ。

 そうした理由の1つとして、トップドライバーのトニー・カナーン選手がKVRTに加入したことが非常に大きいと言う。佐藤選手は「カナーン選手は何度も勝ってチャンピオンも獲っているドライバー。そうした経験あるドライバーが加入したことで、チームのレベルは確実に上がってきている」と述べた。

 なお、佐藤選手は、デビュー以来海外レースが主であったため、ツインリンクもてぎのロードコースを走った経験はほとんどないと言う。「ロードコースを走ったのは、デモ走行で走ったぐらい。しかし、逆に初めてのコースで楽しみではある。昨年のインディ ジャパンでは3年ぶりに母国レースを走ることができ、ものすごい歓声をいただき,こんなに楽しいモノはないなと思いました。今年も応援よろしくお願いします」と、日本のファンに向け、ぜひサーキットで応援してほしいとアピールを行った。

レースとレースの合間の週末に来日した佐藤琢磨選手

チケットはには佐藤選手らの応援シートも

 インディ ジャパン ザ ファイナルは、9月17日に予選、18日に決勝というスケジュールが組まれているが、予選前日となる16日、レース翌日となる19日にもイベントが用意されている。16日にはドライバーサイン会、パドック無料開放などのイベントの他、午後には練習走行も予定されている。19日には体験走行、施設見学、バスによるコース見学などのイベントが予定されており、予選・決勝日でなくともサーキットに行く価値はあるイベントとなる。

 さらに、予選日の17日には歴代のウィナードライバーや佐藤琢磨選手が登場する前夜祭が計画されているほか、予選・決勝日に多数のイベントが行われる予定だ。

 観戦ケットは、前売り自由席券は子供500円、大人6000円。ファミリー向けにファミリーチケット(大人2人、子供2人、4輪の駐車券付きで1万4000円)も用意されている。なお、前売りチケットを購入した来場者には記念のピンズがプレゼントされる予定。

 このほか、佐藤選手やカナーン選手、ダニカ・パトリック選手を応援する応援席などの指定席券も用意されており、ゆっくり観戦したいという来場者はこちらを選択するといいだろう。

 チケットはツインリンクもてぎチケットセンター、MOBILITY STATION、各プレイガイドなどで、9月15日まで販売される。

大会に協賛しているスポンサー今年のインディジャパンは4日間開催になる。最終日の月曜日は予備日だが、ファン向けのイベントが計画されている9月16日はドライバーサイン会や練習走行などが行われる
予選日となる9月17日は歴代のウィナーや佐藤琢磨選手などが参加する前夜祭が行われる決勝日の18日には大抽選会、19日には体験型のイベントが行われる予定チケットはすでに販売中

(笠原一輝)
2011年 7月 19日