J.D.パワー、「米国自動車初期品質調査」でレクサスが2年連続1位に
「自動車メーカー各社の初期品質は大きく改善」

「2012年米国自動車初期品質調査」のブランド別ランキング。もっとも不具合指摘件数が少なかったのはレクサス(出典:J.D.パワー・アンド・アソシエイツ 2012年米国自動車初期品質調査)

2012年6月21日(現地時間)発表



 J.D.パワー・アンド・アソシエイツは6月21日(現地時間)、「2012年米国自動車初期品質調査(Initial Quality Study:IQS)」の結果を発表した。

 この調査は、228の不具合項目から構成され、自動車メーカーに不具合を特定し、クルマの改善に役立つ情報を提供することを目的として行われている。2012年型の乗用車、ライトトラック、マルチアクティビティ車(MAV)を購入もしくはリース契約した7万4000人以上を対象に、購入(またはリース)後90日における車両の初期品質を調査した。調査は2月~5月に実施している。

 ランキングは100台あたりの不具合指摘件数をIQSスコアとして算出。単位はPP100(Problems per 100 Vehicles)で、数値が小さいほど不具合指摘が少なく、品質がよいことを示している。

 その結果、「ブランド別ランキング」ではレクサスが73PP100で、同ランキングで2年連続1位となった。これに75PP100のジャガーとポルシェが続いた。今回の調査で不具合指摘件数がもっとも改善されたのはジャガーで、昨年から39PP100減少し、20位からの躍進となった。以下、キャデラック(80PP100)とホンダ(83PP100)が続いている。

 2012年の初期品質の業界平均100台当たりの不具合指摘件数は、昨年より5件改善の102PP100で、これは昨年から5%の改善になる。大半の分野で昨年度から向上している一方で、「オーディオ/エンターテインメント/ナビゲーションシステム」の不具合指摘件数が昨年から8%増加した。2006年以降、ほかの分野では平均24%改善しているのに対し、この分野では45%も指摘件数が増加しており、近年の継続的な傾向だと言う。

 その原因の1つには、音声認識システムなどの最新技術搭載が急速に増加していることを挙げており、同社のグローバル・オートモーティブ部門バイス・プレジデント デヴィッド・サージェント氏は「消費者の生活にスマートフォンが定着し、それがますます高度化するに従い、新モデルで提供される技術への期待も高くなるばかりだ。自動車メーカーとサプライヤーは期待に応えるため、安全性や利便性、そして運転の楽しみを高める努力を惜しまないが、世界最先端の技術もユーザーがうまく利用できなければ、それが即時に不満足感へとつながる」と指摘している。

 また、21ある「セグメント別モデルランキング」では、フォードとレクサスがそれぞれ3つのアワードを受賞した。フォードは「エクスペディション」「マスタング」「トーラス」が、レクサスは「ES 350」「LS」「RX」が受賞している。セグメント別アワードを2つ受賞したのは、インフィニティ(EXシリーズ/Mシリーズ)、日産(フロンティア/クエスト)、トヨタ(カローラ/ヤリス)となっている。

 そのほか、米国市場向けモデルの生産工場を対象とした「2012年プラントアワード受賞工場」も発表しており、CR-Zやフィットを製造する本田技研工業の三重県鈴鹿第3工場が、不具合指摘件数のもっとも少ないモデルを製造したとしてプラチナ賞を受賞している。

セグメント別ランキング トップ3(乗用車セグメント)セグメント別ランキング トップ3(ライト・トラック/MAVセグメント)2012年プラントアワード受賞工場

(編集部:小林 隆)
2012年 6月 21日