J.D. パワー、自動車セールス満足度でレクサスが5年連続の首位
2011年日本自動車セールス満足度(SSI)調査より

2011年9月28日発表



2011年日本自動車セールス満足度(SSI)調査ブランド別ランキング
出展:J.D.パワー アジア・パシフィック

 J.D.パワー アジア・パシフィックは9月28日、2011年日本自動車セールス満足度(Sales Satisfaction Index、略称SSI)調査の結果を発表した。

 この調査は、乗用車を新車で購入した際の販売店の対応に関する顧客満足度を総合的に分析するもので、自動車メーカーおよび販売業界の現状と、それに対する顧客の満足度を把握するための指標になるとしている。10回目となる今年の調査では、新車購入後2~8カ月が経過した国産および輸入車ブランドの乗用車保有者を対象に、2011年6月にWeb調査を実施、7118人から回答を得ている。

 また、販売店の総合的なセールス満足度に影響を与えるのは5つのファクターとしており、「セールス担当者」(33%)、「購入条件」(25%)、「営業体制」(19%)、「店舗施設」(13%)、「商品展示」(11%)となる。カッコ内は総合満足度に対する影響度となり、複数の詳細項目に対する評価を基に総合満足度を算出している。

レクサスが5年連続1位
 2011年の総合的なセールス満足度(以下、総合満足度)の業界平均スコアは614ポイント。ブランド別の総合満足度ランキングでは、対象となった13ブランドの中でレクサスが第1位となった。総合満足度スコアは717ポイントで前年と同スコアになる。

 第2位はメルセデス・ベンツ(668ポイント)、第3位にはアウディとBMW(653ポイント)、第5位はフォルクスワーゲン(631ポイント)となり、ラグジュリーブランドあるいは輸入車ブランドが上位を占めている。

 また、昨年第5位のメルセデス・ベンツは36ポイントスコアが上昇し躍進。メルセデス・ベンツはすべてのファクターで昨年から評価が向上しており、なかでも「セールス担当者」と「営業体制」のスコア上昇幅が大きい。第6位はホンダ(627ポイント)、第7位は日産(625ポイント)と国産ブランドが続き、業界平均(614ポイント)を上回ったのは13ブランド中9 ブランド。

試乗の満足感を高めるためには20分以上の試乗時間の確保が必要
 この調査において業界全体の試乗実施率は約5割。試乗しなかった人の中で、試乗しなかった理由別に総合SSIスコアの違いをみた場合、「試乗の必要がなかったから」と顧客自身が試乗しないことを選択した場合の総合満足度は、試乗した場合と遜色なく高く、マイナスのインパクトはない。一方、試乗をしたかったにもかかわらずセールス担当者から試乗を推奨されなかった場合、スコアは大きく低下している。

 試乗した人を対象に、セールス担当者からの試乗推奨有無と試乗に対する評価の関係をみると、試乗の推奨なく(自ら申し出て)試乗した人の試乗に対する評価は、試乗の推奨があった人の評価を大きく下回っている。このことから、試乗が提供できる環境を整備し、顧客自らが試乗の申し込みをするのを待つのではなく、セールス担当者から試乗を積極的に推奨することが、顧客の試乗満足評価を大きく損なわないために必須としている。

 顧客満足度を損わないために最低限必要な試乗時間は、「20分以上」で、試乗時間が短いほど試乗満足評価が低下する。試乗時間10分以下の割合が3割を占めるのが業界全体の実情であるが、試乗時間が10分以下の場合、試乗満足評価は大きく低下し、顧客に試乗機会を提供した意味を失うに等しいとしている。

新車購入時の満足度向上はディーラーサービスに大きく影響
 新車購入時の満足度が高まると、同じ購入店から再び新車を購入したい(再購入意向)、あるいは、知人・友人に推奨したいという意向(推奨意向)が高まることが確認されているとする。

 この調査では新車購入者の“口コミ実態” についても聴取しており、購入時の満足度と口コミ実態についてみると、満足度が高まれば、「購入店の良い点」を家族・友人・知人に伝えたことがある人の割合は増加傾向を示す。お店のよい点を伝えたことがあると回答した割合は業界平均で約5割。しかし、非常に満足度が高いグループの場合、その回答割合は7割に増加し、「購入店の悪い点」については、満足度が低下するほど「購入店の悪い点」を家族・友人・知人に伝えたことがある割合が増加するとしている。

(編集部:谷川 潔)
2011年 9月 28日