国交省、2月12日開通の「東京ゲートブリッジ」を一般特別公開
大田区城南島~江東区若洲を結ぶルート

2月12日に開通する東京ゲートブリッジ

2012年1月28日一般特別公開



 国土交通省は1月28日、東京港に建設中であった「東京ゲートブリッジ」が完成したことをうけ、正式開通前に同橋梁の一般公開を実施した。公開は事前の一般公募で当選した人のみが対象となり、今回で2回目。

 東京ゲートブリッジは、2004年に着工された東京港臨海道路II期事業として建設された橋梁で、大田区城南島~江東区若洲を結ぶ東京港臨海道路の一部。東京港臨海道路の全長は約8km。東京港臨海道路II期事業ではそのうち4,612mを建設。東京ゲートブリッジと呼ばれる橋梁部分の全長は約2,618m。通行料は無料。

東京ゲートブリッジ主橋梁部の模型基礎部分の構造
若洲方面の橋梁入り口近くにゴルフ場があるため入り口には飛球対策用のネットが張られている若洲側の歩道昇降施設。歩道へはここからしか入れない

 東京港臨海道路は、東京湾のコンテナターミナルに出入りする物流車両の混雑を緩和するために施設された道路で、道路の開通により中央防波堤外側埋立地と新木場間の移動時間が約4割短縮でき、湾岸道路の混雑緩和も期待されると言う。

 東京ゲートブリッジの独特な形状は、東京湾に出入りする大型の貨物船舶が通行することを前提としたもの。橋梁上空は羽田空港へ出入りする航空機が飛行するため、高さ制限もあった。このため主橋梁部は連続トラスボックス複合構造を採用し、橋梁部の構造を最小限にしたため、桁下の高さは54.6m、航路幅は310mを確保。高さも87.8mに抑えられている。

トラス構造を採用した主橋梁
トラス桁部分は溶接で接合されており、リベットなどはほとんどない

 車線数は陸上部分が往復6車線、橋梁部分は往復4車線と歩道が整備されている。歩道は東京都心部に面した側のみに設置。なお、当面は車道、歩道ともに自転車や50cc未満の原動機付自転車の乗り入れは不可能。

歩道の海側の柵は、主橋梁付近から高さが高くなる。これは下を航行する船舶への異物投げ入れなどを防止するため歩道には所々に展望スペースが設置されている東京湾と高層ビル群を一望できる
歩道からみた東京スカイツリー千葉県側に目を移すと東京ディズニーランドも見える東京ビッグサイトと東京タワーも見ることができる
時折、羽田を離発着する航空機が上空を通過していく遠くには羽田の滑走路も見える橋の下を頻繁に船舶が航行しているのを見ることができる
主橋梁中央付近の様子道路は片側2車線
橋梁の接合部は免震対策が施された構造となっている主橋梁の中央ガードレールは、事故発生時などの緊急時には一部を取り外して作業が可能なようになっている排水溝はすべて走行面の左側に設置されている
道路照明はもちろんLEDライト橋梁のところどころに設置された3次元超音波風向風速計。水平方向だけでなく垂直方向の計測も可能
スピーカーや監視カメラも設置されている

 東京ゲートブリッジからは東京の高層ビル群や東京タワー、そして東京スカイツリーも一望でき、夜間にはライトアップも施される予定で、東京の新たな観光スポットとしても期待されている。東京ゲートブリッジの開通日時は2012年2月12日午前10時予定となっている。

(清宮信志)
2012年 1月 30日