三菱自動車、東京モーターショーで「ミラージュ」を世界初公開
プラグインハイブリッドの「Consept PX-MiEVII」も

東京モーターショーで世界初公開されるミラージュ

2011年11月9日発表



 三菱自動車工業は11月9日、「第42回東京モーターショー」(一般公開日:12月3日~11日)の出展概要を発表した。ワールドプレミアとして、世界戦略車「MIRAGE(ミラージュ)」と環境対応車「MITSUBISHI Consept PX-MiEVII」を出展する。また、電気自動車をはじめとした車載の大容量バッテリーを、家庭用電気の蓄電池として効率的に活用する提案として、MiEVハウスやMiEVカフェを展開する。

 同社は2011年度からの3年間の中期経営計画「JUMP2013」において、商品戦略の2つの柱として、新興市場を中心とした世界戦略車と、電動車両技術と燃費向上技術による環境対応車を掲げたが、今回発表される2台は、その両翼をになうモデルとなる。

 ミラージュは、2012年3月にタイでの発売を予定しているコンパクトカー。夏には国内でも発売される予定の世界戦略車だ。コンパクトで取り回しやすいボディーに、5人すべての乗員が快適に過ごせる室内空間を両立。加えてクラストップレベルの低燃費と低価格を目指している。

ミラージュ

 エンジンには可変バルブタイミング機構(MIVEC)やアイドリングストップ機構「オートストップ&ゴー」、減速エネルギー回生システムなどを採用した新開発の直列3気筒 1.0リッターエンジンを採用。副変速機を用いたワイドレシオの新世代CVTを組み合わせ、加えて高張力鋼板を効果的に取り入れた軽量ボディーは空力性能も追求し、10・15モードで30km/Lの燃費を目指すと言う。

ミラージュのエクステリア。空力のため、後部に行くほどルーフが下げられる
小さめの開口部のフロントフェイスサイドから見るとシャープな印象のヘッドライトバンパー下部は後方まで伸ばされ、タイヤの前にもエアダムが設けられる
ホイールも空力特性を考えたカバーが付く。タイヤはブリヂストンのECOPIA EP150だドアミラーにはウィンカーは内蔵しないサイドアンダースポイラーが付く
ベルトラインは前方は低く後部に行くほど高くなるリアバンパーのシャープなエッジも空力性能に貢献するボリューム感があるリアバンパー
風洞実験により最適化されたリアスポイラー横から見たリアスポイラーリアゲートにはエンブレムがつく
水平基調のデザインにより広がり感を持たせたインパネシンプルでありながらも品のあるシートリアシート。頭上空間、ニースペースも確保
ステアリングワイパーレバーウインカーレバー
メーター。ECOモードを示す表示があるセンターパネルにピアノブラックを用いることで高級感のあるデザインとしているシフトゲートの前にはドリンクホルダーがある
ラゲッジルーム。6:4分割可倒式だ
走行イメージ
デザインスケッチ

ミラージュ基本諸元
全長×全幅×全高3710×1665×1490mm
乗車定員5名
エンジン1.0リッター MIVEC 3気筒(オートストップ&ゴー付き)
変速機CVT
目標燃費30km/L(10・15モード燃料消費率)
駆動方式2WD
タイヤサイズ165/65 R14

 MITSUBISHI Consept PX-MiEVIIは、長距離の移動が要求される中型以上の乗用車に対して提案するプラグインハイブリッド。可変バルブタイミング機構を持った2リッター4気筒エンジンをフロントに搭載するほか、前輪用と後輪用に2つのモーターを持ったツインモーター式4WDを採用。従来の4WDに必要だったプロペラシャフトや油圧システム/クラッチ板を廃止することで、駆動ロスを抑え、燃費性能に貢献する。

 ツインモーター式4WDは、ランサーエボリューションXでも採用された車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」により制御される。応答遅れの少ないモーターにより、きめ細やかな4WD制御が可能となり、安定性や安全性を保ちながら意のままのクルマのコントロールを実現する。

 走行モードは、コンセントなどから充電したバッテリーの電気を使い走行するEV走行モードを基本とし、加速や坂など大電流が必要な高負荷時には、エンジンで発電をして走行するシリーズ走行モードに、エンジンが効率的に使える高速走行時には、エンジンも駆動力として使うパラレル走行モードに切り替える。また、任意でバッテリー走行モードやバッテリー充電モードを選ぶこともできる。

 大容量のバッテリーを搭載し、バッテリーのみで50kmの走行が可能なほか、複合燃料消費率60km/L以上で、ガソリンも用いた航続距離は800km以上となる。車内に設けられた100Vコンセントは1500Wの出力があり、アウトドアや、非常時の電源としても活用できる。また、V2H(家庭への電力供給)にも適合している。

MITSUBISHI Consept PX-MiEVII
走行イメージデザインスケッチ

MITSUBISHI Consept PX-MiEVII基本諸元
全長×全幅×全高4660×1830×1680mm
乗車定員5名
モーター種類永久磁石式同期モーター
モーター出力60kW(前/後)
エンジン種類2.0リッター MIVEC 4気筒
エンジン発電量70kW
目標EV走行距離50km以上(JC08モード)
目標航続可能距離800km以上(JC08モード)
目標複合燃料消費率60km/L以上
駆動方式ツインモーター式4WD
タイヤサイズ235/55 R18

 このほかにも、参考出品のデリカD:5やデリカD:3、D:2、クリーンディーゼルのパジェロ、RVRやアウトランダー、ギャランフォルティス、i-MiEV、MINICAB-MiEVなど全15台を展示。また、太陽電池や充電池、EVなどの電気を効率的に管理する「HEMS(Home Energy Management System)」や「EIS(EV Integration System)」を使ったMiEVハウス、EVの電気を使ったMiEVカフェも展示する。

(瀬戸 学)
2011年 11月 10日