カー用品市場はタイヤ・ホイール以外は減少傾向続く
矢野経済研究所調べより

2012年1月24日発表



 矢野経済研究所は24日、「市販カー用品市場に関する調査結果2011」を発表した。

 2011年12月20日に発刊された「カー用品産業白書 2012 年版(第15版)」(157,500円)のサマリー。2011年9月~12月に、カー用品関連企業(メーカー、輸入商社、卸売業、小売業)と関連団体に取材し、調査した。

 これによると、2010年の市販カー用品市場の出荷金額は、前年比98.3%の1兆1,620億円となった。エコカー補助金や景気の回復基調により新車販売台数が増加したにも関わらず、消費マインドは依然として厳しく、オーディオやカーナビの単価下落や「ETC特需」の反動などでマイナスとなった。

 製品別の出荷金額を見ると、乗用車用タイヤは前年比109%の3,630億円。冬用タイヤの需要増で、販売本数が前年比108.4%の5,161万本に増加した。またアルミホイールもスタッドレスタイヤとアルミホイールのセット販売が伸びたことで、前年比106.1%の520億円となった。
 オーディオ・カーナビ関連は前年比93.4%の2,442億円。新車の販売台数増加に伴ってカーナビの販売台数も伸びたが、単価の下落幅大きかったため出荷金額が減少した。

 車内アクセサリーは前年比93.9%の137億5,000万円。シートカバー、マットや灰皿、携帯電話(スマートフォン)ホルダーなどが堅調だったが、ドリンクホルダー、ルームミラー、スポーツ車仕様のシフトノブ、ペダルが不調だった。

 オイル・ケミカル用品は前年比96.8%の1,232億2,000万円。ガソリン高騰によるメンテナンス経費の削減と、燃費のよいクルマにシフトしたことでエンジンオイル交換の頻度と使用量が減ったことから需要減になった。

 オイルフィルター、エアフィルター、ワイパーブレード・ゴム、点火プラグ、バッテリーなどの消耗品は前年比102.6%の1,364億円。バッテリーや雪用ワイパーが出荷増となった。

 キャリア、チェーン、チャイルドシート、レーダー探知機、ETC車載器などの機能用品は前年比73.7%の900億9,000万円。タイヤチェーンが販売増となった以外は振るわず、ETC特需の反動も影響した。

 ドレスアップ用品は、前年比109.3%の246億円。LEDバルブの販売増により前年比増となったが、LEDバルブのリプレイス需要は飽和状態にあるとみられている。

 チューンナップ用品は前年比94.8%の432億5,000万円。若年層が中心の市場のため、市場規模の縮小が続いているうえ、自動車メーカーによるカスタマイズの強化もあって、厳しい市場環境が続くと予測している。

 2011年は「地デジ需要」のほかに市場を後押しするマクロ要因がないため、前年比99.4%、1兆1,545億円の微減を予測する。タイヤとアルミホイールのみ前年比増となり、そのほかの製品はすべて前年比減を見込む。

(編集部:田中真一郎)
2012年 1月 24日