ソニー損保、震災後に燃費を意識した人68.0%、EV/HV車に興味を持った人56.4%
2011年 全国カーライフ実態調査(前編)より

2011年11月21日発表



 ソニー損害保険は11月21日、「2011年 全国カーライフ実態調査(前編)」を発表した。

 この調査は、10月25日~28日の4日間、自家用車を所有し、月に1回以上車を運転する18歳~59歳の男女に対し、インターネットで実施したもの。3000名から有効回答を得ている。

東日本大震災以降の車の使い方や意識について
 はじめに、東日本大震災以降の車の使い方や意識について調査した。節約を意識して車の運転を控えたかどうか聞いたところ、「非常にあてはまる」と「ややあてはまる」と回答した人の合計が41.8%となった。

 これを居住地域別でみると、東北地方では65.1%、関東地方では54.4%が「あてはまる」と回答していることから、震災以後、車の利用に関しての節約意識が高まっていることが分かった。

 移動距離について聞いてみると、車で長距離の移動をしなくなったにあてはまる人が35.4%、近所の移動に車を使わなくなった人が37.9%に上った。とくに東北地方では、近所の移動に車を使わなくなった人が49.3%となっており、約半数が近場の移動では車の利用を控えていると回答している。

 次に、「燃費に対する意識が高まった」かどうか聞いたところ、「非常にあてはまる」「ややあてはまる」と回答した人は68.0%となった。燃費に対する意識は、年代が上がるにつれて高くなっているとしており、とくに50代女性で77.6%という結果となった。

 また、電気自動車(EV)やハイブリッド(HV)車に興味を持つようになったかどうか聞いたところ、「あてはまる」が56.4%となっており、世帯年収が「800万円~1000万円未満」の層で「あてはまる」と回答した人が66.8%と高い結果が出た。そのことから、「この層におけるエコカーへの意識の高まりが顕著な様子が明らかになった」と同社は分析している。

節約を意識して車の運転を控えたか(出典:2011年 全国カーライフ実態調査、以下同)車で長距離の移動をしなくなった近所の移動に車を使わなくなった
燃費に対する意識が高まったEVやHVに興味を持つようになった

実際の燃費「平均12.5km/L」、理想は「平均23.6km/L」
 運転している車の「実際の燃費」と「理想の燃費」について聞いた。

 実際の燃費では、「10km/L~15km/L未満」と回答した人が35.7%ともっとも多く、以下「5km/L~10km/L未満」26.3%、「15km/L~20km/L未満」16.1%と続いた。「わからない」と回答した452名(15.1%)を除き、実際の燃費の平均値は12.5km/Lという結果となっている。

 一方、理想の燃費では、「20km/L~25km/L未満」が22.3%ともっとも多く、「15km/L~20km/L未満」21.0%、「25km/L~30km/L未満」13.5%と続いた。「わからない」と回答した391名(13.0%)を除いた理想の燃費の平均値は、実際の燃費の平均値よりも10km/L以上高い23.6km/Lという結果となっている。

 こうした結果を受け、「最近では、ガソリン車でも燃費のよい車が発売されており、実際の燃費向上の期待も高まっている」と結論づけている。

実際の燃費について実際の燃費について(男女別)理想の燃費について

「エコカー補助金」の復活を求める声、75.3%
 次にエコカー補助金を復活させてほしいと思うかを聞いたところ、「非常にそう思う」(43.0%)、「ややそう思う」(32.3%)と、合計75.3%の人が復活を求めていることが分かった。

エコカー補助金を復活させてほしいと思うか震災後、EVやHVに興味を持つようになった人は85.8%に上った

車の維持費の平均金額は1万6000円
 車の主な運転目的を聞いたところ、「日常の買い物・送迎」が44.7%、「通勤・通学」が43.5%と、2010年の調査同様、この2つが主な運転目的となっていることが分かった。

 また、1カ月あたりの走行距離を聞いたところ、「100km未満」26.9%、「100km~300km未満」28.2%、「300km~500km未満」17.9%、「500km~1000km未満」16.6%、「1000km以上」10.4%となり、走行距離が月300km未満の「ちょい乗りドライバー」が55.1%を占めた。

 1カ月あたりの車の維持費(保険料、ガソリン代・燃料代、駐車場代、修理代等)では、「1万円~1万5000円未満」が24.4%、「5000円~1万円未満」が24.3%、「1万5000円~2万円未満」が18.1%。維持費の平均金額は1万6000円となり、前回調査の1万5600円から400円上がった。

 また、車の諸経費で負担に感じるものを複数回答で聞いたところ、「車検・点検費」70.5%(前年比+5.2ポイント)、「自動車税」62.2%(前年比+6.9ポイント)、「ガソリン代・燃料代」54.2%(前年比+4.2ポイント)、「自動車保険料」52.6%(前年比+5.4ポイント)となった。

 いずれの項目も前回の調査より高い傾向となっており、同社は「車の維持費や諸経費に対する負担感がアップしており、今後の国内自動車市場への影響が懸念される結果となった」と述べている。

主な運転目的1カ月あたりの走行距離
1カ月あたりの維持費車の諸経費で負担に感じるもの

運転している車の保有期間は「1年~3年未満」が26.3%
 主に運転している車の保有期間を聞いたところ、「1年~3年未満」が26.3%、「3年~5年未満」が21.8%、「5年~8年未満」が19.8%、「10年以上」は12.6%となった。

 また、現在運転している車に買替えた理由を聞いたところ、「保有期間が長くなったため」(22.3%)がもっとも多く、「車検の時期が来たため」(20.6%)、「ライフスタイルが変わったため」(17.8%)、「故障個所が多くなったため」(17.3%)、「走行距離が長くなったため」(16.4%)が続いた。

 今後車を買替える予定があるかどうかを聞いたところ、「半年以内」が2.6%、「1年以内」が4.7%、「2年以内」が11.3%、「3年以内」が13.1%、「5年以内」が19.2%となり、今後5年以内に買替える予定がある人は50.9%という結果となった。

 買替えはせず手放す予定と回答した98名に対し、手放そうと思っている理由を聞いたところ、「経済的な理由(維持費がかかる)」が44.9%となっており、以下「家族と他の車を共有するから」(23.5%)、「(結婚や引越しなどで)ライフスタイルが変わる予定だから」(14.3%)と続いた。

 また、「レンタカーで充分だと思うから」(10.2%)や「カーシェアサービスで充分だと思うから」(4.1%)という理由が少なかったことから、「レンタカーやカーシェアリングは、自家用車の代わりとしてはなかなか捉えられにくいようだ」と述べられている。

主に運転している車の保有期間現在の車に買替えた理由
買替え予定の時期手放そうと思っている理由

次に買いたい車はHV
 車を「買替えはせず、手放す予定」と回答した以外の2902名に対し、次に買替える時に購入したい車のタイプを聞いたところ、HVがもっとも高く34.9%となった。

 しかしながら、ガソリン車でも燃費のよい「第3のエコカー」の登場によって次に購入する車を決めかねているのか、震災後の経済環境の不透明さから現実的に購入できる金額帯が見えないのか、購入を希望する車のタイプがはっきりしない消費者が増加している状況が浮き彫りになったと言う。

 なお、次に車を買替える時、「新車」と「中古車」のどちらの購入を考えているかを聞いたところ、64.5%が「新車」と回答している。

 次に、買替え時の車体価格の予算(諸経費、自動車税、自動車取得税、自動車重量税などは除く)を聞いたところ、「100~150万円未満」がもっとも多く22.1%、以下「150万円~200万円未満」(18.8%)、「200万円~250万円未満」(14.1%)が続き、「わからない」を除いた全体の平均予算額は180.1万円となった。

 また、「新車」で購入を考えている人の平均予算額は206.0万円、「中古車」では100.7万円となったほか、次に購入したい車のタイプ別の平均予算額では、「ガソリン車」が167.1万円、HVが201.9万円、EVが194.1万円となっている。

次に車を買替える時に購入したい車のタイプ次に車を買替える時に「新車」と中古車」どちらで購入したいか
次に車を買替える時の車体本体価格の予算次に車を買替える時に購入したい車のタイプ別平均予算

(編集部:小林 隆)
2011年 11月 22日